異性に慣れる為に美少女幼馴染と触れ合う練習を始めたのだが 思った以上に甘々だった件 ~きみとの”触れ合い修行な”癒しのひととき~

にぃ

第1話 男女の友情(イチャイチャ手つなぎ)をクラスメイトに見せつける

「洋ちゃん! 私たちで男女の友情を証明したいと思います」


 突然幼馴染の有紗ありさが部屋に入ってくる。


「今日もね、洋ちゃんとの仲を冷やかされたんだよ~! 私たちは仲の良い幼馴染で親友! 何度もそう説明したのに、いつも返ってくる言葉は『いいかげん付き合いなよ~』ばっかり!」


「そこで私は言ってやったの! 恋人関係でなくとも男女の友情はちゃんと成立するんだよ、明日それを証明しちゃる! ってね」


「……へっ? わ、私たちの仲の良さはとっくに『恋人』すら超越しているって?」


「恋人以上夫婦未満の関係をみんなに見せつける!?」


「ま、まって! そうじゃない! そうじゃない……よね!? えっ? 洋ちゃん、もしかしてそんな風に思ってくれてて——!」


「待て待て待て! 何を唇尖らせて顔近づけてきているの!? よ、洋ちゃんの気持ちは嬉しいけど、私たちの関係はそういうのじゃ——」


「……えっ? 冗談? ただからかって遊んで見ただけ? ……ふーん……ほほぉ……」


「有紗ちゃんキーック!!」


「ふんっ! 真剣な相談の最中にからかってくる洋ちゃんが悪いんだからね!」


「とにかく明日! みんなの前で恋人同士がやるようなことするから! 洋ちゃんは無反応でいてね」


「えっ? 具体的にどういうことをするつもりなのかって?」


「えと……そうだなぁ。手を繋いだり?」


「何笑ってるの! 小学生カップルみたいな想像しかできなくて悪かったね!」


「明日、私達は男女の友情を証明するんだから。間違っても照れたりキョドったりしないでよね!」







 翌日の放課後。

 俺と有紗は教壇の前に並び立つ。


「皆! よくも今まで私たちの仲を冷やかしてくれたね! 悔しいので今から証明してあげる! 私たちの間に恋愛感情は皆無ってことをね!」


「さっ! 洋ちゃん! 握手だよ」


 差し出された手を優しく握る。


「ふふーん。親友である私達なら手を繋いでも全然照れたりなんか——」

 

「……あ、あれ? 洋ちゃん? 手を握ったままじっと見つめてきてどうしたの?」


「へっ? わ、私の手が冷たくてスベスベしている?」


「って、こらぁ! 見えない所で指を滑らせるなぁ! く、くすぐった……」


「どさくさに紛れて指を絡ませるなっ! 恋人繋ぎになっちゃうじゃんか!」


「洋ちゃん顔赤いよ! ドキドキしているんじゃなぁぁぁい! 私が必死で赤面するのを我慢しているのに全部台無しにしないの!」


「えっ? 嘘!? 我慢出来てない? 私も顔真っ赤なの!?」


「~~っ! そうだよ! 赤いよ! 悪いか!?」


「赤面顔をジロジロ見ないの! 洋ちゃんちょっと上向いてろ!」


「……もぉ」


「……それにしても……洋ちゃんの手……暖かいね……」


「それに知らない間にこんなに大きくなっていたんだね」


「もう……男の子じゃなくて男性なんだ」


「な、なんだか知らない男の人みたいに思えてきた……」


「目の前にいるのは洋ちゃん、目の前にいるのは洋ちゃん」


「…………えいや!」


「ぬへへ~。秘奥義、両手包みの術~」


「ほれほれ~。どうした~? 顔真っ赤だぞ~? 照れるのが嫌なら抜け出してみろ~。絶対放してやらないけーどね」


「可愛いな洋ちゃん。こんな可愛い一面久しぶりに見た」


「もっと可愛い所見せてよ」


「手だけじゃなくて、他の所も触ったらキミはどうなっちゃうのかな?」


「……へっ? それよりもみんな見てるって? ——あっ!?」


「み、みんな? い、今のは違くて! ちょっとじゃれ合っていただけで!」


「な、なんでみんなしてニヤニヤしているの!? 違うんだったらぁ!」


「もぅ~~~!!」


「こ、これで勝ったと思うなよ! 絶対ぜーったいみんなの前で私達の友情を証明してやるんだからぁぁぁぁっ!」


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