わたしは生徒たちを最強にすると決めました

金時Aya

0話 まさかの俺が?!


みんなは魔法が使える世界と言われたら何を思い浮かべるだろうか?箒で空を飛べるたり、瞬間移動ができたり、はたまた手から炎を出せたり、できることは無限大だ。そしてこの世界の魔法は戦闘のためにあると言っても過言では無い。魔法で自らの力を示す。それこそがこの世の魔法というもの。その頂点に君臨するのが十二個の証十二星座。選ばれし人類のみがこの星座達と契約することができる。契約できたものは星座契約者として絶大な力を借り入れることができる。しかし、契約するには対価に見合った代償を必要とするため、莫大な量のマナとふさわしい器を要する。たとえそれが魔法だろうと武術だろうと関係はない。それでも人類は人生をかけてでも星座と契約するために日々鍛錬するのだ。そして伝説の十三個目があるとかないとか…………真実の光は星座にしか分からない。



 天の川が綺麗な夜空、星が降る高原。辺りからはほんのり暖かい風がたなびいてる。それにつられて木々の葉や花々は歌うかのように揺れていた。


「師匠様。マナ切れだ。一旦休ませて。」

マナが切れた俺は高原の草むらの上で大の字となり寝そべった。


「マナ切れとは情けない。それでよく星座と契約することができたな」


「おれだって思ってもいなかったです!それに、師匠様と比べたら俺なんて足元にも……」


「いいか、それでもお前は星座と契約することができた。わしよりかは弱いかもしれないが、そんじょそこらの魔法使いよりかは何倍も、何万倍も強い。星座契約者として、そこに誇りを持つんだ」


そんな師匠様の励ましで泣きそうになってしまった。

「師匠様……はい!俺もいつしか夜空に浮かぶ星のようみたいに輝けるよう!そしていつかは師匠様を超えてみますよ!」

「ふん、楽しみにしてるぞ」


 師匠はほんのり笑いながら言った。その輝きは一等星に等しいくらい輝いている。まぁあ俺の中で師匠様は常に輝いているけれどもね。そして俺はいつしかみんなの希望の星みたいに人々を救える存在になりたい。だから俺は星座と契約したのだ。


「休んでるところ悪いがお前に話しておきたいことがある」

師匠様は少し畏まった格好で俺に話をしてきた。


「なんですか?」

「お前もポラリスアカデミーに行ってみないか?」

「えーあのかの有名な学園ですか?めんどくさいですよ。魔導書読んでたいし。」

俺は綺麗な星座を眺めがら流星のごとく流れるように返事した。


「それならあそこに三等以上がたくさんあるぞ!それに王侯貴族様が直々に推薦してくれたんだから返事は一つしかないよな?」


「はいはい、いけばいいんでしょ?」

俺は不貞腐れたように了承した。内心行きたくないという思いが大半だ。


「そうそう、それじゃ教授としてよろしくね」

 

俺はその言葉を聞いた途端耳を疑った。まさか教授として教える立場だったなんて予想外だからだ。

そもそもこの国トップの王侯貴族様が直々に推薦なさってくださったのも疑問だ。別に縁があるってわけでもない。かといって王侯貴族様を助けたりしたわけでもない。


 どうして俺が教授にならないといけないんだ、という疑問で頭がいっぱいだ。しかもポラリスアカデミー。あそこは勇者様や聖女、賢者などを数々輩出してきた学園だ。


それに学力、魔術、技術どれを取ってもこの国トップレベルの環境が整っている。そのためか王位の家系や貴族など、一般人では無い人間も数多く在校している。そんなところの教授なんて、とても荷が重い。


「ひとまずこれを渡さんとな!はいこれ」


 そう言って師匠様は謎の白い箱を渡してきた。それは赤オレンジのリボンで綺麗に結ばれており、俺の名前と契約星座が大きく刻まれている。無駄に凝った箱だ。

「この箱は?」

「開けてみたらわかるぞ」

 俺は言われるがまま恐る恐る箱を開けた。そこに入ってたのは……


「なんじゃこりゃ」

「は、は、は!お主の服じゃ。王侯貴族様がいる前で今の格好ははしたないからの。王侯貴族様がくれたわい!」

遠回しにダサいと言われた気が……。


「それにしてもとても豪華ですね」

「そりゃー星座と契約しとるからな。それ相応の対価じゃよ。ほら着てみろ」


 俺は新しい服に袖を通した。このローブは特製なのか内側は普通の赤オレンジだが、外側には紺色の背景で牡羊座が描かれておりとても綺麗だ。それはまるで夜空に輝く牡羊座を表現している。とてもかっこいいローブだ。


ボタンや細部は金で装飾されている。更にはローブを止める金具は前にくるのか、ダイヤの装飾が施されておりその上に牡羊マークが彫られている。


ローブの下には白いシャツと俺の嫌いなフリフリのスカートがはいっていた。どうしも毎回顔のせいか勘違いされる。ズボンがよかったなぁ。まあ、動きやすいからそれはそれでいいけれど。そんなことを呟きながら嫌々着替えた。


「服は着られたか?」

「はい。着れました。どうですかね?」

「とても似合っておる。かわいいぞ」

「かっこいいって言ってくれ」

「しかしそのスカートが……」

「エロジジイ!」


 俺は露出した足を見る師匠様に一発殴りをかましてやった。さすが師匠様と言えばいいのか簡単にかわされてしまった。


「では今からいくぞ」

「どこへ?」

「それはもちろんポラリスアカデミーじゃ」




ー【あとがき】ー

読んでくださりありがとうございます!

初めて小説を書きました

面白いと思った方はフォローやいいね、感想、評価してをくれると励みになります!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る