第2話 この世界の事をリコちゃんに、色々と聞いてみた。

 どうやら私は、これが夢じゃないならば……異世界に、やってきたらしい。分かった事は……私は上級貴族で、美少女の妹がいるという事だけかな。


「リコちゃん、リコちゃん……おうちのを案内してくれるかな?」

「え?あ!そっかぁ……分からないと不便だもんね!」


 名残惜しそうに私の太ももに頬を着けて名残惜しそうに体を起こした。


「……お姉ちゃん……その格好でお部屋を出ちゃダメっ!……絶対にダメっ!見て良いのは、わたしだけなのっ!」

「あ、はい」

「うん!あの、えっと……このドレスがお似合いです♪」


 私の部屋のクローゼットから、リコちゃんとお揃いのドレスで色違いのピンク色のドレスを選んでくれた。


「このドレスに着替えましょ〜♪」


 え?こういうのって……メイドさんが着替えさせてくれるんじゃ?え?リコちゃんが着替えさせてくれるの?リコちゃん……優秀過ぎるよ!

 着ていたネグリジェを脱がされて、リコちゃんが頬を赤くさせて体をベタベタと触ってくる……。えっと……それは嬉しいんだけど……良いのかなぁ……?美少女に求められるのって、気分が良いなぁ。


「リコちゃん……前のお姉ちゃんの時も、着替えを手伝ってたの?」

「え?……まさかぁ……!部屋にも入れてもらえなかったよ……。ベタベタするから気持ち悪いって……」


 あ……そっか……普通はそうか……姉妹だしね。それに同性だしね……私は、女の子が好きだから嬉しいけどね♪

 下着姿にされて恥ずかしかったけど……なんだかリコちゃんが喜んでるようだったので、つい……私も、美少女のリコちゃんにベタベタしたくなる。前世?では、こんな可愛い金髪のサラサラの髪の毛の美少女と、出会える機会は無かったし……仕方がないと思う。テレビかインターネットで眺められるくらいだよね。


「リコちゃん、こっちにおいでー♡」


 えっ!?と驚いた表情をして、躊躇いつつも嬉しそうに抱き着いてきた。なにこの世界……向こうの世界じゃ、女の子が好きだって事を隠して、スマホで可愛い少女の画像を、ただ眺めていただけだったのに……私に抱き着かれて喜んでくれる美少女が居るなんて幸せ過ぎる!


「リコちゃん、嬉しそう……」

「嬉しいに決まっています……大好きなお姉ちゃんだもんっ♡……幸せですよ〜♪」


 私の胸にムニュムニュ♡と顔を押し付けて嬉しそうにしていると、我に返って着替えの続きをしてくれた。


「あ、ごめんなさい……ボーっとしちゃったっ。……はぅ……」

「え?もっと甘えてくれて良いのに……」

「見つかっちゃいますよー」

「そっか……ダメなんだよね……じゃあ……一緒に寝よっか?」

「へ?えっ!?……良いのかな?」

「え?それもダメ?」


 姉妹で寝るくらい良いと思うけど……?抱きつくのもダメって言うからダメなのかなぁ……?


「だ、ダメですよーもぉ……」


 頬を赤くして答えて……嬉しそうにしていた。話している間に着替えが終わり、手を引かれて屋敷の中を案内をされた。


 これって家なの?広すぎじゃない……?てっきり元いた世界の住宅地にある豪邸をイメージをしていたけれど……これは、お城の規模と感じの屋敷だね。こんな所の子供になったんだ……すごい幸運だね!


 これは屋敷を案内をされても覚えられなさそう……私って方向音痴なんだよねぇ……。必要最低限だけ教えてもらえば良いや!


「広すぎるから、私が使う部屋を教えてくれるかな……?」

「そうですねー。えっと……リビングとお姉ちゃんの自分のお部屋を覚えていれば問題ないですよ。あ、あと……わたしのお部屋ですかね♡」


 ニコッと笑顔で答えてくれた。


「それと、姉妹って2人?」

「はい。二人だけですよー」


 へぇ……男の子いないのかー。男子には、興味ないから別に良いんだけど……


 手は繋いでも良いんだ?小さくて柔らかくて可愛い手だなぁ……


「それとさ……普段は、何をしてればいいの?」

「学校ですよ?今日は、お休みですれど……普段は学校ですよ」

「が、学校?えっと……勉強かぁ……それは不味いね……記憶がないし……」

「あぁ……それは不味いかもです……。お姉ちゃんは学年トップでしたから……」


 勉強ってやっぱり……この歳なら中学生くらいの勉強だよね?それとこの世界の歴史とか?難しそうかなぁ〜。出来るかな?もう忘れちゃったよ……


「どんな事を勉強してるんだろ?」

「主に魔法の勉強ですね」


 はぁっ!?数学とか国語……じゃなくて……魔法?そんなの知らないってば!いやいや……そういう問題じゃなくて……魔法を使えないってば!


「それは不味いよ……魔法使えないってば……」

「え!?」


 え!?じゃないって……驚くのは、こっちだよ!


「えっと……これは?」


 リコちゃんが指を上に向けて……何か詠唱を唱えると指先に小さな光が現れ徐々に炎になった。

 わぁー……すごい!キレイだなぁ……って、えっ!?本当に魔法があるんだ?リコちゃんすごい!


「詠唱を唱えれば魔法が使えるの?」

「そうですね……まずは、そこから覚えますか……」

 

 案内を途中で切り上げて、私の部屋に二人で戻るとリコちゃんが扉に鍵を閉めた。他の人にバレたらヤバそうだもんね……優等生がダメダメだってバレちゃう。


 さっそく呪文を教えてもらい、詠唱は完璧に覚えられたけど肝心な魔法が発動しない……あれ?アニメとかで見たことがあるんだけど、そもそも魔力ってやつが私には無いんじゃないの?


「リコちゃん……魔法が使えないよー?」

「おかしいですね……魔力は、あるのは確実なのですが……どうしてでしょうか……うぅーん……」


 うわぁ……本気で心配してくれて考えてくれてるよ……可愛い……。ソファーで対面で魔法の練習をしていて仕草と心配をしてくれてると言うことが、嬉しいのと可愛いのでつい……


「……リコちゃんおいでー」


 両手を広げて来てーとアピールをした。

 

「お姉ちゃん……もっと危機感を持って下さい……。そんな事では……はぅ……♡ ダメですよ……もぉ……お姉ちゃん」


 可愛く頬を膨らませて怒った表情をして、恥ずかしそうに膝の上に座ってきた。うん。よし!


 リコちゃんのお腹に手を回して、後ろから抱きしめて髪の毛のいい匂いを嗅いで、柔らかい体の感触を味わい癒やされた。そして……考えるのはリコちゃんに任せた!魔法のことは、私が考えても分からないし……


「リコちゃん♪」

「お姉ちゃん……くすぐったいよー。甘えるのは逆だよ……わたしが甘えたいのにー」

「別に私が甘えても良いでしょ?」

「……うん。嬉しい……」


 リコちゃんが、ブツブツと呟きながら考えてくれていて、しばらく経つけど分からず……


「色々と考えたんですけど……詠唱もあってますし、魔力は記憶を無くす前にあったのは確実なので……原因が分かりません……ごめんなさい」

「ううん。仕方ないよ……」


 無理なものは、無理だと理解してるし……。分からない事を考えて悩んでも仕方ないよね。

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