1-7

*描写あり



そう言って、来夢くんが私の首筋を指でツツ…となぞる。


「あンゥッ!」

「どうしたの?首触ってるだけだよ?」

「も、だめ、我慢できな……」

「ここ、どこだかわかってるの?」


そう、ここは私と先生が長く2人で過ごした先生の仕事部屋。


「でも…」

「いいの?先生に見られてるかも知れないのに?」

「でもぉ……」


見られてる、なんて有り得ないのに。

なのに、見られいてるんじゃないかと、そうかもしれないと思うと、私の体は更に熱を帯びる。


(むり、我慢できない…先生、ごめんなさい)


私は後ろを振り向き、来夢くんを押し倒した。


「いい、いいからっ!ちゅうっ、来夢くん、シて…?」

「後悔しても知らないからね」



***



私は来夢くんの上に跨り、来夢くんのものに突かれていた。


「ほんとここ好きだね」

「すき、すきぃっ、おく、あんんっ、いっ、ひぅっ」

「ここも、だよね」


乳首を口で吸われる。


「あ、すき、すきぃっ」

「宝、かわいいね」


ちゅ、とおでこにキスをされる。


「かわいく、なんてなぃぃっ」

「かわいいよ、もっと自分に自信持ちなよ」

「そん、なっ、むり、ですっ」

「だってさ、ここを、こうやって」

「~~~っ!」


奥を一突きされる。


「突くだけでさ。ほら、ナカでイッちゃうんだもん。ほんとかわいいね、宝は」

「かわいくないぃっ、んあああっ!」

「自己肯定感低いよね、宝」


私みたいなものは、好かれる訳ないのだから。

だから私は、恋愛なんてしてこなかった。

本当は普通に生きたかったのに。

そんな事を考えてしまい、気づいたら目から涙が溢れてきていた。


「えっ」

「私みたいな、こんな、ひっ、体のっ、うっ、妹さんの、っ、いうとおりでぇ…!」

「それも込みでかわいいし、好きだよ」

「え、いま、なんて…」

「好き」


耳元で囁かれる。

ただそれだけで。


「ちょ、締めすぎ」

「なん、なんれわらひなんかっ」

「後でいくらでも話すから、とりあえずイッていい?」

「っあ、きて、きてっ、おくに、ちょうだいっ」

「出すよ、宝。受け止めてね」

「んっ、キてぇっ」

「──っく」

「イく、んううううっ!」


私を好きだと言ってくれた人のキスはとても、甘いものだった。

どうかこれが、夢でありませんように。



***



「おはよ、宝」

「あ…」


目が覚めてすぐに来夢くんと目が合う。


『好きだよ』


昨日の事を思い出してしまって、来夢くんの顔がまともに見れない。


「ねー宝ー」

「な、ななななななんですかっ」


来夢くんが布団越しに私に話しかけてきた。


「昨日言ってた、宝の好きなとこ、言ってもいい?言うね」

「や、やめてください!恥ずかしい…」

「真面目で努力家でしょー、メシ美味しいでしょー、何事にも一生懸命なところでしょーそれからー」

「だ、だからやめてくださいって!」

「エロいとこ」

「な………ッ」


なんてことを言うんだ、この子は。


「そういえば昨日聞き忘れてたんだけど」

「はい?」

「宝って、俺のこと好き?」

「え、ええと……」

「ま、いいや」

「へ?」

「絶対俺のこと好きにさせるから」


ちんこよりもね、なんてオジサンみたいな捨て台詞を吐いて、ベッドから出ていこうとした。

私は無意識に来夢くんの服を掴んでいた。


「─────よ」

「ん?なんて?」

「わ、わたし」

「うん」

「き、嫌いじゃないですよ、来夢くんの……こと」

「えー好きって言ってくんないのー?」

「そ、それは…あの……もう少しだけ……心の余裕がある時に………」


恥ずかしすぎて、言えなかった。

今までこんなにストレートに好きだ、って言ってくれる人はいなかったから。

来夢くんはすごく気の利く子だし、私にすごく優しく接してくれる。

多分私の事なんて何でもお見通しだと思う。

きっと、私が来夢くんを好きだと意識し始めていることも。

だけど。


「い、いつか、必ず言いますから……」

「ありがとう、宝。待ってるね」


来夢くんが布団を剥ぎ取り、私のおでこにキスをする。

顔を赤くする私を見て、かわいいーと茶化してくる来夢くん。


(必ず言うから…待っててください)


この時、私は気づくべきだった。

もっと早く言うべきだったと。


to be continued……

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