29話
「今日は体育祭の競技練習の日なので、みなさん頑張ってくださいね」
今日は朝から大変だった桐花が忘れ物して取りに帰ったりなど遅刻しかけた(いつも通り)。
「ねぇ蒼真くん」
「どうしたの?陽那さん」
「体育祭って個人戦と集団戦があるよね」
「うんそうだけど」
「だからさみんなの実力を知るって意味でも今日手合わせしない?」
「こっちもやりたかった所だしいいよ、他の2人には後で聞いてみるよ」
「3人とも仲いいもんね、特に如月さんと仲いいの羨ましいなぁ、だってね話し掛けても塩対応って感じでほぼ反応してくれないしさ」
桐花、そんな感じだったんだな。
まぁ昔からそんな素振りはしてたけどさ。
「陽那さんにもそうなのか桐花って、昔から俺ぐらいにしか優しくないんだよな、一応桐花に言ってみるよ」
「でもそれも如月さんの個性だし私は全然気にしてないよ」
あーほんといい子だなこの子は。
「ていうか、陽那さんってあんまり俺との会話に緊張してないよね」
「え?そんなことないよ、緊張してるよ、どうしてそう思ったの?」
「クラスのみんなは緊張で話せなくなるけど陽那さんだけ最初から話せてるなと思ったんだ」
「確かにそうかもね、何でだろ」
「まぁ別に大丈夫だよ」
「なら良かった」
side桐花
蒼真、また別の女と話してる!!凜と桜花はまだいいとしてもこれ以上手を出すなんて流石に許せない。
今度注意しなきゃ。
それが顔に出ていたのか、蒼真に話し掛けられた。
「桐花なんか怒ってるのか」
「いや別に怒ってないけど」
「そう言うならそうなんだな、それより陽那さんが体育祭のために今日凜も含めた4人で手合わせしたいって言ってたからいい?」
「それは別に構わないけど、蒼真もうこれ以上嫁を増やさないでよ」
「あ、あぁそれは自重しておく」
これで守ってくれるなら苦労はしないんだけど。
どうにか阻止しなくちゃ。
辻村さんまで嫁になったら私に構う時間がもっと減っちゃう、それだけは嫌だ、本当は蒼真には私だけを見て愛して欲しい。こんな世界でこんな願いを持つのも変かもしれないけど私の心はそれを願ってる、だから蒼真私を一番に愛してね。
愛してるよ蒼真。
◇◆◇
放課後……
「よし4人揃ったな」
あの後凜に許可を貰い俺達は訓練所に来ていた。ちなみに桜花もいる。
「じゃあ早速私は蒼真くんと手合わせしたいんだけどいい?2人とも」
「いいですよお先にどうぞ」
「好きにして」
「じょあ許可を貰ったことだし始めようか」
「うん!」
「身体強化(風)」
「身体強化(風闇)」
陽那さんは風闇持ちかそれに魔力操作もレベルが高いこれは強いな。
さぁどう仕掛けてくる。
辻村さんは風属性と闇属性持ちでこの属性持ちは汎用性と攻撃力を併せ持ったバランス型のタイプだ。
「もういい?」
「いいよ」
俺は様子見がてら風属性の第一魔法を打ってみた。
「そんなの食らうわけないよ」
反応速度もいいね、じゃあこれはどうかな。
「第三魔法ウィンドストーム」
俺は陽那さんの背後に一瞬で立つと魔法を放った。
「え?消えた」
「ここだよ陽那さん」
これはどう反応するかな。
「くっ!第四魔法ウィンドウェーブ」
ふむふむ魔法を出す速度も申し分なしか、ならもうちょいギアを上げるか。
「手加減はやめにして少しは本気で行くよ
フル身体強化(風)」
「うん!フル身体強化(風闇)」
「次はこっちから行くね、第三魔法ダークランス、第六魔法ウィンドスピア」
いいね、同時魔法展開も出来ると。
俺には効かないけど。
「第七魔法デスストーム」
これはウィンドストームがただの嵐ならこれは殺傷生をもった嵐だな。
俺の魔法が陽那さんの魔法を全て飲み込み、
驚きで固まってる陽那さんの隙をついてさっきと同じやり方で背後を取り魔法を発動した。
「第七魔法ウィンドロック」
「え?蒼真くん、いつの間にそこにいるの!」
「これで終わりにする?陽那さんは動けないだろうし」
「う、うん」
「でも想像より全然強かったよ陽那さん」
「むー、蒼真くんは強すぎだよ、どんな鍛え方したらそんなに強くなるの?」
「それは日々努力してるからかな」
本当のことは言えるわけないしね。
side凜
蒼真くんは日々強くなっていて、前にはあんな速度で移動なんて出来ていなかったのに、私なんて見向きもせずどんどん突き進んでしまう。
だからこそ置いてかれないために私は努力しなくてはいけない。桐花ちゃんは蒼真くんの幼馴染みでそれにめちゃくちゃ可愛いし、桜花ちゃんは強くてお嬢様だから気品もあって綺麗な子だ、それに比べて私は全然ダメだ、可愛くないし、魔法もそこそこだし、でも蒼真くんはモテるし、格好いいし、公表はしてないけど世界で初の全属性持ちだから、だから私は見合う女になるために日々努力している、でもふと考えてしまう、いつか蒼真くんに捨てられるじゃないか。
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