パラレルワールドの秘密

強調の章《波動協奏曲》

　ゆかりの指導のもと、私たちは波動の操作を学び始めた。

　毎朝、ゆかりのオフィスに集まり、瞑想を通じて自分の波動を感じ取り、調整する方法を練習した。はじめは難しかったが、次第に波動を感じ取ることができるようになった。

　ある日、私たちは波動の研究をしている登山家、牧村直己と出会った。

　彼は波動に関する古代の知識を持っていた。

「あなたたちの探している答えは、もっと深い場所にあります」

　と直己は言った。

「波動はただのエネルギーではなく、意識そのものなのです」

「意識そのもの？」

　私は驚いた。

「それはどういう意味ですか？」

「波動は私たちの内なる意識と外界のエネルギーが共鳴することで生まれるのです」

　と直己は説明した。

「この共鳴を調整することで、パラレルワールドの扉を開けることができるのです」

　直己の指導のもと、私たちは波動を協奏曲のように調整し、異なる周波数に合わせる練習を始めた。ゆかりが持つ音叉を使い、私たちは一つ一つの音に耳を傾け、その振動を感じ取ることを学んだ。

「この音を感じて」

　とゆかりが言い、音叉を鳴らした。

「この振動を意識の中に取り込み、心の中で共鳴させるのです」

　私は目を閉じ、その音に集中した。次第に、音の振動が体中に広がり、波動が変化していくのを感じた。私の心は次第に静まり、波動が一つの調和を成し遂げていく感覚が広がった。