9話
「今日は帰っていつもの森で特訓だな」
桐花荷物はあるのにいないなートイレかな。戻ってきたら一緒に帰るか。
「蒼真くん、今日一緒に帰らない?」
高橋さんが話しかけてきた。でも、今日桐花と帰ろうと思ってたんだけどなー。
「えーと今日魔法の訓練するから一緒に帰るの難しいからごめんね」
「それなら大丈夫です!私の家には魔法のための訓練所がありますから」
まじで?それは行きたいな、でも桐花が。
そんなときちょうど桐花がトイレから戻ってきた。
「蒼真。今日も一緒に帰ろう」
「ごめん、今日は高橋さんと帰りたいんだ。母さんに帰るの遅れるって言っておいて欲しい、よろしくな。また、明日」
「分かったよ、蒼真」
「ありがとう桐花。なら、行こう高橋さん」
「分かりました、訓練所期待しといて下さいね」
ふと、教室から出るとき桐花が悲しそうな顔してた気がするけど俺と帰れないだけで悲しいとかおかしいもんな。
蒼真、私のことはもういらないのかな。明るくて可愛い高橋さんみたいな子が好きなのかな。
嫌だよ蒼真私から離れていかないで。
もう、今日やるしかないんだね。
「高橋さんの家って俺の家の方面だったんだね」
「はい、前に蒼真くんが如月さんに引っ張られてるの見かけましたよ」
「あーあのとき助けて欲しかったよ、腕ちぎれるかと思ったもん」
「そうだったんですね、今度からは助けますよ」
「あ、そうだ私は蒼真くんって名前呼びしてるから私のことも凛って呼んで欲しいです!」
言ってしまった。蒼真くんから名前呼びしてもらったら心臓裂けるかも。
「う、うんいいよ。凛」
「蒼真くん」
二人とも顔がリンゴのように真っ赤で蒼真は、基本的に女性への免疫を持っていないためこうなっている。凛は言わずもがなである。
如月さんこれを毎日してるのに動揺してないもんね。
蒼真くんのこと好きじゃないのかもしれません。
「蒼真くん着きましたよ」
「はっ、何だ?この豪邸は?」
「私実は高橋財閥の令嬢なんです」
「まじか?俺家に入ってもいいの?大丈夫かな」
「そんなに緊張しないで大丈夫ですよあ、でもちょっと待って下さいね家の人に蒼真くんのことを説明してきます」
「分かった待ってるね凛」
◇◆◇
「入ってもいいって蒼真くん早速訓練所行こうね」
「これは凄いな」
「そうでしょ!これは家の自慢なんだよ」
この訓練所は魔法のために光魔法で強化した壁や、的などがある。
これを体験したら森での特訓も、飽きちゃうな。
まあ、森の特訓は、好きだからやるし、唯一全属性を特訓できる時間だしな。
でも、凛なら明かしてもいいかな。
信用できそうだし。
この訓練所で他の属性を特訓できたらもっともっと強くなれるな。
「よしっ今日の続きってことで、身体強化(風)、第二魔法風剣」
「フル身体強化(光)、第二魔法雷弓」
いきなり凜は本気で来たか、これは俺も8割は出さないとな。
「ならもう行くよ、凜」
「いつでもいいですよ蒼真くん」
戦闘中ずっと思うのは光の身体強化ずるくね?常時回復はずるだろ。それに雷の弓あれって当たったらヤバいのに速度がバグってるこのままじゃ埒があかんな。
蒼真くん本当に強いんだね。私の本気でもなかなか倒せないなんて
「第三魔法ウィンドストーム」
私は蒼真くんの魔法を受けきれず吹き飛ばされてしまった。すかさず蒼真くんは
「第三魔法ウィンドボム」
そう唱えると風が収束していき、はじけた。
やべ、威力高過ぎだったかな。大丈夫か?でも、これを引き出さないといけないほど凛は強いんだな。まあ、桐花も強いけど。
蒼真くんもうあの年齢でこのレベルで魔法を使えるなんて、蒼真くんやっぱり凄いな。私ももっと頑張らなくちゃ。
「強いね蒼真くんそれにその魔力量は何なの?」
「うーん昔から鍛えてたら増えた?元からめっちゃ多かったんだけどね。そんなことよりやっぱり凜って大分強いね」
その後凛の光魔法で回復した後この訓練所で二時間ほど特訓し、夕食の時間になったところで帰ることになった。
「送っていくよ蒼真くん男の子を夜道で一人で帰すなんて女として酷いからね」
「大丈夫だよ、凛、俺魔法を使えるし。それに凛も令嬢だろ。夜道に俺と凛で出るのは危ないだろ」
「それなら私の護衛も連れて行きましょう。
それならいいですよね?」
引き下がってくれないな、ならしょうがない頼ることにしよう。
「分かった。凛お願いする」
凛は凄い笑顔で
「では、一緒に帰りましょう」
「もう着いたぞ、凛。ここまでありがとうな。そうだ、明日も一緒に訓練所で、訓練してもいいかな?」
「いいんですか?なら明日もやりましょうね」
「ありがとう凛。また明日」
「蒼真くんまた明日会いましょうね」
「ただいま母さん」
「おかえり。蒼真」
母さんは料理を並べていた。今日は俺の大好きな母さんのハンバーグじゃないですか。
「今日母さんのハンバーグじゃん。ほんと毎日食べたいぐらいだよ」
「ふふっ。それは嬉しいけど、栄養的には良くないわよ」
「はーい、風呂行ってくる」
すぐに食べるために急いで風呂に入ってすぐに出て急いで髪を乾かした。
「「いただきます」」
「やっぱり母さんの作るご飯は美味いな」
「もう蒼真ったらそんな嬉しすぎること言い過ぎないの」
「えーいいじゃん。本当のことだし」
「私の気持ちも考えて」
「なら、もう言わない」
「やっぱり駄目。たくさん言って蒼真」
一体どっちなんだ母さん?まあ、いいか
「そういえば今日桐花ちゃんと帰らなかったのね」
「今日も森で桐花ちゃんと特訓するんじゃなかったの?」
「なんで知ってるんだ、まあいいけど今日はクラスメイトの人と特訓してたんだ」
「その人ねとっても優しくて可愛いんだ、それにね明日も一緒に特訓することになってる」
「これはまずいわね、桐花ちゃん一夫多妻制だから大丈夫だけど第一夫人の座は取られるかもよ」
母さんはぼそっとなにか言っていたが小さくて聞こえなかった
食事を終えると俺は明日の授業の予習と今日の復習を終えて寝ることにした。
◇◆◇
「んっなんか動けないと言うかお腹当たりが重い」
「重いなんてひどいよ蒼真」
「は?桐花なんでこの部屋に?」
「へへ、侵入しちゃった。
蒼真のお母さんには許可貰ったから」
おい、なに不法侵入してんだよ。と言おうと思ったが母さん公認はずるいだろ。
「分かったよ、で、用はなんだ?」
「蒼真が誰かに取られる前に私のものにするため」
「えっ?とられる?何のことだ?」
「だって今日高橋さんと一緒に帰ってたし許せない」
「それに蒼真私にずっとずっと隠してることあるよね。そんなに私のこと信用できないの」
黒髪美少女の桐花は泣いていた。女の子にここまでさせるなんて俺は何やってんだ。
「桐花明日凜に頼んでみるよ一緒に特訓できるようにね。隠してることあぁそうか俺は実は全属性使えるんだ」
「嘘、全属性なんて今まで存在したことないし、男で魔法を使えたのは歴代で蒼真だけなのにやっぱり蒼真って凄いな」
「だからさ、蒼真私のこともういらないんだよね、高橋さんのことも、もう凜って名前で呼んでるし私と関わってるのだって幼馴染みだからでしょ」
「嫌だよわたしのことを捨てないで蒼真、蒼真がいないと私は生きて行けないよ」
「大丈夫だ。桐花。絶対にいなくならないし、桐花を幼馴染みだから関わってるんじゃない。俺はそんな理由で桐花と話してるわけじゃない」
「ほんとにそうなの蒼真」
「信じてくれ桐花」
「でも、やっぱり不安だよだって私は蒼真のこと好きだし結婚したい、出来れば他の人とも話して欲しくないでも、一夫多妻制(ほぼ使われない)だからしょうがないのは分かるけど蒼真が他の女の子と話すのを見ると辛いの」
「桐花は俺のこと好きなのか?」
「う、うん昔からずっと大好き。」
桐花をそんな目で見たことはなかったわけではない。薄々は桐花の好意に気付いていた。
それでも俺はこの子の愛を受け止めれるのか?非モテのこの俺が。
「でもさ、桐花本当に俺でいいのか?」
「当たり前だよ蒼真私は死んでも蒼真一筋だしね」
「分かったよ、でも結婚とかはまだ駄目だ。年齢のこともあるしね。」
「それは分かってる。だからそのときになるまで待ってるね」
こんな美少女に愛を囁かれたのに逃げるなんて男じゃないもんな。
まあ、普通この世界だったら好きとかいわれたら男はにげるけどね。
「蒼真今日は一緒に寝たいな」
「まあ、今日ぐらいいいか」
「こうやって蒼真と寝るの久しぶりだね」
やっぱり辞めとけば良かったこんな美少女と隣で寝るなんて心臓が裂けてしまう。
蒼真大好きだよ。ずっとずっと一緒だよ。
ヤンデレ桐花完成。果たして凜はどうなるのでしょう。
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