29.タコ戦

◆29.タコせん


 わたしたちは草原そうげんでタコがたモンスターと戦闘せんとうちゅうだ。


 普段ふだんなら、サクラちゃんがたておさえながら、みんな攻撃こうげきするところだ。

 しかし「美味おいしそう」とりには、気持きもわるがっていて、たて接近せっきんすることをこばんだ。


「タコさんはたてはやめましょう。きっとられてしまいますわ」


 それも一理いちりある。

 サクラちゃんとクルミはけんやりって、触手しょくしゅ切断せつだんしようと奮戦ふんせんしている。

 わたしはアイスブリーズがくようなので、なが詠唱えいしょうとなえてこおらせてうごきをめさせる。


 タコはクルミのやり攻撃こうげきをぎりぎりでかわして、やり穂先ほさき触手しょくしゅからませた。

 つぎ瞬間しゅんかん電撃でんげきエフェクトを全身ぜんしんはっして、やりづたいにクルミを感電かんでんさせてきた。


 クルミはビクンとなってひざをついた。


「うぉー。ビリビリしてるよ~。てなくなっちゃった」


「なんとかしなければ、いけませんわ」


 サクラちゃんが、おもってたてをストレージにしまった。

 片手かたてけんを、すごいスピードでまわしている。


 なんか、別人べつじんみたいにサクラちゃんからすごい気迫きはくかんじる。


乙女おとめのピンチですわ」


 それ、このまえいたぞ。しかもオオカミにころされたときだ。

 わたし必死ひっしに、アイスブリーズで攻撃こうげきする。


 感電かんでん効果こうかおもったよりながかった。

 クルミの復活ふっかつまで一ぷん程度ていど必要ひつようだった。


 復活ふっかつしたクルミは、やりかまえなおして、三連撃れんげきを、今度こんど触手しょくしゅではなく、ちかくのあたま攻撃こうげきする。


 タコがえて、ひるんでいた。


「ふー。タコっぱちの弱点じゃくてんあたまへの攻撃こうげきみたいだ」


 サクラちゃんもクルミと連携れんけいして、タコのあたまねらうが触手しょくしゅ邪魔じゃまだった。


 わたしがアイスブリーズを詠唱えいしょうきでとなえて、タコが硬直こうちょくしたタイミングで、前衛ぜんえい二人ふたりあたまねらって攻撃こうげきした。


 ついにタコは、ばしていた触手しょくしゅ地面じめんせて死亡しぼうしたようだ。

 しんてき恒例こうれい、ドロップ確認かくにん


 ●平原へいげんタコの

  タコのなまでもべられるがあまりおすすめはしない。

  種別しゅべつ素材そざいもの

  レア:1  ランク:2

  満腹まんぷく:50回復かいふく


 ●魔物まものかく

  錬金れんきん素材そざい魔物まもののエネルギーが凝縮ぎょうしゅくされている。

  種別しゅべつ素材そざい

  レア:3  ランク:2


 加工かこうれいによって、タコの串焼くしやきとか、タコのほしとかだろうか。

 そういえば、オオカミのにくもかなりのこっている。くさらないといいけど。


 弱点じゃくてんかれば、対処たいしょはしやすい。

 それとたてでガードすると、たぶん電撃でんげきらうのでダメだろう。

 サクラちゃんの予想よそうとはすこちがったけど、行動こうどうただしかったのだ。


 オオカミもたおしたし、テンタクルも余裕よゆうだろうとおもって、情報じょうほう収集しゅうしゅうおこたっていたのだ。

 気持きもわるいとかはたが、掲示けいじばんをすべてむと時間じかんがかかるから、ななみしていた。


 そのあとも、単独たんどくのタコを何匹なんびきこおらせて、あたまねらって攻撃こうげきした。

 魔物まものかくは、最初さいしょの一ぴき以来いらい、一つもとさなかった。どうやらレアわくのようだ。

 錬金れんきん素材そざいなら、村長そんちょう領分りょうぶんなのかな。でも錬金れんきん薬師くすしちがうよな。


 わたし魔法まほうは、ターゲットは思考しこう操作そうさ指定していしているだけで、どこの場所ばしょてるかまで正確せいかくなコントロールはいまところできていない。


 すこはやめにげて、タコ地帯ちたいとプリン地帯ちたい中間ちゅうかんにある、いし遺跡いせきみたいなセーフティーエリアにった。


 ストレージからまきしてをつける。

 タコをいてみよう。

 これが本当ほんとうのタコきだ。


 料理りょうり「タコの串焼くしやき(しお胡椒こしょう)」と「タコのほし(塩味しおあじ)」が完成かんせいした。


 串焼くしやきは三つだけ。

 れいによってタコの一つを一口ひとくちだいり、てつくししてあぶった。


 のこりは全部ぜんぶものにした。


「わー。串焼くしや美味おいしいね。しダコもビールにあいそう」

淡白たんぱくなうまと、甘味あまみがありますわね」


 ウサギもいいけど、タコも結構けっこうおいしい。よかった。


 これなら、まだれるユーザーもすくないし、商売しょうばいになるぞ。


 そうそう、ついでにオオカミのにくいてみたけど、感想かんそう以下いかとおり。


「なんか、にくがパサパサしてかたがする。ウサギのほうき」

やわらかくするした処理しょりと、旨辛うまからのタレが必要ひつようそうな、そんな、がいたします」


 オオカミにくまだのこってるんだよね。どうしようかな。


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