僕が制作した54体のNPCがあべこべ異世界で暴れてます 〜NPCの侵略に立ち向かえ〜
ヒーロー好き
序章
第1話 突然の転移!荒廃した世界との邂逅
とある殺伐とした場所。周りに草木などはなく焦土と化した大地、そして人間が苦しそうに倒れていたり、敵に攻撃されたりして、まさに地獄絵図となっていた
「……」
そこに一人に人間が歩いてきた
敵たちはその人間をみつけると、攻撃をやめてその人間に近づく
「……」
そして敵たちはその人間の前でひざまずいて最敬礼した
「……」
この人間こそが敵のマスターであった
「……」
何かを言った後に人間は前に進む。そして敵たちもその後ろをついていくのであった
「………夢か」
一人の男が目を覚ます。男の名前は
「……まだメンテナンス中か」
パソコンの画面を見る。あるVRMMORPGがメンテナンス中と画面に出ていた
「まあ今日中に終わるって運営からお知らせが来てるからいいか」
悠斗はこのゲームにハマっているのであった。
VRMMORPG「パラレル」世界的にはやっているゲームだ。自由が売りで、勇者はもちろん魔王や国の王様などになれるため、様々な人達がそれぞれをゲームを楽しんでいる。そして最も人気なのがNPCの作成だ。
自由に作成できるのはもちろん15禁までならOKなのである。
これがうけたのか世界的にヒットとなった。しかし2か月前からメンテナンス中である。
「さて、飯でも食うか」
悠斗はベッドから起き上がって台所へと行く。そこで冷蔵庫の中身を物色する
「何もないな……スーパーでも行くか」
悠斗は財布を持ってスーパーに向かうのだった 原付に乗って大体二分ぐらいで着いた。
「いらっしゃいませー」
店の中に入ろうとする
「ん?」
するとスマホが鳴る
「メンテナンスが終わったんだ」
悠斗はスマホをいじりだす
「まだ騒いでいるのか」
スマホで動画や掲示板サイトを見ると『パラレル』のことが映っている
「妖魔軍団インデックスに、ラグナロクデイ……もう一年前の事なのにまだやっているよ。まあ、やったのは僕とNPC達だけど」
妖魔軍団インデックスは僕の作った軍団の名前だ。構成員は55人だがプレイヤーは僕一人であとの54人は僕が作成したNPCだ。
そしてラグナロクデイは僕と軍団が、ほかのプレイヤーが作った国を7日で4つの国を滅ぼした事件のことだ
「早く買い物を済ませよう…」
悠斗はスマホをポケットにしまって店の中に行く
「お買い上げありがとうございました」
レジの店員がお辞儀をする。悠斗はそこから出て原付に乗る
「さて、帰ったら続きをするか」
原付を運転するのであった
アパートに到着し、玄関の鍵をあけようとしたが
「あれ?開いている?」
鍵を掛けたはずなのに、ドアが開いているのだ
「(大家さんが勝手に入るわけないし……まさか!?)」
嫌な予感がし、静かに中に入る
「………!?」
嫌な予感が的中した
「……」
中には全身を黒いローブを身にまとった泥棒が1人居たのだ
「(まじかよ……とりあえず警察に……!!)」
ポケットからスマホを取り出し、電話を掛けようとするが、スマホのアンテナが立っていなく、圏外の状態であった
「(何で圏外の状態なの!?)」
すると泥棒はパソコンを触ろうとしていた
「……それに触るな!!」
持っていたスマホをポケットに入れて、大声を上げる
「!?」
泥棒はそれに驚き、悠斗の方に顔を向ける
「……」
だが顔は、仮面を付けているため、見えなかった
「……捕まえてや……っ!!」
掴みかかろうとした瞬間
「なんだ……っ!床が光って」
突然、床が光出した
「!!」
泥棒も明らかに動揺していた
「何がどうなって……っ!?」
白くなっていく視界。鼓膜を突き刺す白い光に対する未知の恐怖が迫り、瞼を閉じさせ、声にならない悲鳴をあげてしまう
「(なんとかしないと)」
体を動かそうとするが、手足はまるで石像になったようにピクリとも動かなかった
「(くそ!動け………)」
それでも必死にもがき、体を動かそうとするが意識が徐々に薄れていく
「(っ!!こ……れ……は……)」
すると何かを掴んだ感じがした……が、そこで僕の記憶はそこで途切れた
「ーーーー」
その時、泥棒が何かを言っているような気がした
「……」
悠斗が目を覚ます
「今日も晴れらしい」
青い空に白い雲が眼に映る
「なんで…外にいるんだろう……」
ゆっくりと起き上がると
「………ん?」
周りには廃墟化した建物が眼に映った
「………」
ぼんやりとしていた意識が
「え?えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
後頭部をハンマーで殴られたような衝撃と共に一気に覚醒する
「なんだよ、これ…どこだよここは!?」
あまりのことにパニック状態になる
「おお、落ち着け…ここは深呼吸を……スーッ、ハァーッ…」
胸一杯に空気を吸い込んでは、ワザとらしく声を出して吐き出す。何回か繰り返して、気持ちを落ち着かせていった
「……」
改めて周りを見ても、崩壊した建物が見えるだけだった
「なんで僕は……そうだ!部屋に泥棒が居て、そいつを捕まえようとして……そしたら床が突然ひかって」
自分の身に起こったことを確認する
「そうだ!スマホで、連絡……って圏外かよ」
ポケットからスマホを取り出すが、圏外になっていた
「……え?」
スマホの画面に映った自分の顔を見て、驚き、自撮りをする
「…黒い髪に、赤と黒のオッドアイのイケメン顔……ゲーム内のキャラになっっている」
自分の姿に驚いていると
「………ん?」
近くの方で音が聞こえた
「……何だ?誰かいるのか?」
音がした方に行くと5人ほどの陰が見えた
「(…っ!…あれって……)」
全身が白タイツで白と黒のラインが入っている姿
「(あれってスート兵!!)」
悠斗はその姿を見て、驚いていた。何せ自分が作った軍団の戦闘員が居たのだから
「(ここはゲームの中なのか?)」
そんなことを考えていると
「スート……スート!」
スート兵が悠斗に近づいてくる
「(……マスターの僕に、気が付いたのかな?)」
悠斗もスート兵に近づく。だが次の瞬間
「……っ!!」
スート兵が悠斗に攻撃してきた
「おい!何をする!僕はマス…っ!!」
お構いなしに攻撃してくる
「(何で……!?)」
スート兵が装備しているかぎ爪で攻撃してくる。……が、ゲームで培った経験を生かして躱す悠斗
「(どうなっているの?……バグなのか)」
そんなことを考えていると
「(……いっ!)」
かぎ爪が悠斗の頬を掠める
「(嘘……まさか現実なの…)」
今痛みと共に流れる血。今の出来事で、ここが現実だと思わせるには十分だった
「(……どうする)」
スマホで助けを呼ぼうにも圏外の為呼べないし、このままだと殺されるのが目に見えていた。そしてなによりも自分が作った軍団の戦闘員に殺されるという現実に、絶望していた
「(……そうだ)」
スマホのフラッシュ機能を使ってスート兵に目くらましをすることにした
「っ!!」
悠斗はスマホでフラッシュをするが、画面が光りだしたのは10秒ぐらいたってからだった
「(くそ!もう10秒もたったぞ!?)」
その間スート兵からの攻撃は続いている。そしてとうとう、攻撃が悠斗の体を掠める
「っ!!」
痛みで思わず膝をつく
「(……このままじゃ死ぬ!!)」
そう思った瞬間、フラッシュがたかれた
「!!」
そのフラッシュにスート兵は思わず目をふさいだ。それと同時にスマホをポケットしまい、走り出す
「ハァッ……ハァッ……」
逃げきった悠斗は廃墟となった建物の中に入る
「はぁ……はぁ……痛っ!」
すると胸に激痛が走り、思わず膝をつく。そして胸から血が流れていた
「(……っ!!)」
悠斗は痛みを堪えて、歩き出そうとするが、仰向けに倒れこんでしまう
「(僕、このまま死ぬのか?)」
痛みが強くなっていき、意識が朦朧としていく。更に足跡が聞こえる
「(死にたく……な……い……)」
そして気を失った
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