第5話 20XX年8月7日


 ノンタブリーJ30大会の本戦は48ドローで行われる。

 つまり、16シードまでの選手は、R64の一回戦はByeされるということだ。


 初戦からシード選手と当たらない組み合わせで助かったのかな?

 もっとも、サーキット最底辺であるJ30程度の大会のシード選手の実力は、そんなに強くなさそうな気もするんだけどね。


 それで、私の初戦はといいますと、シンガポールの選手を相手にして、6-2 6-1のストレートで完勝することができました!


 いぇい! やったね!


 でもさ、もしかしなくても、この大会のレベルって低くない?

 絶対に日本の全国大会の方がレベル高いよね?


 だけど、結果だけを見れば、私も初戦を突破できたんだし、48ドローの大会で良かったのかも知れない。


 夏休みだからなのか、私以外にも日本人の選手が5人本戦に出場していたんだけど、一人を除いて私が名前を知らない選手ばかりだったよ。

 私が名前を知らないということは、全国大会でも上位の実績を残せてない選手ということになります。


 そんな無名に近い日本人選手でも4人は初戦を突破しているのだから、やはりというかこの大会のレベルは低そうだね。

 あ、二人はシードされていて、初戦はByeだったか。


 ちなみに、マレーちゃんも無事に初戦を突破して二回戦に進出できたんだけど、ドローが私とは反対の山に入ったから、決勝まで当たることはありません。

 だから、今大会でマレーちゃんと対戦するのは、ちょっと厳しそうな感じでしょうか?


 私かマレーちゃん、どっちかが途中でコケる可能性が高いですしね。

 両方ともコケる可能性が一番高いのかも知れないけど。


 あと、我が家の男連中も観光するのをパスして、私の応援に来てくれたんだけど、「お姉ちゃん頑張れー!」とか、恥ずかしかったよ。

 まあ、恥ずかしくもあったけど、嬉しかったけどね。


 明日の試合はシード選手が相手だけど、勝てるように頑張るぞ!

 お姉ちゃんとしては、弟に良いところを見せてあげたいしね。



 それとどうでもいいけど、ウンチが真っ黒になっていてビックリした!

 思わずお母さんを呼んで、ウンチを見せちゃったよ。


 イカ墨パッタイが原因だとは思うけど、別にお腹を壊したりはしていないので、一度だけなら心配しないでも大丈夫みたい。

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