第3話 20XX年8月5日


 昨日は日記を書くのを忘れた。

 取り立てて書くことも無いような日は、これからも書かない日はあると思う。


 ワットなんとかというお寺を見学したけど、どうやら私には、お寺の良さを理解できる感性は持ち合わせてなかったみたいだ。

 やたらとタイのお寺がキンキラキンなのも、私の美意識とはかけ離れているから、その良さが理解できなかったのだと、そう思っておくことにした。


 というか、ワットがお寺という意味なんだっけ?


 あと、タイのスコールは凄かった!


 ああいうのを、バケツをひっくり返したような豪雨って言うんだろうね。

 日本で言うところの、線状降水帯の集中豪雨?


 それで、今日の予選一回戦Q1はByeだったので、私の試合は明日からだったよ。

 気合を入れていた分、なんだか肩透かしを食らった気分だけど、こういった事を最初に経験できたとポジティブに考えよう。


 初戦がByeだと、不戦勝でQ1を突破したのと同じで、なんとなく得した感じもするしね。


 試合の代わりに、一時間ばかり軽めのポイント練習と、試合本番前の練習手順を練習して、今日は切り上げることにした。

 試合前の練習は、ITFジュニアの大会も日本国内の大会と、ほぼ変わりはなかったので助かったよ。


 練習相手は、Malee Kongyotマレー・コンヨットちゃんという、15才のタイ人の女の子でした。

 一瞬、タイなのにマレー? とか思ったけど、マレーの綴りが違った!


 マレーちゃんのMaleeは、ジャスミンとか言ってましたので、私のまはりはヘーゼルだと教えておきました。

 そういえば、ホテルの冷蔵庫の中にもMaleeとかいう銘柄のフルーツジュースが入ってたな。


 マレーちゃんの実力は、私とほぼ同じぐらいに感じたから、いい練習になって良かったよ。


 ちなみに、我が家の男連中はアユタヤに行ったけど、お母さんは過去にアユタヤを観光したことがあるということで、私の付き添いをしています。

 お母さんは、私が心配だったのかな?


 まあ、私もまだ中学一年生の子供だし、お母さんからしてみれば心配なんだろうなぁ。


 龍馬はアユタヤでゾウに乗れると聞いて興奮していました。

 ゾウさんだったら、私も乗ってみたかったかな?


 今回は無理だとしても、いつかはきっとゾウさんに乗ってやるぞう!

 パオーン。


 それと、タイのお米は日本の米と品種が違うので、私には合わなかったよ。

 なんて言うのかな? 白米の炊いた臭いがキツイんだよね……


 妊娠したらお米を炊く時の臭いがダメになるとか聞いたことがあるけど、それに似ているのかも知れない。


 チャーハンみたいに味を付けて炒めたご飯だったら、まだ食べられるんだけど、白米は完全に無理だったよ。

 あと、私は辛いのもダメだから、全体的にタイ料理は私の口には合わない感じかな。


 残念!


 あ、でも、ラーメンもどきやパッタイとかいう焼きそばは、普通に美味しかったよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る