第14話不思議な優しさ
柔らかい顔に、差し込む灯りが、夕闇を待って、変わる、トキメキの残骸が、散らばらないで、今を生きて。
悲しいことがあったんだね。
どうか、目を閉じて、不思議な時間に、そっと、顔をあげないで。
涙が出たら、そのままにしておくれ。
朝日がやってきたら、泣き止むから。
前髪が、額にかかって、汗に濡れて、拭うことを忘れないで。
あなたには、優しい人がいるから。
恋人や友達が離れていっても、話しかける人が消えても、自分を慰めて。
緩やかな風が、吹いて、ベランダから、声がする。
不思議なことだね。
不思議なことだね。
愛していることを、止めたら、苦しみが、背後で、待っている。
でも、それすら愛おしいと感じる瞬間は、移り変わる日々にきっとあるから。
根拠はないけど、笑顔が、浮かぶ。今、そうしているあなたの顔が、柔らかいから。
どうか、毎日を自然に送る、トキメキを信じて。
裏にある庭で、少女と少年の君が、ボールを転がした。
ポンと蹴って、届く気がした明日に、祝福があれ!
願えばきっと、誰かが、あなたを愛してくれる。
誰かが、きっと、見ていてくれる。
神様ではなく、不思議な優しさが、包むなら、あなたに届く。
感傷でも、心が、溢れて、目の前の、自分に笑いかける。そして、今日はベッドに入って、絶えるように、苦しみが想像されても、楽しいことだけを数えていこう。
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