第20話 ユウキとサヤカの能力

アモン

「…何も 変化がない?なあ…ユウキ 身体に何か変化はないか?力が溢れてくるような…感じとか…」

ユウキ

「……いや…これといって…特別…」


レミュは 大急ぎで 真理の大眼を始動させたモニターに駆け寄り 座って操作していた担当者を 押しのける

レミュ

「どきな!……どれどれ…ハハッ!どうなってんだい これ 見てみな アモン」

レミュに 手招きされ アモンはモニター画面を見た後 後ずさりをし 項垂れた

アモン

「…う…嘘だろ…オレが間違ったのか…攻撃力も魔力も防御力も…魔法防御力さえも…」

カイ

「わぁ!そ…そんなに 凄いんだ!そうは見えないけど ビックリだね!」

アモン

「……違う…逆だ……ステータス表示は………全て…1……だ…」

カイ

「!!!い…いち!?いちって 1って事!?」

アモン

「ああ!何もかも1だ…そんなはずは…ま…まてよ…レミュ!も…もしかしたら 何かとんでもないスキルが あるんじゃないか!?」

レミュ

「……うーん…スキルは……ん?なんだこれ?潰れた文字表記があるけど 何かのスキルみたいだけど わからないね…それと…状態異常耐性は…え?…軒並み3倍?…あーぁ…こりゃ…どうしたもんか…おや?」


アモンは その言葉を聞き 落胆し また 項垂れる結果となるが…


レミュ

「アモン 落胆するのは まだ早いよ …みな!」

アモンは レミュの指差す所を 半分ヤケになりながら見つめる…

アモン

「……ん?…こ…これは…最大HPだけ9999?一体…これは?」

レミュ

「たしか…ユウキって言ったね!あんたの今の体力はいくつだい?」

ユウキ

「へ?そんなの ど…どうしたらいいんでしょうか?」

レミュ

「今のHPを表示するように 頭で考えりゃ右上にでるだろ?」

ユウキ

「そ…そうなのか?…や…やってみる…え…えっと…うーん…あ!出た!えっと…9999って出ましたよ!」

レミュ

「だから 最大じゃなくて 今のHPって言ったろ?」

ユウキ

「い…いえ えっと 最大も 今のHPも両方9999です…」

レミュ

「…ふーん そうだったのかい わかったよ…妙だね…いや いいんだ」

カイ

「うーん…たしかにHPはまぁ…でも 他は1なんでしょ?これじゃ…」

レミュ

「確かにね ただ素早さも 表示は1なんだよ?素早さが 本当に1なら これほど動けるはずがないんだ あのクソ遅いロータスさえ 5 なんだから よってあたいの予想は こいつの数字は当てにならないってこと」

アモン

「……とにかく…サヤカも…大眼の台座に 来てくれるか?」

サヤカ

「う…うん…わかったわ…」

結局 サヤカも同様 本来ありえない程 時間がかかり ステータス表示も ユウキ同様1だった


ただ ユウキと違う所は サヤカはHP表示も1だった…


レミュ

「あらら…この子はHPも1?そんな訳あるはずがないね…ん?ハハハッ…面白いねぇ…MPだけ 9999だって!アモン こんな面白いの よく見つけてこれたね」

レミュは モニター画面を見ながら 大爆笑していた

ユウキ

「ア…アモン…」

アモン

「…気にするな…お前たちが 悪いわけじゃない…ただ…残念だが…戦闘には向かないな…」

レミュ

「アモン ちょっといいかい?」

レミュは アモンの耳元で呟く

アモン

「!!!そんな 馬鹿な!もし それが違ったら こいつは消滅しちまうじゃねえか!」

レミュ

「ああ そうさ ただ あたいの勘は だいたい当たるのさ だからこの試練 見事に乗り越えると思うね」

レミュは アモンにそう言うと ユウキに向き直り

レミュ

「さて ユウキ 今からあんたは あたいが考えた試練を受けてもらいたい あたいの予想じゃ難なく乗り越えられると思ってる ただ そんなのまっぴらごめんってなら 別に咎めはしない さあ どうする?」

サヤカ

「だ…だめよ…ユウキ」

ユウキ

「…大丈夫だ サヤカ…その試練 もし乗り越えられたら アモンの力になれるのか?」

アモン

「ユ…ユウキ…」

レミュ

「ハハハッ!もちろん!第一線で大活躍間違いないさ!」

ユウキ

「……ああ わかった その試練受ける ただ1つ約束してくれないか?その試練 もし 失敗したら 消滅してしまうんだろ? だから 俺が 消滅してしまったら サヤカは自由にして欲しい サヤカには なんの責任も無しにしてくれ」

サヤカ

「ユ…ユウキ…何言ってるの!やめて!」

レミュ

「ああ まかせな 老師レミュの名において 必ず保護することを 約束するよ」

閻恐王 ガムラ

「…シシシッ…老師レミュの名だけでは 心許ないのう…」

レミュ

「なんだって!ガムラ!もういっぺん言ってみな!!」

ガムラ

「シシシッ…そう急くな…その者の保護 わしの名も乗せよう さすれば 各王も 黙るしかあるまい…」

レミュ

「ふん…ごちゃごちゃ文句言う奴がいたなら あたいが 喋れなくしてやるだけさ!」

カイ

「……それが 問題なんだよね…」

レミュ

「カイ!なんか言ったかい!!」

カイ

「いえいえ 僕は何も言ってないよ…で アモン様 そろそろ各王に紹介しにいきますか?こんなに時間がかかるとは思ってなかったんで 随分待たせちゃってます

それに レミュ老師 ガムラ閻恐王が 責任取ってくれるって言ってますし ふぅ…よかった よかった これで僕の責任は無しになりますよねぇ…魔力献上になっちゃったら どうしようかと ヒヤヒヤしてたんだよね」

レミュ

「何言ってんだい カイ それとこれとは 別問題だよ ユウキがもし消滅しちまったら しっかり 魔力献上の準備しときな」

カイ

「えええ…そんな…ユウキ君!!絶対 試練乗り越えてよ!僕の為に!!」

カイは 直立で立っているユウキに 大急ぎで飛んでいき両手で抱きしめる

ユウキ

「!!!は…はい が…頑張ります!」

カイは ユウキの頭をポンポンと軽く触り ニコッと笑顔を見せ アモンの所に飛んで行った

サヤカ

『…くっ…あ…あざとい…』

なんの悪気もないカイの行動に 傍観してしまったサヤカは 自分の女子力の無さが 情けなく感じたのだった…

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