M君と私

雪月

M君

 20年程前、私が小学校低学年の頃の話です。


 ちょうど1年生~2年生の秋頃までの間、私はM君という男の子の友達とよく遊んでいました。


 こんな書き方をすると、M君に何かあったように思うかもしれませんが、別にそんなことはなく2年生の秋頃に転校生が来てその子とよく遊ぶようになり自然とM君とは遊ばなくなったからです。


 M君は小柄で、かなりやんちゃなスポーツ小僧といった感じの子でサッカーがとても上手でした。

 1年生当時でもリフティングを何十回も出来るくらいですから相当なものです。


 かたや、私は草木を集めては石で潰してよくわからない“薬草”を作っていたりするタイプの変な子でした。

 

クラスは同じ、というか一クラスしかありませんでしたが、幼稚園なんかも違いますし、接点は全然なかったのにも関わらずいつの間にか仲良くなっていました。

正直、どうやって仲良くなったのか全く覚えていないのです。

 近所というわけでもなく互いの家も歩いて20分はかかる距離でしたし、何で遊ぶようになったのか分からないんですよね。


 

 放課後や土日に頻繁に互いの家に遊びにいく間柄ではあったのですが、私はM君のお母さんを一度も見たことが有りませんでしたし、時折平日でもM君のお父さんが家にいました。

 

 今でこそ、ちょっと複雑な家庭環境だったのかなと推測できますが、当時の私は全くそんなことは気にしていませんでした。

 思えばM君と遊ぶ時は他のクラスメイトはいませんでしたし、誘ってくるのもM君からでしたから、何か事情はあったのかもしれませんね。


 そんなM君といると、どういうわけか怖い……というより気持ち悪い目によく合いました。


 

 

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