第24話 エルフちゃんと市民プール

だい24 エルフちゃんと市民しみんプール


 埼台さいだいにも市民しみんプールがある。

 だいぶ年季ねんきはいっているが、改修かいしゅう工事こうじもしばしばしていて、去年きょねんには最新さいしんながれるプールが完成かんせいして人気にんきはくしていた。

 今年ことしもきっとひとおおいとおもう。なんといっても入場にゅうじょうりょうやすいのがりだ。なんでも売店ばいてんなどのげがけっこうあるため、それでももうかってるとかなんとか。


「ということで市民しみんプールへこう」

「はいっ、またおよいじゃいますぅ」

わたしながれるだけにしようかな」

一緒いっしょにいっぱいながれましょうねぇ」

「うん」


 なんだかあまりではないハルカをよそに、ララちゃんは積極的せっきょくてきだ。

 あるくのも面倒めんどうなのでバスをちょちょっとって市民しみんプールまえりる。

 市内しない循環じゅんかんバスができて時間じかん間隔かんかく十五じゅうごふん一本いっぽん利用りようしやすくなって便利べんりになった。

 そのかわり市外しがいなどとおくのほうくバスは本数ほんすうらされてしまってお年寄としよりはすここまっているとかいたことがある。

 アキラは夏期かき講習こうしゅうがあるとかでおやすみになっております。


「プールですぅ。プール、プール、プールぅ」

「ララちゃん今日きょうはご機嫌きげんだね」

「はいですぅ。ケートくんにおよめさんにしてもらえるようにいっぱいアピールしちゃいますよぅ」

「お、おう」


 そういう冗談じょうだんうようになったか。なかなかやる。

 まあなんというか元気げんきになってきたなら結構けっこうなことだ。


景都けいとにアピールって無言むごんっててもかなりのアピール部位ぶいがあるのに」


 ぼそりとハルカがう。

 まあその、なんだ、このまえから微妙びみょうにエルフかんのあるみどり水着みずぎそれもビキニのメロンちゃんがアッピールしまくってるからね。

 ハルカだってそこそこのアピールりょくだから他人たにんのことはえないだろうに。


着替きがえてきますね、またあとで」

「ああ、いってらっしゃい」


 男女だんじょべつ更衣こういしつはいる。

 近年きんねんになってなおした更衣こういしつはい管理棟かんりとうがあるので、うみいえにくらべると格段かくだんにいい環境かんきょうだった。

 男子だんし更衣こういしつでさえひろくてあかるい。

 シャワーもあたらしいのがついていてかがみやトイレ、使つかいやすいロッカーなどもある。

 これなら女子じょし更衣こういしつもかなりの出来できだろう。

 おれはそそくさと水着みずぎになってプールサイドへとかった。


「おたせしましたぁ」

「くぅ」


 ハルカがすでに脅威きょうい格差かくさ社会しゃかいでダメージをけているが、しかたがない。


二人ふたりとも今日きょう似合にあっているよ」

「やったぁ」

「ありがと」


 おな水着みずぎなのでこれといってちがいはない。

 単純たんじゅんうなら、おっぱいがね、すごいね。

 じつえばひもビキニなのでしたもかなり面積めんせきちいさくて結構けっこうきわどい。おれおんなだったとして、こんなのるところを想像そうぞうしたらずかしくなってしまいそうなくらいだ。

 それでもおんなはこういうふくるんだから大変たいへんだ。


「ポテトいましょう」

「おう」


 そうってみんなでさっそくポテトのれつならぶ。

 ここのポテトはもうながいことやっていて老舗しにせのレベルなんだけど、一部いちぶひとたちに美味うまくてりょうおおいとして有名ゆうめいだった。


「はいフライドポテト、ひとつ」

「ありがとうございます」


 電子でんしカードでちゃちゃっとはらう。

 おれちいさいころは小銭こぜにだったがいまではここもカード一枚いちまいむ。

 ズボンのポケットにカードれておけばいいだけだかららくだ。


「あつあつ、美味おいしいですぅ」

「いつてもサックサクね」

「ああ、あのおっちゃんはベテランだからな。おれちいさいころからおなひとだ」


 ポテトが美味うまい。

 みずあそびにたことをわすれそうになるくらいだ。


「さてあらったし、およごうか」

「はい、ながれましょう」

「うん」


 一人ひとり一台いちだい大型おおがたりてそれにおしりせる。

 そうしてプールでながれていく。

 ララちゃんのちかくにいるとくことがある。それは視線しせん

 おれだけやハルカと一緒いっしょにいるときもしばしば視線しせんけられてきた。

 でも段違だんちがいにララちゃんといると視線しせんさる。


 たまにれるとララちゃんのおっぱいもれてぼいんぼいんとなる。

 おとこたちのあつ視線しせんがそれにせられるのがなんだかハエりホイホイみたいなかんじがある。あのコバエがせられるのにている。

 おとこたちはそろってはなしたばしているのでよくかる。

 あー本当ほんとう感情かんじょうってかおるんだな、というのもなさけないものだ。

 まあね。おれもさすがにメロンがながれてきたら注目ちゅうもくするとおもう。


「うぉおおおおおおお」


 おれたちは順番じゅんばんにウォータースライダーをすべっていた。

 まずさきおれ。そしてララちゃん、最後さいごにハルカだ。


 ざぶぅーーん。


 したまでりるとちいさいプールがあるのでそこに着水ちゃくすいする。


 そしてララちゃんがりてくる。


 ざぶぅーーーん。


「きゃああ」


 うぉおおとララちゃんが両手りょうてむねさえている。

 ひもれてしまったらしい。

 おれあわててる。


大丈夫だいじょうぶ?」

「はい。でもひもれちゃって」

正面しょうめんってるからいまのうちに」

かりましたぁ」


 ララちゃんがおれかくれながら背中せなかひもしばる。

 ふうぅ、なんとかもともどせたようだ。

 まえほう位置いち微調整びちょうせいしていた。あまりひとにはせたくない。

 ララちゃんのおっぱいが大公開だいこうかいとかになったら、さすがのおれくるしい。


「あの、ありがとう、ケートくん。うれしいですぅ」

「なに、なにもしてないさ、ってただけだよ」

「それでも、心配しんぱいしてくれて、うれしかったですぅ」

「まあな」


 そうってギュッていてくる。

 おうぉおおおお、おっぱい、ほぼなまのおっぱいがじかたってる。

 ワザとやってるんだろうけど、すごい衝撃しょうげきだ。

 めちゃくちゃやわらかい。なんだこれ。地球ちきゅうじょう物質ぶっしつじゃないみたいで。

 そういえばララちゃんのおっぱいは本当ほんとう地球ちきゅうじょう物質ぶっしつじゃないかもしれないんだった。がっでむ。

 おれは、この最大さいだい衝撃しょうげきけた。


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