22.呱呱

プロトタイプなしで産まれてきた僕らは 故に不完全極まりない

言葉足らずなのは生まれ付き 誤解に苛まれるのだって生まれ持って

そんな才覚とは無縁のものを何故か大事にして いつまでも完全を望まない


人であることを惜しまない僕ら人間 不平等を唱え神を配下に置く

触角もなければ年輪を刻むこともしない 産声を上げ口無しで閉じるだけの生

間違っても意味などない そう説くのはいつも決まって馬か鹿


僕らは傍から見れば何者でもない 片足立ちで二の足を踏むことも出来ずにいる

愚かさを盾に突き進まんとするその気概だけがいつも埃に塗れる

滾る野心 勝ち過ぎる羨望 声高に産声を上げたところで誰かになれる訳ではない

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