第2話 魔法の世界

僕の魔法の世界、いわく魔法界での生活が始まって、もうすでに数か月が経とうとしていた。


僕がこの世界に連れてこられて初めて思ったことは向こうの世界と違い過ぎているということだった。


街並みは西洋、黄昏が言うにはイギリスと模して造られているらしいがその中身は全然と言っていいほど違っていた。


街には魔法がありふれており、なかなかに発展しているようだった。


家具や調理器具のほとんどは魔法で動くようだった。


空には何やら船が飛んでおり、それも魔力で動いているようだった。


 黄昏の言葉によると、この世界の物流はほとんど空船で回されているようで、中には物資を強奪しようとする空賊なるものもいるらしい。


 そして、街の中心、大きな街道の終点には大きな学院が建っていた。


 街にやってきてからの数か月は黄昏の家事の手伝いと魔法の練習に努めていた。


 この世界の魔法には大きく分けて二種類あり、純粋魔法と魔法技術の二つだ。


純粋魔法とは世界の魔力を借りて行使する魔法であり、魔法技術は道具を使い、自身の魔力を使って放つ魔法のことらしい。


純粋魔法はそのまま魔法と呼ばれ、魔法技術は魔術と呼ばれている。


魔法は威力で魔術に勝り、魔術は対抗力で魔法に勝るらしい。


対抗力とは魔術がどれだけ防がれにくいかということらしい。


 さらに魔法には二種類あり、詠唱魔法と無詠唱魔法だ。


ちなみに魔術は道具に魔力を通すだけなのですべて無詠唱だ。


 詠唱魔法は威力に長け、無詠唱魔法は速度に長けているらしい。


さらに言うと詠唱魔法は詠唱が長ければ長いほど同じ魔法でも威力が上がっていくらしい。


そもそもとして、魔法とはイメージを具現化する行為なので詠唱とはイメージの補完という行為であり、詠唱が長いということはイメージがさらに鮮明に描かれるということになるため、威力の増加につながるらしい。


 そして、僕は魔法の方を習った。


魔法や魔術にはそれぞれ適性があるらしい。


僕のメインは詠唱魔法だが魔女の血を取り入れたので無詠唱魔法も一流並みには使えるらしい。


 とりあえず、試しに一発撃ってみなさいということなどで、何となく思いついた詠唱を唱えていく。


「双葉の蒼炎よ、回旋の渦となり、清浄なる意思を穿て。」


 前にかざした手に青色の炎が集まり、渦を巻いて前へと放たれる。


それは、目の前にあった大きな岩石をいとも簡単に破壊して見せた。


 それを見ていた黄昏が口を開く。


「やっぱり、君は短期詠唱のほうが良さそうだね。次は魔力操作を試してみようか。」


 魔力操作とは、大気や動植物に含まれる魔力を操作して魔法の種を作り出すとこで、基本のきの字である。


 大抵、火を出すには「火よ」の一言で済む。


 水、風、土、光、闇を含む基本的な属性魔法も同様である。


 他にも錬金術や基礎的な運動魔法、対抗魔法があるがそれらも短期的な詠唱で済む。


 運動魔法というのは空を飛ぶ魔法などである。


まぁ空を飛ぶ魔法は風魔法との併用であるのだが。


 明らかな例外として神聖魔法というものがある。


 教会にいる聖職者だけが使うことのできる特別な魔法である。


そのまま、一、二時間ほど魔法の練習に努めていたが、その後体術の特訓に移った。


日本で言うところの柔道、合気道、逮捕術の三つの勉強をした。


ただ、ここは異界ということもありシンプルな技の書は見つかったが残りは何度か元の世界に渡って教わることになった。

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