第46話 ユウキ 初陣
サヤカ
「!!!え?…ユ…ユウキ!」
ユウキが周りを見て見ると ハデスの兵士だけでなく 天使の姿をした者も混ざっている
ハデス
「天上界側から ある依頼を受けていましてね…あなた方お二人を捕らえ 天上界に引き渡せば この地は 一切手出ししないと約定をもらっているのですよ」
グミ
「ふん…なるほどね 道中に仕掛けた天使共は お前が仕組んだ事か…道理で 変だと思ったぜ」
ハデス
「ええ しかし こうもあっさりと突破するとは思いませんでしたがね…」
サヤカ
「う…嘘…もしかして エイガさんもエイシャさんも 知っていたの…そ…そんな…」
ハデス
「いえいえ エイガにもエイシャにも 何も伝えていませんよ あの2人が幾ら死力を尽くしても まず勝てる見込みはなかったので」
ユウキ
「だったら!!エイガもエイシャもあそこで消滅しても良かったってことか!!」
ハデス
「???もちろんですよ?何を言っているのです??」
ユウキ
「な…」
ユウキは ハデスの言葉を聞き 唖然とした
グミ
「そういうもんだぜ あいつが言ってることは理解できるさ でも 俺もお前らといて 毒されちまったのかな…ちょっとイラっとしてきたぜ…」
ハデス
「さて おしゃべりはここまでとしましょう まずは ここを切り抜けて下さい そして 見事乗ってきたブラックドラゴンの元まで たどり着いてみてください そうすれば わたしは とりあえず 天秤を獄帝側に傾けましょう」
ユウキはハデスを見る ハデスは 椅子に座ったまま動こうとしない ハデスは傍観をするだけのようだ ユウキは脱出できるルートを部屋全体を見渡すが ここから 脱出するには やはり 入ってきた扉だけ…そこには 明らかに屈強そうな天使が4人いた
サヤカはユウキの隣にピッタリくっつき 若干震えている…ユウキはサヤカの重ね掛けの火の魔法があれば あっさり突破できると思ったが 今のサヤカには まず不可能に近い…後は グミがどれだけできるかだが これも 先の戦いで魔力は枯渇気味…ユウキはそっと 自分の腰に目を落とす
ユウキ
「…この木剣でどこまでやれるか…チェッ…父さんに 少しは剣の扱い方学べば良かった…」
ユウキが 腰の木剣を抜いて構えた瞬間 扉の奥から声が聞こえてきた
門番
「エイガ様!今は入ってはなりませぬ 王の命令ですぞ!!」
エイガ
「ええい!だまれ!客人がいる扉を閉鎖するとは 何事だ!どけ!」
バーンと 勢いよく扉が開き エイガとエイシャが入ってきた
エイシャ
「ユウキ様 サヤカ様 大変失礼しました 何か手違いがあったのでしょう 申し訳ござ…ハデス王?いらっしゃったのですか?…ん?…こ…これは一体?」
エイガ
「な…なに…王!!どういうことですか!し…しかも な…なぜ天使共が ここ王都に…ま…まさか…」
ハデス
「エイガ エイシャ お前たちは この部屋から出よ」
エイガ
「な…なんと…くっ… お…恐れながら それは出来ません このお二人は 我々が連れて来た大事な客人です 無事送り届けなければなりません」
サヤカ
「あ!エイガさん!危ない!!」
扉の前にいた大柄な天使が 斧を振りかざし エイガに振り下ろす
エイガが気付く前に エイシャがエイガを突き飛ばし エイシャが代わりに斧が直撃してしまう
エイガ
「エイシャ!!」
エイシャ
「…情けない たった一撃でここまでHPが削られるとは…でも まだ私は消滅していない!」
エイシャは 剣を抜き構える
ユウキ
「エ…エイシャさん!!グ…グミ!エイシャさんに回復を!!」
グミ
「……すまん 無理だ…もう俺には 回復魔法を使えるほど魔力は残っていない…」
ユウキ
「グ…グミ…くっ…どうしたらいい…そ…そうだ!エイシャさん動けるか!とりあえず こっちに来てくれ!」
エイシャはユウキに呼ばれ覚悟を決める そうだ 私の体力はもう残り僅か それでも一撃は受けることが出来る なら 一撃を受ける盾になること それが自分の最後の仕事だと
エイシャ
「わかりました すぐに行きます!」
エイシャは ユウキの元に向かい ユウキの前に陣取る
ユウキ
「あ!エイシャさん 俺の後ろに隠れてて!どんな攻撃がきても 俺を盾にするんだ!」
エイシャ
「は?そ…そんなこと出来る訳がないでしょう!」
ユウキ
「信じてくれ!あんなやつが何千何万と俺に攻撃しても 俺には関係ないんだ!」
エイシャ
「そ…そんなこと…」
グミ
「エイシャだったな 信じろ あいつは俺の主人だぜ そして お前は 俺が助けたんだ 俺の言うことを聞け 黙ってユウキの後ろで待機してろ」
ユウキ
「ん?ま…まてよ…そしたら誰が あのデカブツカルテット天使を倒すんだ?」
サヤカ
「ユウキ!私がエイシャさんの盾になるわ!と…言っても 結局 ユウキが受けるんだけどね…」
ユウキ
「だ…大丈夫か?サヤカ?無理してないか?」
サヤカ
「大丈夫じゃないし 無理もしてるわ!だから ユウキ!早く決着つけてきて!!」
ユウキ
「ハハッ…わかったよ!サヤカ!頼んだ!よし やってやるさ!グミ サヤカの所にいて 何かあれば助けてやってくれ!」
グミ
「ああ わかった 任せておけ いくら魔力がなくても こんなやつら 大したことないさ」
ユウキ
「……さて こういう場合は 一体ずつ 倒していくのがセオリーだよな…よし!右から順番に行こう!!」
こうして ユウキの初陣が始まる……
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