三歩目『ウタ』

僕がこんなに

ウタを作ったって

君の心には少しも届かない


ある時、君が夢の中で言った

「好き」のオトに囚われて

僕はずっと

報われない言葉を

紡ぎ続けているんだ


君は見向きもしないけれど

誰かが好きと口にしてくれるよ


僕が自分をさらす程

君は

どんどん

遠ざかって

見えなくなって

手の届かないヒトに

なってゆく


それでも

僕には唄う事しか出来なくて

今日も

君を想って

届かない

この気持ちを編んでいる。



     Fin.





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