第48話 浄化の門
一方 天上界…
従5位天使
「…また 低ランクばかりだな…ここのところ まともな 魂 が全然おらん…」
正6位天使
「そうですね 意思疎通も出来ないクズばかりです…おい!グズグズさせるな!さっさと入れろ!」
従8位天使
「は!はい!……あ!フラフラするな!ちゃんと並べ!」
たくさんの白い大きな箱型に 真っ白な人型が列を作り そこに順番に入っていく
そこの様子を2人の天使が 上空から眺める
???
「………ここは?」
???
「ん?…そうか お前は見るのが初めてだったな ここは人間界で生命活動が停止した者が訪れる場所 通称 浄化の門 だ」
???
「浄化の門?浄化の門とは なんなのですか?ザクリオ様?」
ザクリオ
「人間が 生きている間の経験などを あそこで抜き取り それをエネルギーに変え 新しい天使を生産しているのだ 少し前なら 最低でも数十体程度で 雑天使が生まれたのに 今は数百体でも雑天使分も集まらぬ……その中で 久しぶりに出て来た逸材 お前は 期待されているのだ アステルよ」
アステル
「…わたしも あの中から生まれた…しかし わたしは生前の記憶は ありません…」
ザクリオ
「別に 生前の記憶などいらん お前は従9位で名をつけられるは異例中の異例 本来なら正5位になって 初めて名をもらえるのだ この意味がわかるな?」
アステル
「はい それで わたしは何をしたらいいのでしょうか…」
ザクリオ
「我らの土地を不法に占領している者を 追い出す そして 無秩序で怠慢に過ごしている地を 我らで しっかりと管理するのだ」
そこに 1人の天使が向かってきた
正7位天使
「あ!ここにおられたのですか ザクリオ様 ガイアス様がお呼びです」
ザクリオ
「……もうそんな時間か…よし アステル お前もついてこい」
アステル
「は…はい あ…あの ザクリオ様 なにが始まるのです?」
ザクリオ
「間違いなく 下界の地を取り戻す戦いが 始まるのだ! 奴らは 我らの進行を妨げる塔を建てておる まず当面の目標は 塔を占領することにある まあ 順番からいって 第4の塔の占領であろう 地獄の者どもめ 目にものを見せてやる」
アステル
「…塔?そんなもので 我らの進行が出来なくなるのですか?」
ザクリオ
「そうだ 塔を中心に領域を作っている その塔の機能を停止せず それより先に進行しても 手前まで戻されてしまう よって 我らは 塔を1本1本占領せねばならんのだ 忌々しい…ガイアス様の元へ急ぐぞ」
アステルには いまいちよくわからなかったが 今は ザクリオについていくことに専念する
ザクリオとアステルは ガイアスの待つ城へ到着する
ザクリオ
「アステル お前は飛行が苦手か?…随分と時間がかかってしまった…」
アステル
「申し訳ございません まだ慣れていません」
ザクリオ
「…まだ 日が浅いからな アステルよ 日々努力せよ わかったな」
アステル
「は…はい ところでザクリオ様 わたしは まだ ガイアス様と面識がありません 従9位の最底辺のわたしが 行っても大丈夫なのでしょうか?」
アステルは ザクリオの話し方で ザクリオより高ランクであるガイアスに合う事を躊躇う
ザクリオ
「そうか お前は知らないのだな お前に名を与えると決めたのは ガイアス様なのだぞ?今は 先の戦いで失敗し 階級を下げられ 従2位の天使だが 先見の明は 正1位であるシリウス様に認められたお方 お前に合うのを楽しみにしておられる筈だ」
アステル
「そ…そうだったんですか…ガイアス様が わたしに名を…」
ザクリオ
「そうだ 期待に答えよ アステル」
アステル
「はい わかりました」
ザクリオを先頭に アステルは後ろからついて行く
ガイアスがいる扉の前で ザクリオが扉に手をかけると 1人の天使が横から停止させるように ザクリオに話しかけた
天使
「ザクリオ様 お呼びしたのは ザクリオ様お1人です この者は?」
ザクリオ
「かまわん お前がどうこう言うことではない どけ 邪魔だ」
天使
「くっ…し…しかし」
ザクリオ
「ふん 正3位であるオレの動きを止めれる程の 権利が お前にあるのか?ん?」
ザクリオは 話しかけてきた天使を威圧する
天使
「い…いえ 申し訳ありません…」
ザクリオ
「ふん…行くぞ アステル」
アステル
「は…はい!」
ザクリオはイライラしながら 会場へ向かう
ザクリオ
「…どいつもこいつも 階級…階級 アステルよ あのようになるなよ…いいな」
アステル
「…あの天使のようにならないようにですか?」
ザクリオ
「違う オレの様になるなということだ…」
アステル
「ザクリオ様に?な…なぜ?」
ザクリオ
「……いや いい 気にするな 行くぞ」
ザクリオは 階級が上というだけで 前言撤回した先ほどの天使が 腹立たしかったが ふと我に返ると 自分自身も同じことを常にしてきた事を思い出し ザクリオは嫌気がさしてきた
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