パラレルワールドの秘密
夢ノ命
スタートの章 《スタートデイズの始まり》
私は山野道夫。ブログでは美を奏でる作家と名乗っている。
この世界では、今、パラレルワールドという言葉が大流行している。
そして、「会える人」と「会えない人」が分かれていく現象が起こり始めている。
知人が旅行に出たきり帰ってこなかったり、朝目覚めたら隣人が引っ越していたりする。会社に通勤に出たきり帰らない夫や、買い物から戻ってこない妻、公園で遊んでいたはずの子どもたちが姿を消したり……いったい、今、世界に何が起こっているのか?
その日、私はいつものカフェでアカシックリーダーの宮本亜希子と会うことにした。カフェの大きな窓から差し込む朝の陽光が、彼女の顔を柔らかく照らしていた。
「亜希子さん、最近のこの現象、何かわかりますか?」
私はカフェのテーブル越しに問いかけた。亜希子の目には深い知識と理解の光が宿っていた。
「これはパラレルワールドが重なり合い、波動が変わっている現象です。私たちの世界と他の世界が交錯しているのです」
と亜希子は穏やかな声で答えた。その声には不安をやわらげる力があった。
「どうすればこの現象を解明できるんでしょうか?」
私は心配そうにたずねた。心の奥底では、これまでの日常が戻ることを切に願っていた。
「波動カウンセラーの竹田ゆかりに相談しましょう。彼女は波動の専門家ですから、何か手がかりが得られるかもしれません」
亜希子はスマホを取り出し、ゆかりに連絡を取った。
その夜、私は自宅の書斎でブログを書きながら、亜希子の言葉を思い返していた。
パラレルワールド、波動、意識……これらの概念が一体どのようにつながっているのか、私の頭の中で混沌とした思考が巡っていた。
窓の外では、風が木々を揺らし、夜の静寂が広がっていた。
数日後、ゆかりと私たちは彼女のオフィスで会った。ゆかりは落ち着いた表情で私たちを迎え入れ、波動の基本を教え始めた。
彼女のオフィスは、心を静める音楽と香りで満たされていた。
「波動はエネルギーです。私たちの意識や感情が波動として現れ、それが周囲に影響を与えるのです」
とゆかりは説明した。彼女の言葉には深い理解と確信が感じられた。
「具体的にどうやって波動を操作するんですか?」
私は興味津々でたずねた。新しい知識を吸収しようとする気持ちが強く湧き上がっていた。
「瞑想や意識の集中を通じて、自分の波動を高めることができます」
とゆかりは答えた。
「まずは心を落ち着け、呼吸を整えることから始めましょう」
彼女の言葉を聞きながら、私は心の中で静かに決意した。
私たちは、この奇妙な現象の真相を解き明かすために全力を尽くす必要がある。
仲間たちとともに、この未知の世界に足を踏み入れ、答えを見つけ出すのだ。
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