31話目

「次は桐花と陽那さんか、もう大丈夫?」


さっき一応凜に回復魔法を、かけて貰ったが流石に心配だ、最後の魔法なんて楽しくなってて手加減をミスったからな。


本当は俺がかけれたらいいんだが、流石に秘密は明かすこと出来ないし、しょうがない。


「ごめん、少し待って貰ってもいいかな?」


「うん、分かったよ陽那さん。なら桜花少しの間俺達でやろうか」


「えぇ、待ってたわ」


俺達は戦闘準備を始めると、桜花はいつもの甘い顔ではなく、戦う顔になっていた。


久しぶりの桜花との手合わせだ、風属性だけでどこまでやれるか試そうか。


「じゃあ桜花、最初から本気で行こう。

フル身体強化(風)」


先ほどとは違い桜花の実力は把握してるので、最初から本気で行く。


「楽しくなってきたわ。蒼真私に三属性目使わせてみなさい。じゃあ始めるわねフル身体強化(火土)」


じゃあ行こうか。


side陽那


はぁ蒼真くん、さっきの全然本気じゃなっかたじゃん。


さっきの私との戦闘のときはあんな威力の魔法使ってなかったし、身体強化率も先ほどとは違い、風属性だけで三属性分くらいの身体強化をしていた。


なんか悔しいな、手加減されて手も足も出ず、負けるなんて。


それにあの皇さんはそんな蒼真くんの猛攻を、喰らっても表情一つ崩さず余裕で受けている。


私もそこそこ強い方だと思ってたけど、まだまだだったんと思い知らされる。


くよくよしても始まんないし、そろそろ体力も回復してきたさら、如月さんとやろうかな。


「二人とも~。私そろそろ体力も回復してきたし如月さんとしたいんだけどいい?」


◇◆◇


「了解。桜花また後でやろうぜ」


「えぇ、ていうか蒼真あなた強くなりすぎよ、前より魔力操作も上がってるし」


「はは、それは桜花もだよ」


「ありがと蒼真」


そう言うと桜花はまた甘い顔になり、俺に抱きついてきた。


「もう、汗かいてるから今抱きつくのは辞めてくれ」


「すぅーはぁー、蒼真っていい匂いね、ほんと、辞められない」


「はぁまぁいいや、二人ともいつでもいいから開始してくれ」


こうなると桜花は何しても離れてくれないんだよな、まぁいいか、可愛いから。


こう甘やかすからダメなんだろうな。そう思ってるのに甘やかす俺もダメだな。


「じゃあ辻村さん始めよう」


「うん、如月さん」


「身体強化(水闇)」


「身体強化(風闇)」


抱きついてくる桜花を無理にはがし、二人の戦いに集中する。


桐花は闇属性が、俺と同等(蒼真は最近全属性風属性までとはいかなくとも大分使いこなせる)いやそれ以上に得意だ、まぁ水属性はそこそこらしいけど。


でも陽那さんも闇属性だから、これは面白い勝負が見れるかもな。


「あなたって意外に強いのね」


「意外には心外だけど、そう言う如月さんも最初の授業のときから大分強くなってるね」


「第四魔法アクアライン」


「!第七魔法冥王の誓い」


陽那さんあの魔法が使えるのか、冥王と魔法の名前に王がつくものは威力が高くその分魔力消費が多いが、でもあの年齢でこれを使えるとは凄いとしか言いようがない。もう一つ王の魔法の上が神を関した魔法だ、これは俺もまだ使えないし、まだ王もあんまり使いこなせないけどね。


ていうか王の魔法がつかえるんなら、桐花に勝ち目はないんじゃ。


「はぁはぁ」


「如月さんこの魔法も耐えるんだ、でも今回は私の勝ちだね」


「複合魔法ダークウィンド」


そのまま桐花はなんとか防御魔法を放つが受けきれずに負けてしまった。


俺は早期決戦で陽那さんの魔法をあんまり見れなかったが、この強さなら桜花とも張り合えるんじゃないか。


あ、次は凜か。でも、陽那さんも今日は疲れてるし、また今度にした方がいいだろう。


「二人ともお疲れ様。陽那さんも疲れてるだろうし、凜とは明日とかでいい?凜もいいだろ?」


「う、うん蒼真くん」


「ありがと蒼真くん、じゃまた明日ね、もうそろそろ門限だから帰らなくちゃだから」


「おっけー。また明日バイバイ」


「じゃあ俺達も帰るか、凜また明日な、今日はいろいろありがとう」


「三人ともバイバイ」


あの後桐花におんぶしろとねだられて、おんぶして帰るはめになってしまった。


まぁ軽いからいいんだけど。




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