鈍感キャラを演じる私、王子様からの求婚が激しすぎて化けの皮が剥がされそうなんですが、一人悶絶して耐え切ります!

灯火(とうか)@チーム海さん

序章

第1話 え?お葬式? お雑煮の間違いではなくて?

「おはよう! リン!」


「おはよう。 マリア。」


 ここは、貴族のキャンドル家。孤児だった私の引き取り場所だ。

 私はこの家の前に名前が書かれた紙だけ置いて、捨てられていたらしい。


 本当に、ここまで育ててくれた両親には感謝しかない。


 マリアは、この貴族家の子供だ。一人っ子で、今は私にべったりだ。

 ちゃんと成長してくれるか心配でもある。


「お嬢様! ああ、いらっしゃった! おい!お嬢様がいらっしゃったぞ!」


「あれ? どうしたの?」


「お嬢様はちょっと・・・ あ、りんさま。りんさまはこちらに来て下さい。」


「はい。分かりました・・・?」


 そういうと、屋敷の応接室に連れられた。


「お嬢様には秘密にしていただきたいのですが… 当主さまと、その奥様が亡くなられました。」


「え?」


「そして、遺書では有事の際には鈴さまにこの家を一時的に任せることになっています。」


「え? ちょ、ちょっと待って下さい。」


「はい。」


「当主さまはどうしてお亡くなりになられたのですか?」


「事故と言うことになっています。詳しいことは護衛の騎士に聞かなければ分からないのですが… おそらく、暗殺かと。」


「・・・分かりました。」


 事情について行けない。

 そして、一つおかしなことがある。


「私、これからこの家の当主になるんですか?」


「一時的ではありますが、そうなります。」


「・・・っっっちょっと待って下さいね。」


 え? どういうこと? はあ? いや。おかしいよね。聞き間違いか。


「私が当主代理になるってことで合ってます?」


「はい。間違いないですね。」


「ふううううう。夢ですか?」


「現実ですね。」


「・・・・・うん。夢ですよね?」


「現実です。」



 な、な、な、何でえぇぇぇぇぇぇぇ!

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