8話【ルールは?】
月が少し欠けている夜。俺ら生徒たちは学園近くの森に中集められた。森の奥は暗く、なにもみえない。頼みになるのは月の光のみ、そのくらい暗いのだ。
「っちこの中でなにやれって言うんだよ。」
俺は内心イライラしている。あんな雑魚みたいなやつの授業を受けなければならないのだから。
「おまえは自信あるのか?ノビリタス・ニックス」
ノビリタス・ニックスこいつは俺の親友で、なかなかの実力者だ。俺とよく手合わせしているが手も足もでない。
「ああ自信はある。今回の教授はマナをうまく扱えない。あいつの昼間の素行を探ったが、俺の気配なんて気づきやしなかったぜ。それに体内のマナが気になって調べてみたがあまり多くはなさそうだった。今日が最後かもな」
そういい、彼は少し呆れたような顔をした。
「俺も今回負ける気はしねぇーぜってぇかってボッコボコにしようぜ親友」
「そうだな」
俺は親友と意気込んでいた。そんな時だった。空からとてつもないマナの気配をかんじた。俺はその気配を察知し親友と顔を見合わせる。どうやら親友も気がついたようだ。
「なんだ…あのとんでもないマナの気配は」
「わからねぇ。しかしひとつ言えることはその気配が俺らの方に向かってきていると言うことだ。」
そのとてつもない気配はものスピードで俺らのところに迫ってくる。あと9秒もあればここについてもおかしくは無い。その間に俺は術式の詠唱を始め、少しでもダメージを与えることにした。親友も同じことを考えてたらしく既に詠唱を初めている。刻々とその気配は近づいていき、気がつけば真上だった。俺と親友は同時に詠唱し終わり、魔法を謎の物体にはなった。
「Hellflare(獄炎)」
「仕留めたか?!」
「どうだろう分からない」
煙が晴れ、目の前を見ると驚きの光景が見えた。放ったものは傷1つ着いてないようで、防御魔法を展開していた。そしてそいつは上空から消え去りどこか行ってしまった。
「消えた…?」
「多分、どこかに飛んで行ったんだろ。ひとまずは安心した。」
俺はその得体の知れぬ物がどこか行ったことで安堵した。その時辺りには声が響いた。
「はーい、我らがかわいいかわいい生徒たち〜」
その声の主はアリエス教授だった。しかしながら雰囲気が異なる。昼間と違い、マナの感覚がうっすらと感じとれる。そして容姿も違った。瞳の色は変わらず赤オレンジだが、髪の毛の色が白ではなくなっている。完璧に赤オレンジに染まっているのだ。その気配に少し神々しさを感じてしまう。
「今日やってもらうのは、鬼ごっこそれだけです」
俺は教授のその言葉にびっくりしてしまった。まさかのこの歳にもなって鬼ごっこをやるなんて思ってもいなかったからだ。正直バカバカしい。そんななか、アリアは手を
挙げ上げてとあることを聞いた。
「教授に質問です。ルールとかはあるんですか?」
「それを説明してませんでしたね。今から説明しましょう。今から結界を張ります。大きさは半径250メートルです。この範囲内で逃げていただきます。そして鬼はこの私アリエス教授が努めます。私がタッチしたらその時点で脱落です。脱落したものには課題を渡したいと思います。
ルールは以上です」
俺は内心勝ちを確信した。こんなだだっ広い結界内で逃げれば見つかる自信が無いからだ。
そんな時隣にいた親友を見ると、口がニヤッとしている。良ないことを考えていると目に見える。すると親友は口を開いた。
「教授に質問があります」
「ん?なんだね?」
「教授に攻撃とかはしていいんですか?」
「ああ、いいとも。全力で、殺す勢いでかかってきなさい。それだとつまらないだろ?」
その途端親友は下でガッツポーズをし、にっこりとしてから続けて
「ありがとうございます。ですが教授に言っておきます。
今日があなたの命日になるかも知れませんよ?」
「………ははは!面白いことを言うもんだね君、相当自信があるようだ。気に入ったよ、名前はなんて言うんだい?」
「ノビリタス・ニックスです。死ぬ前に覚えておいてくださいね」
「ああ」
「他に質問があるものはいるか?」
あたりはシーンと静まり返りった。そして教授はにこやかに笑いながら
「いないようだな、制限時間は0時までだ!私を存分に楽しませてくれることを祈る。それじゃ5分後に開始だ!動け!」
そういい、教授は大きい砂時計をどこからか取り出し、空中に置くのだった…
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