第16話 黄色のモヤと膜

ユウキ

『おーい…アモン…聞こえるか…』

アモン

『……ん?おう 聞こえてるぜ!どうした?何かあったか?』

ユウキ

『黄色のモヤが消えたよ』

アモン

『今 消えたんだな そうか で サヤカも消えたのか?』

ユウキ

『ああ ってか 消える瞬間 目の前が真っ暗になるなんて聞いてないぞ ちゃんと 教えといてくれよ…』

アモン

『???どういうことだ…そんな現象聞いた事もないぞ…』

ユウキ

『え?そ…そうなのか…あ!あと 目の前が真っ暗になっただけじゃなく 息苦しくって 大変だったよ 俺もサヤカも 今は何ともないけどな たぶん』

アモン

『……そうか…とにかく 膜は消えたんだな よし わかった 2 3日中に オレがそっちに行く それまでは のんびりしといてくれ それから もし 何か変化があったら すぐ連絡してくれ いいな』

ユウキ

『ああ 分かった』


サヤカ

「……アモンさんは なんて?」

ユウキ

「こんな現象…聞いた事ないって…それから 2 3日中に アモンが迎えに来てくれるらしい」

サヤカ

「アモンさんも知らなかったの?一体どういうこと?」

ユウキ

「…わからない こればっかりは アモンに任せるしかない…」



ユウキから連絡を受けたアモンは慌ただしく動き出す

アモン

「今すぐ カイに連絡をし すぐに城にくるように伝達してくれ それから 黒影王 ハデスにも連絡を!」

アモン直属の部下

「はっ! して ア…アモン様 一体どこに行かれるのです?」

アモン

「…調べることがある 地下の書簡室に行ってくる」

アモン直属の部下

「はっ! かしこまりました」

アモンは 足早に書簡室のある地下へ向かった


???

「ん?あれ?アモン様じゃないですか?お久しぶりです いかがなさいましたか?」

アモン

「久しぶりだな マルコ 老師は どこにいる?書簡室にいるのか?」

マルコ

「ええ 老師様は 相変わらず 中にいますよ 呼んできましょうか?」

アモン

「いや いい オレもこの中に用事があるからな じゃあ ちょっとお邪魔するよ」

そういうと アモンは書簡室に入っていく


そこは 足元から天井まで 所狭しとビッシリ本があるわけでは無い 

そこには 宙に浮く大きな青白い球体があり 周りには四角い青白い枠がいくつも有り 上下左右 目まぐるしく動いていた


アモン

「おーい 老師 いるかい?」

老師

「……ん?お?アモンかい?ってか その老師って呼び方やめなって 言ってるだろ」

この老師と呼ばれた人物の見た目は 20代後半の女性の姿で 髪は赤髪 背中には小さな黒い翼を持ち サキュバスのような 妖艶な姿だった

アモン

「老師は老師だろ?…とにかく調べてもらいたいことがある」

老師

「あたいには ちゃんとレミュって名前があるんだ …ったく で 何を調べて欲しいんだい?」

アモン

「真理の眼についてだ 過去に 黄症の状態の最長を調べてくれないか?」

レミュ老師

「はあ?黄症の最長だって?なんでまた?」

アモン

「過去に 1日以上かかった症例はないか?」

レミュ

「1日以上!?そんな事ありえないだろ?まあ 記録に残ってるのは……えっと…あった…あんたの親父さんだね 15時間モヤがかかった状態が続き 膜が形成され 消えた という報告書が最長の記録だ」

アモン

「…そ…そうか !!!ま…待てよ レミュ!真理の眼の黄症の状態変化をもう一度教えてくれ」

レミュ

「はぁ?何言ってんだい?あんたも知ってるだろ…真理の眼を 入れた直後 黄色のモヤが発生し 魂の把握が行われる そして 把握が終わった後 黄色の膜が形成され 全ての項目を数値化される それが終わると 膜が完全に消滅する 以上だ 知ってるだろ?」

アモン

「それだ!どうりでおかしいと思ったんだ…あいつは 終始 黄色のモヤ って言っていた そして さっき聞いたあいつの言葉… 黄色のモヤが消えた と…オレはてっきり膜が形成された後に消えたと思ってた…」

レミュ老師

「膜が形成される前に消えた!?アモン どういう…」

アモン

「話は 後だ もう1つ調べてくれ 黄症がなくなる寸前 目の前が 真っ暗になるって事例はあるかい?」

レミュ老師

「そんな症例聞いた事ないよ…ま…まって…たしか…ここに…あった…こ…これって…」

アモン

「……そいうことか……」

レミュ老師

「……アモン…ちょっと詳しく聞かせてもらうよ…」

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