第15話 20XX年8月20日
私とお母さんが日本に帰国するのに合わせて、我が家のガキ大将も新潟から戻ってきた。
カブトムシの幼虫をお土産に持って帰ってきてくれたけど、ソレを私にくれても困る。どないせーちゅうねん。
ちゃんと龍馬が面倒みなさい。
カブトムシの幼虫は、グロテスクだけどキモ可愛いのかな?
じっくりと観察しないかぎりは、という但し書きは付くけど。
お父さんは長期休暇も終わり、今日からまたお仕事です。
私の遠征費を稼ぐじゃなくて、一家の大黒柱として、頑張ってね!
明後日からカルフォルニアに出張とか言ってたけど、商社マンは大変だ。
そして、私は明日から全日本ジュニアということで、今日は近所にある私の通っているテニスクラブで軽く汗を流しました。
日程的に三週連続での大会になるから、疲労も考慮して強い負荷を掛ける練習は必要ないということです。
しかも、タイから帰国した翌日だもんね。
そういえば、ノンタブリーJ30大会でQFにまで進出したことを、コーチが褒めてくれました。
タイでITFジュニアデビューしたことは、ドローを見たのかコーチも知っていたけど「今度海外遠征するときは俺も連れてけ」とか、少し拗ねていました。
そういえば、コーチに言ってなかったかも知れない。
家族旅行のついでに、現地で開催されるテニス大会に参加するだけだったから、コーチに伝え忘れていたとしても仕方ないよね?
それと、私は特待生じゃないから、遠征する場合のコーチの帯同費は誰が出すのよ?
とか思ったんだけど、スクールの方で勝手に特待生に昇格させちゃってましたw
だけど、私やお母さんの同意なしに特待生の枠に入れるのも、それってどうなのよ? とか思いますけど。
まあ、月謝が無料になるのだから、感謝されこそすれ文句は言われないだろうとか思ったんだろうね。
でも、お母さんは「しがらみが増えて、特待生は面倒くさいわよ」とか、ありがた迷惑っぽく言ってました。
我が家は、テニススクールの月謝が払えなくてピーピー鳴くような、そこまで貧乏な家庭ではないからね。
まあ、そこまでお金持ちでもないから、中の上くらいなのかな?
毎年、家族で海外旅行に行けるぐらいには、そこそこ裕福な家庭だとは思うけどさ。
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