第18話 それぞれの思惑

時は少し戻り 2日前……


アモン

「………というわけだ」

ヒデオ

「うむ わかったアモン君 その任務の遂行は必ず成功させる もし その任務を邪魔をする者がいたなら 俺は 全て たたっ斬る それが もし 各王でも…それで いいかな?」

ヒトミ

「な…何を い…言ってるの…アモンちゃんでも 未だに能力が分からないんでしょ そんなの 絶対凄い能力持ってるに 決まっているじゃない」

アモン

「…例え とんでもねぇ能力でも なにかと イチャモンつけてくる者も いるからな」

ヒデオ

「…一枚岩ってわけでは ないんだな…」

アモン

「ああ 誰にも従いたくないやつも わんさかいるし どの王にも 属さないやつもいる ただ天使どもが 嫌いってだけで 戦いに参加してくれてる奴もいる

残念ながら そこまで 統制がとれているわけじゃないんだ…特に今はな…」

ヒデオ

「俺は 難しい事はわからん ただ あの子らに 危害を加える者がいたなら 絶対許さん…」

アモン

「ああ それで 構わない ヒトミも頼んだぜ」

ヒトミ

「わかったわ…アモンちゃん1ついい?……あなたは 結局 あの子たちを…どうするつもり?」

ヒトミは アモンを鋭く睨みながら 問いかけた

アモン

「……さあな それは あいつらが決めることだ… もちろんオレに協力してくれるならそれでいいし 何も強制しないさ……ただ このまま行けば 遅かれ早かれこの地は 蹂躙されちまう事も理解しといてくれ まあ…そうならないように 出来るだけ足搔くがな…もう 失敗は許されないからな…」

ヒトミ

「え?今何て?」

アモン

「ん?いや こっちの話だ 気にしないでくれ」

ヒデオ

「…なあ アモン君…奴らの目的は本当に わからないのか?何か目的があって 行動しているとしか思えないんだが…」

アモン

「…すまない…本当に 分からないんだ… もしかしたら 親父なら なにか 知っているかもしれないが…」

ヒデオ

「…アモン君の親父さんは 一体どこに行ったんだ…聞いた話では もう 随分帰って来ていないと聞いたが…」

ヒトミ

「確か 放浪癖があるって聞いたわね 長い間 帰って来ない事が多々あるって聞いたけど…」

アモン

「ああ 確かに 親父は放浪癖がある ただ いくらなんでも ここまで 連絡がないのは…」

ヒデオ

「…ということは もしかして…」

アモン

「…………親父は……奴らに 捕らわれている可能性が高いな…」



???

「シリウス様 ガイアス様が帰還しました…」

シリウス

「……通せ…」

???

「はっ…」

ガイアス

「……ただいま 戻りました」

シリウス

「……それで」

ガイアス

「はっ…申し訳ありません 任務は失敗しました 2人の奪還は出来ませんでした」

シリウス

「それは 知っている なぜ 失敗したのか?」

ガイアス

「私の采配が至らなかった…ただ それだけです…」

シリウス

「……ふぅ…わかった…ガイアス以外 全員 この部屋から出ろ!」


この言葉を 聞き 周りの天使たちが 扉を開け 一礼をし 出ていく 全員がいなくなったのを確認した最後の天使が扉をゆっくりと閉め 各々 この状況をひそひそ話し出す


従六位天使 A

「…なあ ガイアス様 どうなるんだろうな…いくら最下層の天使とはいえ 数万の兵を消耗したんだろ?しかも 上位天使も何人かやられたって聞いたぜ」

従六位天使 B

「ああ あの戦いで クレイム様もやられたらしいし…こりゃ もしかしたら 贄にされるかもな…」

従六位天使 A

「ひえー…怖えな…」


シリウス

「ガイアス…近くに来い…」

ガイアスは シリウスの言葉を聞き ゆっくりと立つ そして 堂々と3歩歩き そこで 跪いた

シリウス

「…もっとだ」

ガイアスは そこから また3歩進んだ後 シリウスを見る しかし シリウスはゆっくりと首を振る…

気が付けば シリウスの手が届くところまで 来ていた

ガイアスは 慌てて その場で 跪く

シリウス

「…ガイアス 頭を上げよ」

ガイアス

「はっ…え!?」

シリウスは ガイアスのおでこに デコピンをした

ガイアスはおでこを 抑えながら シリウスを見る

シリウス

「…ったく 何してんの もしかして アモンでも出てきたか?」

ガイアス

「…はい あと1歩まで迫りましたが 逃げられてしまいました…」

シリウス

「まあ アモンが出てきたなら しゃあない で もう一つの任務は?」

ガイアス

「はっ 多くの天使を犠牲にしましたが なんとか 成功しました」

シリウス

「そっか わかった それより あんまり 目立つミスはするなよ さっさとお前の階級を オレは上げたいんだ…」

ガイアス

「申し訳ございません…」

シリウス

「…しかし 今度のことで 1階級下げは 免れないな…次の任務は頼むぞ」

ガイアス

「はい 承知いたしました して 次の任務は……ですね…」

シリウス

「ああ…地獄の連中も 気づいてないようだしな…」

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