3.ログイン

◆3.ログイン


 浮遊ふゆうかんがなくなると、むら広場ひろばなかっていた。

 むら家々いえいえ木造もくぞう屋根やねいたブキ、まどだった。

 まわりにも、何人なんにん男性だんせいがいる。

 そのうちの一人ひとりこえけてきた。


きみなにちゃん? 可愛かわいいね。ひまそうだから一緒いっしょ冒険ぼうけんしない?」

「いえ、友達ともだちっているので」

「でも、いまひまそうじゃん」

「すぐるとおもいます」


 わたしつよめにうものの、まだがらない。

 そこに水色みずいろがみのエルフの男性だんせいんでた。


「ちょっと失礼しつれい、そのひとわたしいなので、おたせしてすみません」


 エルフは名前なまえを「リング・ウッド」と名乗なのった。


「リング・ウッドさん? ああ、先生せんせい!」

「そういうこと。リングくんんでください」

「ちっ」


 責任せきにんしゃ丸木まるき先生せんせいだった。

 ナンパおとこ舌打したうちをしてってった。


おれ視察しさつにちょくちょくログインするから、よろしく」

「はあ、そうですか」


 そのあととくにしゃべるわけでもなく、二人ふたりった。


 まえに、黒髪くろかみロングのった。

 すぐさくらちゃんだとかった。

 ほかひとこえないようにちいさめでこえける。


「やあ、さくらちゃん」

「あらあら、真美まみさん?」

「そうだよ。わたしは『ミケ』魔法まほう使つかいにした」

「ワタクシは『サクラ』。たてキャラにしてみましたわ」

本名ほんみょうプレイとはおそります」


 サクラちゃんはヒューマンで、おもめのかわよろい大盾おおたて装備そうびしている。

 しばらくしゃべっているあいだに、みくるがやってきた。


「わたしは『クルミ』やり使つかい。てきしまくるぞ。ぶはははは」


 みくるあらためクルミもヒューマンで、かるよろい装備そうびしている。

 丸木まるき先生せんせいともども、フレンド登録とうろくませる。


「ではおれくよ。みな基本きほんログアウトできないけれど、ログアウト機能きのう自体じたいんでないから安心あんしんしてください」

「わかりました、さようなら」


 丸木まるき先生せんせいをひらひらりながらどこかへっていった。


「なにしよっか。普通ふつう冒険ぼうけんしゃギルドとかって、クエストけるんだろうけどもね」


 わたし疑問ぎもんくちにした。

 むら規模きぼはかなりちいさい。正直しょうじきギルドがあるようにおもえない。


「はー。なんとかなるっしょ。とりあえず村人むらびとつかまえて、村長そんちょういえとかけばいいんじゃね」

「そうしましょうか」


 クルミは適当てきとうなことをうが、サクラちゃんも同意どういしたので、そうする。

 わたしたちは村人むらびとつかまえて、村長そんちょういえたずねる。

 クルミは、しゃべるとき「あー」とか「うー」とかけるくせがある。

 サクラちゃんは、お上品じょうひんかんじにしゃべる。


「ようこそ、おいでくださいました。かみ使つかいの冒険ぼうけんしゃさま」


 わたしたちはそれぞれ名乗なのる。村長そんちょうは「アブダヒデ」と名乗なのった。


「ちゃんと名乗なのったのは、おまえさんたちがはじめてじゃな。感心かんしん感心かんしん

「それで村長そんちょうさん。なに手伝てつだえること、ありませんか?」

「そうじゃな。薬草やくそうを十ほど、ってきてくださらんか? 北東ほくとうもりあかるいところえておりますじゃ」

「はい」

「ドクダミご存知ぞんじかの。それっぽいくさじゃ。よる危険きけんだからかえってくるといいですぞ」

「わかりました。失礼しつれいします」


 システムのホログラムに「クエスト:村長そんちょう薬草やくそう採取さいしゅ(0/10)」と表示ひょうじされている。

 いえ退出たいしゅつする。

 まずは、わたしはアイテムるい確認かくにんした。

 アイテムは、こしからぶらげているなぞ魔法まほうふくろはいっている設定せっていだ。

 すには、思考しこう操作そうさおこなえるらしい。


 ●初心しょしんしゃポーションx10

  しぶみがある。むと100%の効果こうかる。からだけた場合ばあいんだ場合ばあいの20%しか回復かいふくしないわりに即効そっこうせいがある。非売ひばいひん

  種別しゅべつ:ポーション、もの

  レア:1  ランク:1

  HP回復かいふく1分いっぷんで50上昇じょうしょう

  満腹まんぷく(水分すいぶん):4上昇じょうしょう

  利用りようしゃ制限せいげん:ミケ専用せんよう ※他者たしゃには効果こうかがない


 ●初心しょしんしゃ携帯けいたいしょくx10

  ぼそぼそしてほとんどあじがなく、不味まずい。非売ひばいひん

  種別しゅべつもの

  レア:1  ランク:1

  満腹まんぷく:30上昇じょうしょう

  利用りようしゃ制限せいげん:ミケ専用せんよう ※他者たしゃには効果こうかがない


 ●初心しょしんしゃ復活ふっかつやくx10

  仲間なかま死亡しぼうしたときに対象たいしょう使用しようすると、復活ふっかつさせることが可能かのう非売ひばいひん

  種別しゅべつ:ポーション

  レア:1  ランク:1

  他者たしゃ復活ふっかつ:HP+10

  利用りようしゃ制限せいげん:ミケ専用せんよう


 ポーションに満腹まんぷくいている。大量たいりょうむとおなかがいっぱいになるんだろう。

 さい使用しよう可能かのう時間じかんはないが、むための時間じかん必要ひつようだ。

 そして時間じかんたりの利用りよう上限じょうげん満腹まんぷく制御せいぎょされているようだ。


 つよさとかの数値すうち表示ひょうじされないけど自分じぶんのステータスを確認かくにんする。


 Lv:1

 HP:100/100

 MP:100/100

 満腹まんぷく:55/100

 満腹まんぷく(水分すいぶん):55/100


 装備そうび

  初心しょしんしゃつえ

  初心しょしんしゃのローブ

  初心しょしんしゃくつ

 スキル

  マジックボール:Lv1


 ちなみに、所持しょじきんはゼロだ。

 わたしたちはさっそく北東ほくとうもり薬草やくそうりにく。


「ねえ、ミケ、サクラ。ドクダミわかる?」

「それくらいならワタクシかりますわ」

わたしだってかるよ」

「おう、シスター。からないのは、わたしだけか。うがー」

つけたらおしえてあげる」


 クルミはドクダミをらないようだ。


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