14.「」の外で
なぜ俺は俺が死ぬことを知っているのだろう
「いつかは死ぬ」ことをなぜ「知って」いるのだろう
それは情報として?もしくは記憶の中に?あるいは本能として?
俺が「本当に」死ぬのであれば
俺は「本当に死ぬのか?」などと疑問を抱いたりはしないのではないだろうか
などと憶測に頼るのは俺が所謂「人間」だからなのかもしれないが
「所謂人間」のこの俺に植え付けられた情報も記憶も本能すらも
死を正当に判断できているとは言えないと「俺」は思う
「人はいつか死ぬ」
そんな分かり切ったことをどうして知っておかねばならないのか
「なぜ」「どうして」と考えることに本当に意味はないのだろうか
どんなに考えても分からない「答え」を導き出せる人間などきっとそうはいない
それでも「分かって」おかねばならないことがある
「俺はいつか死ぬ」
そのことに「なぜ」も「どうして」もない
だからなのかもしれない
分かり切ったその答えにまだ異を唱えようという俺はもうここには「いない」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます