第20話追憶の雨上がり
雨を避け、公園の東屋で、稲妻を見て、独りきり
雨を避け、道を歩く、遠い、日差しに、憧れる。
離れた心の中で、一息ついて、ほっと、漏らす声に、まじる陰りの兆しが、思い出すあの日の雨、重なって、傘を閉じるまで、猫の横で待っている、冒険は終わらない。
わくわくする心模様に、雨模様が、水たまりになるまで青春を生きた確信に涼やかな夕風が、僕を励ます。
この場所で長いこと経っている何度目かの夕空が、悲しい眼をした少年の頃に帰ることを囁く道化師は、接吻の前に、何も言わないでと言って、僕に、希望をくれた。
失いたくないことは、たくさんあるけど、反芻する記憶に、別れを告げる口笛に草の揺れる一瞬の切なさを込めれば、自由自在の青空が、僕を殺した友情と恋の中で、抱きしめてくれる悩み多き年ごろ自死を想った、誰かの苦しみが、口笛とぬるい風に誘われるように僕を誘う。
今日はいい日だ。
生きている。
生命と躍動が、公園の緑に輝いて、水たまりの中で泳ぐアメンボの遊びに生きる勇気をもらう。
美しい追憶に浸るのは、もうやめよう。
でも、そうすることが、僕のハートをくすぐるから、死を想う理由に、阻むわけはない。
少年時代の面影が、影を追う僕の黄昏に伸びていく暗がりが、雨の長さに、止むことない、憧れ。
切れ切れの雲に、手をかざす、すると、甘やかで気だるい匂いが、雨の香りが、僕を拾いあげる。
このまま雲を抜けて、自由になりたいと言った声、誰かの叫びに、今日鎮まる、新しい風を信じられる僕の自由が、雨を涙に染めた夕立の追憶が、あの頃の憧れを思い出させる。
死と夢は紙一重。
だから、今を生きていくという気持ちこそ、追憶にいる僕に答えるメッセージ。
そんな感傷を抱いた季節は夏。
多くの獣や草が萌える、悦びの中だから、命の大切さを感じる。
ああ、夢路について、幻か、自由の歌は決して死なない。
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