12.渋くないポーション

◆12.しぶくないポーション


 今日きょう目標もくひょうはもうめてある。それは「しぶくないポーション」の作成さくせいだ。

 村長そんちょういえにお邪魔じゃまして、研究けんきゅうはげ予定よてい


 中央ちゅうおう広場ひろばったら、今日きょうはさっそくすみほうで、おにくをゴザのうえならべて、天日てんぴしに挑戦ちょうせんするユーザーが何人なんにんかいらっしゃった。

 作業さぎょうてるとたんに、にくをナイフでっただけで、しおとか使つかってないみたい。

 それだとあじがいまいちになっちゃうよ~とおもいつつ。

 アドバイスすると目立めだつのでやめておく。みんなごめんね。


 塩味しおあじのウサギの干肉ほしにくは、明日あしたあさにはきっと普及ふきゅうはじめるんだろう。


 村長そんちょうのおうち到着とうちゃくした。さっそく、研究けんきゅう開始かいし

 クルミとサクラちゃんはてるだけで、二人ふたりりにっちゃったりしないようだ。


 まず試作しさくひん一号いちごう砂糖さとうれてみた。

 東南とうなんアジアでは、砂糖さとうりウーロンちゃ主流しゅりゅうらしい。きっとソレみたいなあじになっている。とおもいたい。

 クルミに試飲しいんさせてみる。


「うえー。あまいんだけど、しぶみはそのままだ。美味おいしくはない」


 失敗しっぱいだったようだ。わたし失敗しっぱいしても、めげないおんな頑張がんばるぞ。


 つぎつくったのは、っぱをすりつぶさないで、そのままれたものをつくってみた。

 いろ普通ふつうのよりだいぶうすい。


「うーん。しぶみはったけど、単純たんじゅんうすくなっただけじゃない?」


 効果こうか調しらべると、HP回復かいふくりょう半分はんぶんの25になっていた。


 じっと様子ようすていた、サクラちゃんがこえけてくる。


「おちゃって、六十ぐらいのおれると、しぶみがおさえられるっていませんか」

「そうなの?」

「はい。カフェインが高温こうおんけるとかきましたわ」

「それじゃあ、やってみよう」


 さっそく、一度いちど沸騰ふっとうさせたおを、六十ぐらいになるようにましてから、薬草やくそうれ、抽出ちゅうしゅつしてみる。

 いろ若干じゃっかんうすかんじだ。またクルミに試飲しいんさせる。


「おー。たしかにしぶみがおさえられてる。すごいー」


 ●5きゅうポーション(しぶひかえめ)

  HPが回復かいふくする。通常つうじょうよりしぶみがおさえられていて、みやすくなった。

  種別しゅべつ:ポーション、もの

  レア:2  ランク:3

  HP回復かいふく:1ぷんで60上昇じょうしょう

  満腹まんぷく(水分すいぶん):4上昇じょうしょう


 ランクが3になったからか、HP回復かいふくりょうが10おおいよ。


「ミケさん、やりましたわね」

「うん。できちゃったね」


 予定よていよりはやくできて、時間じかんいてしまった。

 追加ついか実験じっけんをする。「ポーション濃縮のうしゅく作戦さくせん」だ。


 まず、比較ひかくよう普通ふつうの5きゅうポーション二つぶんを、お半分はんぶんになるまでにかける。

 つぎに「しぶひかえめ」をおなじように、にかける。


 するとどうでしょう。いろい4きゅうポーションと、普通ふつう緑色みどりいろの4きゅうポーションができた。

 試飲しいんは、れいによってクルミ先行せんこうである。

 クルミは、ごくっとのどらしてから、ヤバそうなほういろいほうからんでみる。


「げー。これはないわ~。これはきついわ~」


 すぐさま、もういっこのほうをんでみる。


「はー。かえる~。しぶみはあんまかんじない。むしろすこあまみがあるぅ」


 とのこと。


 ●4きゅうポーション

  2ばい濃縮のうしゅくしぶみも2ばいだよ。

  種別しゅべつ:ポーション、もの

  レア:2  ランク:3

  HP回復かいふく:1ぷんで120上昇じょうしょう

  満腹まんぷく(水分すいぶん):4上昇じょうしょう


 ●4きゅうポーション(しぶひかえめ)

  2ばい濃縮のうしゅく通常つうじょうよりしぶみがおさえられていて、みやすくなった。

  種別しゅべつ:ポーション、もの

  レア:2  ランク:3

  HP回復かいふく:1ぷんで120上昇じょうしょう

  満腹まんぷく(水分すいぶん):4上昇じょうしょう


 まだ、ゲームははじまったばかりなので、120も回復かいふくりょう不要ふようだ。

 しかし、いずれ必要ひつようになってくるんだとおもう。

 ゲロまずポーションはちょっと常用じょうようしたくない。



 今日きょう西にしのデルタまち方面ほうめんってみよう。


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