第4話 この世界での魔力の重要性。

 ベッドに座る私の隣に座り、私の言っている意味が分かったらしく頬を赤くさせて、嬉しそうな表情をして私の顔を見つめて嬉しそうに返事をした。

 

「うん。一緒に居てね」

「はい♪もちろんですっ!」


 今は、そう言ってくれるけど……もう少し大きくなれば、こんなに可愛くて頭が良くて優しいんだから、どんどんと可愛くなってモテだして離れて行っちゃうよねぇ……はぁ。今のうちに甘えておこうっと。


「リコちゃーん♪」


 ばふっ♡ と抱き着き甘えてると、リコちゃんも甘えてきて……ただのイチャイチャになってしまい、しばらく抱き着いたり頬を触り合ったりしていると、我に返ったリコちゃんが慌てた様子になった。


「あ、違うんです!遊びに来たんじゃないんです!魔法の練習をしなきゃですよ……」

「むぅ……いじわる……」

「お姉ちゃんの為ですっ」

「はーい」


 ……………………


 数時間後……


 魔法の勉強をしたが……全然、魔法が発動する気配がない。


「魔法の詠唱は全てあってるのに……どうしてでしょうか……」

「私に才能が無いんじゃないかな?」

「そんなハズが、あるわけ無いじゃないですか!何でも、こなしていたのですよ!きっと、体調不良なのですよ!」


 リコちゃんがムキになってくれて励ましてくれて、心配そうな表情で私を見つめてくる。そんなに魔法が使えなかったら不味いのかな……?魔法の無い世界で暮らしていた記憶が大半だから……魔法が無くても大丈夫な気がするけど?それに数日間、この世界で暮らしていたけど……不便を感じた事が無いのだけれど?


「魔法が使えなかったら不味いのかな?」

「……不味いですよ!魔法で自己防衛、悪者、魔物の討伐も魔法ですし……作物や家畜を育てるのも魔法ですよ?」

「え!?畑や家畜まで?」

「はい。畑に水やりや害虫駆除とか……家畜にもお水は必要ですし。それよりも、わたし達は貴族で領主なので、街の維持に明かりや水も必要です。魔物や魔獣が街に入り込まないようにしている結界の維持をする為の魔力の補給も、そのうちに……わたし達の約目になりますよ。ですので困るのです!」


 ……それ完全に、私には無理じゃないの?って、事は……私は不必要で追い出されちゃうのかな……?領主には興味はないけれど……リコちゃんとは一緒に居たいなぁ……働けない寄生虫になっちゃ悪いしなぁ……魔法かぁ……なんとかしたいのだけれど……


「このまま魔法が使えなかったら、迷惑になるし……出ていった方が良いよね……まあ私は、田舎でのんびり暮らすよ」

「……むぅ……お姉ちゃんのバカぁ……!わたしも付いていくもんっ!」

「リコちゃんは、ダメでしょ……領主になるんだから!」

「いやぁっ!領主よりも、お姉ちゃんの方が大切!」


 そう言って貰えるのは嬉しいけど、今は分からないと思うけど、そう簡単に領主はやめられないよ……。隣に座り目を潤ませているリコちゃんの頭を優しく撫でて、抱きしめた。


 そして魔法が使えないまま学校が始まってしまった。


 制服という規則はあるらしいけど、色々な種類の制服があり自由らしい。もともとは貴族階級で別れていたらしいけど、自由に選んで着れるようになったらしい。

 

 寮からリコちゃんと手を繋いで歩いていると、なにやら学校とは思えない建物が見えてきた。これまた豪華なお城のような建物が見えてきよ、あれが学校なの?領主城とか超お金持ちのお偉いさんのお城じゃないの?……さすが貴族の通う学校だけあるね……


「休み時間になったら……会いに行っても良い?」

「え?良いけど?」

「やったぁっ!いつも嫌そうな顔でダメって言われるから……嬉しい!」


 そんな扱いをしてたのか……会いに来るくらい赦してあげれば良いのに……元の人格の子は、クラスメイトの前で妹に会うのが恥ずかしかったのかな?友達の前だと家族って、何となく恥ずかしいって思う時期があるよね……私の精神年齢は……20代だし……、可愛いリコちゃんを自慢したい。


 嬉しいのかリコちゃんが、私を抱きしめてきた。可愛い反応だなぁ♡


 入口で別れると思ったら……クラスまで案内をしてくれた……忘れてたよ。入口で別れてたら……完全に迷子だったよ!危ない。危ない……


「ありがとね。リコちゃん♪迷子になるところだったよ」


 小声でお礼を言った。


「ううん。だと思った!帰りも一緒に帰ろ……?」

「うん。勿論、一緒に帰ろうね♪」

「やったー♪」


 パタパタ……と走って振り向くと、大きく手を振って行ってしまった。さて……これからどうするかな……交友関係が全くわからないぞぉ……


 私は成績優秀らしいし、どう接して良いのやら……。取り敢えず席を聞いて、席で大人しくして声を掛けてきた子と仲良くして……それとなく情報を得るかな。


 大人しそうな子が、私をチラチラと見ていたので自分から声を掛けてみた。


「ちょっと良いかな?私の席ってどこか分かるかな?」


 私に声を掛けられ、驚いた表情をして返事をせずに指を差した。


「ありがとね」

「い、いえ……」


 ……ん?……えぇ……恐れられてる?え?そんなキャラなの?それは嫌だな……私の嫌いなキャラじゃん……。もっとフレンドリーに過ごしたいよ。


「あの……ミサ様……?」


 ……………………



「ミサ様!?」


 え?私の事!?様?…………え?私ってミサって名前なの?家では……両親からもお姉ちゃんって呼ばれてて、自分の名前を気にしてなかったし……リコちゃんもお姉ちゃんって呼んでたしなぁ。


「ごめんね。ボーっとしちゃってた」

「え!?あ。考え事をしていたんですね……こちらこそ……邪魔をしてしまい、すみません」

「え?良いよ。なになに?」

「授業の準備をしに来ました……良いですか?」

「え?悪いよー。でも……助かるよ。ありがとね」

「いえ……で、では……失礼します」


 私からお礼を言われて、一瞬驚いた表情をしてチラチラと私を気にしていた。

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