スーパー銭湯でととのい♡デート~きみとの癒しのHOTなひととき~

梶原めぐる

第1話 ゆあがりの君と待ち合わせ♡

〇休憩所

 

 ここ、「天然温泉スーパーSPA」は家族連れも楽しめる人気スポットだ。平日なのもあって今日は少し空いている。(ガヤガヤと人の喋り声や店員の声が聞こえている。)

 俺は休憩所で美緒さんが女湯から上がってくるのを待ちつつ、休憩所で水を飲んでいた。

 和風な内装に、ゆったりとしたBGM。それに、温泉。まさに至極の癒し空間。

 まったりした空気感を味わっていると、美緒さんの声が聞こえてきた。(ペタペタと足音が徐々に近づいてくる。)

 

「あっ、いたいた。お待たせ~!」

 

 館内着を身にまとった彼女――美緒さんは、湯上りの火照った顔で現れた。

 

 「ごめん、待った?ここのお風呂が気持ちよくってさ~。気が付いたら集合時間過ぎちゃってた。特に、厳選かけ流しの露天風呂が最高!熱くて、手入れされた庭も綺麗で……♡サイコーって感じ!」

 

 そして、俺の隣のベンチに座った。美緒さんの体温を感じるほど密着している。


「それにそれに、高濃度炭酸泉がしゅわしゅわって……ねぇちょっと、君。……どこみてるの?……えっ?体育座りは止めてくれ、だって……?なんで?」


 館内着のズボンは、通気性を確保するためか、膝上位の丈だ。つまり、短パンで体育座りをすると美緒さんの真っ白な太ももが強調されるだけでなく、角度によっては際どいところが見えそうな気がしてやまないのだ。彼氏として心配になる。


「心配性だなぁ、君は。うふふ、だいじょーぶ、みえない、見えない!……もう、そんなの気にするの君だけだよ!」


 俺の心配はよそに、美緒さんは軽快に笑い飛ばすのだった。彼氏としては、他の男に見られるのは複雑な気分なのだが。

 

「さ、お待ちかねの岩盤浴入りにいこ。君の行きつけのスパなんだから、君が案内してよね。今日は一日、アテンドよろしくっ♪」


 美緒さんはおどけてびしっと敬礼のポーズをとってみせた。職場で見る美緒さんもきりっとして素敵だが、血色の良い頬を緩ませ、OFFモードな彼女は中々にクるものがある。


「それにしても、ここの施設、何でも揃ってるね。温泉に、岩盤浴にサウナ!それに、ゆっくり寛げる休憩スペースに、メニューが豊富なレストラン。極めつけにジムまで併設してあるときた!最近の温泉施設はスゴイね~。一大エンターテインメント施設って感じ。一日中居れちゃうよ。」


 うんうん、と感慨深そうに美緒さんは頷く。


「私、近所に銭湯があるからよく通っているんだけど、そこもまた地域密着型って感じでオツなんだよね~。番台さんがいて、回数券を使って入浴しているんだけど、古き良き町の銭湯なんだ。私、良く来るおばさまと友達になっちゃった。そこは温泉しかないから、今日はすごく楽しみ。岩盤浴も、サウナも、あんまり入ったことなかったから勉強してきたんだ♪」


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