第47話 エルフちゃんと新年度

だい47 エルフちゃんと新年度しんねんど


「えへへ、ってきます」

ってきます」

ってきますぅ」


 あさ登校とうこうしんメンバーがくわわった。

 しん一年生いちねんせいいもうと、エリカだ。


 こうしてみぎ巨乳きょにゅうのララちゃんをブラさげてひだりにはすがいてくるエリカがくっついて登校とうこうしている。

 まったく両手りょうてはなとはこのことだ。

 エリカも贔屓目ひいきめても美少女びしょうじょなので、かなり目立めだつ。

 とく病院びょういん生活せいかつながかったので、そのとおるようなしろ素肌すはだはめちゃくちゃ綺麗きれいだ。

 ララちゃんもエルフ由来ゆらいなのだろうはだしろい。

 そうやって両方りょうほう美少女びしょうじょはべらせて学校がっこうく。

 目立めだちまくりんぐ。


 おれたちも二年生にねんせいしん年度ねんどはじまった。


「おはようございます。担任たんにん三保みほ灯里あかりです」

灯里あかりちゃん先生せんせい今年ことしもよろしく」

「はいそこ、先生せんせいをちゃんづけしない」

「だって去年きょねん灯里あかりちゃん先生せんせいだったじゃん」

「まあそうですね。今年ことしはもうちょっとおねえさんになろうとおもったのにぃ」

残念ざんねんでした」

「あははは」


 ひとクラス四十よんじゅうにんだ。クラスえはクラスなのではちにんほどがおなじクラス出身しゅっしんとなる。

 おれとアキラとハルカとララちゃんもこれはたぶん政府せいふ要請ようせいおなじクラスになったのだろう。

 今年ことし一組いちくみだった。


海外かいがいからの留学生りゅうがくせいのララちゃんもいますので、みなさん仲良なかよくしてくださいね」

「「「はーい」」」


 先生せんせい海外かいがいとかしんじているんだろうか。

 一応いちおうエルフであることははなしていないが、どっからどうてもララちゃんのおみみはエルフそのものだ。


「それでは自己じこ紹介しょうかいをおねがいします」


 順番じゅんばん自己じこ紹介しょうかいをしていく。


遠国えんこく春香はるかです。帰宅きたくです。よろしくおねがいします。景都けいととは幼馴染おさななじみです」


 そうそうハルカも帰宅きたくなんだよな。

 おれ以上いじょう頻繁ひんぱんにエリカのところへかよっていたせいだ。


「アルクメニスタン出身しゅっしんのラーラミン・ハイッペロット・トワイライトです。ララちゃんってんでください。みんなそうぶですぅ。帰宅きたくですぅ」


 そういえばそんな設定せっていだったな、とおもしてみる。

 よくおぼえていたな。

 まあララちゃんは記憶力きおくりょくもいいんだっけ。

 日本語にほんご漢字かんじもすぐおぼえたみたいだし。


山女やまめ景都けいとです。帰宅きたくです。ララちゃんがかりをしています。よろしく」


 一瞬いっしゅんわらいがきる。

 ララちゃんがかりはいいみょうだ。

 わざわざわなくてもおな学年がくねんならだいたいっているとおもう。

 でも一応いちおうアピールしておくといいこともあるかもしれない。


 クラスのかかりなどをめていく。

 おれたちはとくかかりなどにはならなかった。

 アキラも今年ことしほかひと学級がっきゅう委員いいんをやってくれたので免除めんじょされていた。


 初日しょにち午前ごぜんちゅうのみでさっさとかえる。


てみてツクシ」

「おおぉ、ほんとだ」


 このへんにはまだんぼがのこっている。

 そのあぜみちのところにツクシがならんでいくつもえていた。


「これがツクシですかぁ」

「そうだよ、こうやってつつくと」


 おれがツクシのあたまをデコピンの要領ようりょうでつつく。


花粉かふんぶでしょ」

「はいっ」


 うんうん、こういう長閑のどか話題わだいもたまにはいい。


「このスギナのはななんだ」

「へぇ全然ぜんぜんかたちちがいますね。でもこの王冠おうかんみたいな部分ぶぶんてますぅ」

「そうだね、さすがララちゃんするどい」


 だいぶあたたかくなってきた。

 それにしたがってふくうすくなりララちゃんのおっぱいがぽよんぽよんすると。


 チューリップもいてきたし、アブラナ花々はなばなもよくられるようになった。

 今年ことしはあまりゆきらなくて暖冬だんとうでよかった。

 もう上着うわぎもいらない。

 はるワンピースとかているおんなるとホッとする。


「なあララちゃん」

「なんですかぁ」

部活ぶかつとかやってみる?」

部活ぶかつですかぁ」

「うん」


 今年度こんねんどからはエリカも病院びょういんかよわなくていいらしいし時間じかんあまる。

 なにかやってみてもいいんじゃないかとおもったのだ。


「そうですねぇ、まだ大丈夫だいじょうぶですよね」

「うん。申請しんせい期間きかん五月ごがつまでだから」


 四月しがつちゅう一応いちおう期限きげんだ。ただしそのままはいらないでごして途中とちゅう入部にゅうぶとかもできるので実際じっさいには期限きげんはない。


「スポーツは苦手にがてだと学習がくしゅうしましたぁ」


 そういって自分じぶんむねげる。

 おっぱいがぽよんぽよんしている。

 おおぉぃぃ、下校げこうちゅう男子だんしたちの視線しせんがララちゃんに集中しゅうちゅうする。

 たしかにスポーツには不向ふむきだろう。これれば一発いっぱつかる。

 想像そうぞうできないほうがどうかしてる。


「じゃあ文系ぶんけいですかぁ?」

たとえば新聞しんぶん季節きせつ記事きじとかもけるよ。月刊げっかん壁新聞かべしんぶんがあるんだ」


 いまではパソコン製作せいさくになったが壁新聞かべしんぶんがある。

 四月しがつまって入学にゅうがくしき記事きじげていた。あそうそう、ちいさくだけどうちのいもうと紹介しょうかい記事きじもある。病院びょういん生活せいかつからの奇跡きせき復活ふっかつってやつ。

 おれいもうと職員しょくいんしつでは有名人ゆうめいじんだ。

 あとは新任しんにん先生せんせい紹介しょうかいとかもあった。きなものとか得意とくいなこととかがいてあって、ちょっと先生せんせいくわしくなれるので意外いがい人気にんきだ。


「パソコン。えっとうちのパソコン電子でんし新聞しんぶんみたいなかんじで公式こうしきサイトで情報じょうほう発信はっしんをしてるんだ」

「あぁそれ面白おもしろそうですぅ」

新聞しんぶんとも提携ていけいしてて壁新聞かべしんぶん電子でんしばんくばってる」

「へぇ」


 だれそれがなにしょうったとかも記事きじになる。

 意外いがい創作そうさく活動かつどうとかをしているひとおおい。去年きょねん記事きじ一番いちばんびっくりしたのは大手おおてライトノベルの公募こうぼきんしょうって書籍しょせきしたひとがいる。

 現役げんえきライトノベル作家さっかとかめちゃくちゃカッコイイ。

 ただ肝心かんじん名前なまえわすれた。

 おれたちもララちゃんの異世界いせかい生活せいかつとかそのまま日記にっきみたいなものをおもしてもらって冒険者ぼうけんしゃ生活せいかつ小説しょうせつこしたらヒットするかもしれない。


「ああ小説しょうせつとかいてる文芸ぶんげいとかもあるよ。ファンタジーにくわしい」

「いいですね。ファンタジー」


 もちろんエルフにもくわしい。ララちゃんのほうが絶対ぜったいくわしいけど。

 こうしてしばらく文芸ぶんげいかよってみることになった。

 さてさてそれから日曜日にちようび今度こんどはるといえば桜祭さくらまつりがある。


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