べあうちふる
ムラサキハルカ
謎
その人糞は光沢を放っていた。
全面が光っている、というわけではない。大蛇のように巻かれた
さて。ここまでさも人糞がひとりでに光を放っているような書き方をしてきたが、種を明かしてしまえばそんな怪現象は起こっていない。である以上、当然光源は存在する。これに関しては何の変哲もない丸く小さな照明が斜めから降り注いでいるというだけだった。おまけに場所は男子便所。ここまでの記述を振り返れば、なぁんだ、なんて具合に不自然なところは見受けられない。強いて言えば、ひり出した人間の健康状態が少々心配になるくらいだろうか。しかしながら、ことはそれだけで済まない。人糞はたしかに便所内にある。ただし、男性用公衆便所、一番奥の個室の扉の上に。こんもりとした大蛇のような糞は、固さゆえか、あるいは神の奇跡か、細い細い花道の上で
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます