第24話 閻恐王 ガムラの試練

ユウキ

「…あ…あの…レミュさん? 一体どうしたっていうんですか?」

レミュ

「ん?ああ…いや なんでもないさ えっとサヤカって言ったね 安心しな まず こいつなら 何事もなく耐えれる あたいの勘は 外れないからさ」

サヤカ

「か…勘って…そんなの…」

ユウキ

「サヤカ 俺もそんな気がするんだ…なんでって言われても 分からないけど…どっちにしろ ここまで来たら やってみるさ…っていっても 俺は突っ立ってるだけなんだけどな」

アモン

「ユウキ こればっかりはやめておけ ガムラの即死魔法 桁というか次元が違う…」

ガムラ

「シシシッ…アモンの言うとおり わしの即死魔法はひと味違うぞ…」


そう言うとガムラは 空中におぞましい紫色の玉を出した 紫色の玉には 大きな口だけがあり 耳障りな不協和音の声を発している


ガムラ

「シシシッ…こやつは ソウルイーターといってな…完全に即死魔法を防ぐ手段を持っておらぬと たちまち魂を喰らい尽くすのじゃ…そして わしは こやつを13体呼び出す事が出来る…やめるなら 今のうちじゃぞ…シシシッ…」


ソウルイーターは ガムラの周りに どんどん増えていき 13体のソウルイーターは それぞれ不協和音を発し 闘技場全体に 響き渡る…


カイ

「うわ…なんて声…聞いてるだけで 震えてくるよ…」

レミュ

「こ…これは 流石に13体も近くにいるのは き…きついね…くっ…あたいの耐性防御が…機能してないね」


レミュは 耳を塞ぎながら こらえていたが ふと 隣にいるユウキとサヤカを見ていると 未だ ユウキとサヤカは 2人で言い争っていた


レミュ

「あ…あんたたち…この声を聞いて な…何ともないのかい?」

サヤカ

「え?確かに不快な声だけど 今はそれどころじゃないわ!ユウキ!もし 即死魔法が効いたら どうするの!?消滅しちゃうのよ!分かってるの?」

ユウキ

「だから レミュさんも言ってただろう?大丈夫だって…」

サヤカ

「レミュさんは 勘 って言ってたじゃない!」

レミュ

「サ…サヤカって言ったね…う…このソウルイーターってのは 即死だけじゃ無いんだ…は…発動すると…恐慌を周りに発生させ ほとんど動きを制限させられる…あ…あんたの 周りを見てみな…」


サヤカは 恐慌と言われても 意味が分からなかったが ヒデオとヒトミを見てみると 2人ともこわばって 全く動けなくなっている事に気づく それだけじゃなく 周りにいた兵士達も動けなくなっており 中には 卒倒した連中もいる


サヤカ

「お義父様!お義母様!だ…大丈夫ですか!?」

慌てて 2人に駆け寄る

ヒトミ

「サ…サヤカちゃ…ん…あなた…な…なんで…う…動けるの…」

ヒトミは 声を振り絞り サヤカに問う

サヤカ

「え?わ…分かりませんが…」

アモン

「…どうやら まともに動けるのは 数人しかいないみたいだな…ユウキ! お前 無理してないよな?」

ユウキ

「ああ 別に動けないってわけじゃないぞ」

ユウキは その場で 何度かジャンプしてみせた

アモン

「ハハッ…お前 どうやったら 消滅するんだろうな レミュ こいつ ちゃんと恐慌にかかってるんだろ?オレみたいに 恐慌無効にしてるってわけじゃないよな?」

レミュ

「ああ…間違いな…いよ 恐慌にかかってる…なのに… 本当に 訳が分か…らない…今までの常識が 全てひっくり返され…た気分だよ…」

レミュは 呆れた顔で アモンに話す

アモン

「カイ! この声だけでいいから 防御壁で防いでくれ!」

カイ

「ええーっ ぼく さっきの魔法で 魔力結構カツカツなんだけど…あー…分かりました…分かりましたよ でも 正直 全部は防ぎきれませんよ…」


カイの魔法は 闘技場全体に影響があったようで 卒倒していた者は 意識を取り戻していた しかし それでも カイが言ったように 恐慌が完全になくなったわけではなく 身動きがまともになったのは 少なかった


ガムラ

「…シシシッ…そろそろ良いかな?ユウキ君…」

ユウキ

「ああ!さっさと始めてくれ!なんだか 周りがヤバそうだ…」

ガムラ

「シシシッ…この状況で 周りの心配とはな…よかろう…ソウルイーターよ…この者の魂…喰らい尽くせ…」

そこまで言うと ソウルイーターは 待ってましたと言わんばかりに 一気にユウキに向かって突進する

当たった瞬間 ユウキの身体は紫の煙に包まれ ユウキの姿は すぐに見えなくなった


サヤカ

「ユ…ユウキ!!」

レミュ

「安心しな サヤカ たぶん大丈夫だろ ソウルイーターが発動すると 頭上に 白い十字架が現れる 効果がなければ 十字架は出ない すぐに あの煙がなくなって ケロッとして現れるさ」


レミュはサヤカに言葉を掛け終わった瞬間 ドーンと ユウキのいた頭上に 白い十字架が現れた


サヤカ

「あ…あの…レミュさん…あれって…じゅ…十字架ですよね…ということは は…発動したってことですよね…」

レミュ

「…………」

レミュが 返答に困っていると また ドーンと大きな音が鳴り 十字架が現れた


レミュ

「は?ど…どういうこと…ソウルイーターの発動サインが なんで2度も!?ガムラ!一体どいうことだい!?」

レミュがガムラのもとへ行く途中 またドーンと十字架が ユウキの頭上に現れる


ガムラ

「…うーむ…間違いなく ソウルイーターは発動しておる…なのに…何故じゃ…」

レミュ

「ガムラ あんたの真剣な顔 初めて見たね…ハハッ…あんたもわからないんじゃ こりゃお手上げだ まあ 今の段階でわかることは 13匹のソウルイーターが一度ずつ発動してるんだろうね ってことは 13回十字架が出るんだろうさ…気長に待つしかないね…」

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