[総ルビ]留学生は同棲JKエルフちゃん

第11話 エルフちゃんとソフトクリーム

■第（だい）１１話（わ）　エルフちゃんとソフトクリーム

　今日（きょう）も放課（ほうか）後（ご）になった。

　ララちゃんは幼馴染（おさななじみ）のハルカと仲良（なかよ）くなってくれた。

　ということで三人（さんにん）で集（あつ）まって今日（きょう）の予定（よてい）を決（き）める。

　部活（ぶかつ）の勧誘（かんゆう）は昨日（きのう）とは違（ちが）って今日（きょう）はいないようだ。

「このあとどうする？」

「私（わたし）はケート君（くん）にお任（まか）せするですぅ」

「私（わたし）も景都（けいと）が行（い）きたいとこあれば」

「そう？　じゃあありきたりだけどコンビニ寄（よ）ってくか、ソフトクリームが食（た）べたい」

「はいですぅ」

「いいよ」

　ということで学校（がっこう）内（ない）では上位（じょうい）の美少女（びしょうじょ）、俺（おれ）の幼馴染（おさななじみ）と、絶世（ぜっせい）の美少女（びしょうじょ）ララちゃんをお供（とも）に連（つ）れて歩（ある）いていく。

　うん、以前（いぜん）にもまして注目（ちゅうもく）されてしまっている。

　こればかりは両手（りょうて）に花（はな）だしな、あいつもげろ、とか思（おも）われていそうだ。

　本当（ほんとう）に思（おも）われてそうで、ちょっと笑（わら）ってしまう。

　左右（さゆう）からおっぱいが迫（せま）ってくる。

　ハルカは前（まえ）はこんなにぐいぐいこなかったのに右側（みぎがわ）から俺（おれ）にくっついているララちゃんを見（み）て、自分（じぶん）も意識（いしき）してしまったのだろう。

　私（わたし）もおっぱい押（お）し付（つ）けなきゃってなるのか……女（おんな）の子（こ）は何（なに）考（かんが）えているか分（わ）からんな。

　左（ひだり）見（み）てぽよんぽよん。右（みぎ）見（み）てばるんばるん。

　おほほほ。

　頭（あたま）の中（なか）はすでに空（から）っぽだった。あぁ極楽（ごくらく）ぅもう何（なに）も考（かんが）えられない。

　そうこうしているうちにコンビニに到着（とうちゃく）した。

「すみません、あのアイスクリームください。俺（おれ）、うーんと、バニラ」

「私（わたし）はえっと、ストロベリー」

「私（わたし）もどうしよう。イチゴ、イチゴ味（あじ）。ストロベリーくださいぃ」

「俺（おれ）のおごりでいいよな。あと、ホットヒトクチチキン一（ひと）つ」

　ささっと電子（でんし）マネーで支払（しはら）う。

　ララちゃんはちょっと迷（まよ）ったみたいだけど結局（けっきょく）イチゴ味（あじ）だ。

　俺（おれ）だけバニラ派（は）だったか。

　まあ分（わ）かるよ。あのディスプレイされた真（ま）っ赤（か）なイチゴの実（み）の写真（しゃしん）見（み）たら食（た）べたくなる。

　ヒトクチチキンはヒトクチサイズのナゲットが五（ご）個（こ）入（はい）っているが今（いま）は増量（ぞうりょう）で六（ろ）個（こ）入（い）りだった。

　一人（ひとり）二（ふた）つ食（た）べれてお得（とく）だ。

「番号札（ばんごうふだ）十五（じゅうご）番（ばん）のかた、お待（ま）たせいたしました」

「ありがとうございます」

「「ありがとうございます」」

　みんなでぺこりんちょして受（う）け取（と）る。

「いただきます」

「「いただきます」」

　コンビニの隣（となり）にある西山（にしやま）公園（こうえん）のベンチに移動（いどう）してアイスクリームを食（た）べる。

「うん、美味（おい）しい」

「わっ、わぁ、冷（つめ）たくて甘（あま）くて美味（おい）しいぃ、イチゴの風味（ふうみ）もいいですぅ」

「ね、美味（おい）しいね」

　ペロペロッとアイスクリームを食（た）べる。

　そうしていると、ララちゃんの目（め）が俺（おれ）のバニラを凝視（ぎょうし）していた。

「え、ララちゃん、バニラも食（た）べたいの？」

「はい、気（き）になってしまって」

「はい」

　俺（おれ）の食（た）べかけだけど、ララちゃんに渡（わた）す。

　ララちゃんがペロンとアイスクリームを食（た）べる。

　あっ……これも一種（いっしゅ）の間接（かんせつ）キスでは。

　ドキドキしてきた。

　童貞（どうてい）の俺（おれ）の恋愛（れんあい）スキルは底辺（ていへん）を這（は）っている。

　横（よこ）でニコニコして見（み）ている幼馴染（おさななじみ）のハルカとだって記憶（きおく）の範囲（はんい）では、こんなことしたことがない。

　というかハルカと二人（ふたり）で食（た）べるときは同（おな）じ味（あじ）を頼（たの）む確率（かくりつ）が高（たか）いので、こういうことは起（お）きない。

「バニラの風味（ふうみ）がいいですね。これがバニラなんですねぇ」

「ああ……」

　ララちゃんにぺろりんちょされたアイスクリームを返却（へんきゃく）されたけど、これ俺（おれ）が食（た）べるのか。

　ララちゃんの食（た）べかけだぞ。

　家族（かぞく）だとはいえハルカも見（み）てるのに。

　俺（おれ）は顔（かお）に血（ち）が上（のぼ）ってくるのが分（わ）かる。ハルカもなんだか視線（しせん）を泳（およ）がせている。

　平気（へいき）そうなのはララちゃんだけだ。

　意（い）を決（けっ）して続（つづ）きを食（た）べる。

「へへへ、どっちも美味（おい）しいです」

　食（た）べかけを食（た）べたのに、別（べつ）になんともなかった。

　よく考（かんが）えたらそりゃ別（べつ）に何（なん）ともないに決（き）まっているが、精神的（せいしんてき）な障壁（しょうへき）はある。

　ハルカの視線（しせん）はさっきから俺（おれ）とララちゃんの間（あいだ）を行（い）ったり来（き）たりしている。

　こいつも初心（うぶ）だからな。

　俺（おれ）が経験（けいけん）ないんだから当然（とうぜん）、このハルカちゃんにも経験（けいけん）はないのだろう。

　他（ほか）の男（おとこ）とラブラブした経験（けいけん）があったら俺（おれ）はショックだがそうではなさそうだし。

　そして甘（あま）いものを食（た）べたら、次（つぎ）はホットヒトクチチキンの出番（でばん）だ。

「うん、うまい、はい。二（ふた）つずつだから」

「ありがとう、景都（けいと）」

「ありがとう、ケート君（くん）」

　二人（ふたり）から笑顔（えがお）のお礼（れい）を言（い）われて俺（おれ）はむず痒（がゆ）い。

　こんなことで点数（てんすう）取（と）れるなら安（やす）いものだ。

「ちょっと辛（から）いけど美味（おい）しい」

「だよね、あ私（わたし）一（ひと）つでいいから景都（けいと）は三（みっ）つ食（た）べていいよ」

「そうか？　さんきゅ」

「ううん」

　ペロっと辛（から）そうにハルカが舌（した）を出（だ）す。

　ハルカは辛（から）すぎるのは苦手（にがて）らしい。これはそこまでではないが二（ふた）つ連続（れんぞく）で食（た）べると思（おも）ったより辛（から）かったりする。

　肉（にく）の旨味（うまみ）と程（ほど）よい辛（から）み。こういうのこそホットスナックって感（かん）じで俺（おれ）はかなり好（す）きだ。

　チキンは脂（あぶら）が少（すく）なめでさっぱりしており食（た）べやすい。

　醤油味（しょうゆあじ）かコンソメ味（あじ）どちらかのヒトクチチキンも買（か）ってくるべきだったか。

　小腹（こばら）はソフトクリームも食（た）べたから落（お）ち着（つ）いているけれど、満足感（まんぞくかん）からするともう少（すこ）し食（た）べたくなってくる。

　高校生（こうこうせい）くらいだとお昼（ひる）を食（た）べてさらにおやつが欲（ほ）しくなるものだもの。

「美味（おい）しかった。ごちそうさま」

「「ごちそうさまでした」」

　高校生（こうこうせい）は買（か）い食（ぐ）いくらいは黙認（もくにん）されている。

　家（いえ）の近所（きんじょ）まで戻（もど）ってきた。

「じゃあ、ハルカ、また明日（あした）」

「じゃあね」

「ばいばいですぅ」

　手（て）を振（ふ）ってハルカと別（わか）れて俺（おれ）とララちゃんで家（いえ）に戻（もど）った。