第13話 尋ねてきた少女。
勇者様と私ポミははじまりの町の隣の森でログハウスに住んでました。
今日も魔法札が売れてなんとか家計が軌道に乗りました。私も一安心です。勇者様。
トントン。
アレ? ログハウスのドアを叩く音。変だなあ。勇者様はお尋ね者だし。私はモンスターを裏切った魔物だし。友達なんて居ないはずなのに。
トントントン。
またドアを叩く音。私はお掃除を辞めてドアに向かう。
「はいはいはーい! どちら様ですか??」
私は人間の少女の姿で朗らかにドアを開けました。
「ニイッ!!」
そこには私1.2メートルの女の子より小さな女の子が立ってました。その子はにっこりと笑いながらも何か私には冷たいオーラを放っていました。
?? 挨拶しないその子に私は喋りかけます。
「お嬢ちゃん? どうしたの? 森で迷子?」
その子はピンクの髪ボブカット。藍色のドレス。なんか私と同じモンスターの匂いがしますが姿は人間の女の子。変ですねえ。
少女は言いました。
「パパはどこ??」
にっこりと笑いながらも顔半分が影が入り私に敵意丸出しです。なんなんですか?? この子。
私はちょっと困りましたが、女の子に問いかけました。
「パパはどこかなあ。ここには居ないですよ? はじまりの町まで一緒に行きますか? お嬢ちゃんのお名前は何ですか?」
女の子は可愛子ぶりながらも私を見下した表情で喋ります。なんなんですか? この子。
「ぶー!! パパはここに居るもんッ!!」
そこに勇者様が素振りの練習から帰ってらしました。
そしたらその女の子は目を輝かせて勇者ダン様に駆け寄り抱きつきます。ドア開けっぱなしで私も驚きます。
「パパーー!! 大好きッ!! 会いたかったーー!!」
「エエエエエエエエッッッッ!!!!!!」
私は驚きます。勇者様も反応薄いですがかなり動揺しているようです。ぴんく髪の女の子は八重歯を見せながら朗らかに笑います。
幼い少女なのでこの時は分かりませんでしたがメスガキのようなドス黒い感情を押し殺しながらの子供の満面の笑顔でした。この時は私にも分かりませんでした。
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます