夏休みアラカルト

夢美瑠瑠

第1話



 アメリカの学校は、だいたいが9月が新学期で、だから、夏休みの前の終業式が、学年の終わり。で、スヌーピーの漫画とかで見ると、Smmer Vacation には、”キャンプ”とかボーイスカウトとか?そういうものに子供たちは行かされるのがならわしみたいです。


 そういう場所で、Boy meets girl とかのそういう青春物語が展開するのかと思う。

 で、だんだんに甘酸っぱい恋とか、別れとか、いろいろな体験をしていって、ティーンエージャーも、成熟していくという、お決まりのパターン。夏休みというのはどうしても恋の季節、青春のクライマックスのシーズン。ロマンチックな彩りをなされたフルーツパフェみたいなスイーツな季節だと思います。


 …普通の人々には。


 ボクには、夏というのは、夏に限らんが、嫌なつらい思い出ばかりが多くて、なおかつ暑い暑いとやたら艱難辛苦で何時も玉の汗、そういう地獄っぽい季節なのです。


 小学校くらいまでは、まだ楽しい思い出もあった。

 カブトムシ、鈴虫、川釣り、水泳…朝のラジオ体操とかも懐かしい。

 

 高校生になって、近隣の県立高校に通いだして、ボクの家は僻地なので、同級生がほとんどいない。バイクもないので市街地に行くのも覚束ない。

 必然的に暑い家の中でひとりぼっちでもんもんと孤独に苦しむような仕儀になる。

 で、その頃から、思春期の象徴のニキビに悩みだして、ますます離人症みたいな人嫌いになっていった。で、なんとか落ちこぼれとか引きこもりにはならなかったのですが、そういう「夏休みコンプレックス」は、ずっと40歳近くなるまで引きずっていた。


 統合失調症でも、「破瓜型」というのは思春期に発症して、人格破綻になるケースだが、ボクは、そういうのとは違うと思います。寧ろ、アトピー性皮膚炎の人が、「青春などなかった」と述懐する、そういうケースに近いと思う。


 夏休みの思い出というのが、それでも皆無ではなくて、それなりにいろいろと人並みの体験やら楽しかった思い出というのもあります。根が明るいほうなので、季節でも春や夏が好きで、秋や冬はメランコリーで寂しいから余計に暗い気分になり、落ち込む。


 江國香織さんの「すいかの匂い」というエッセイ集は、子供のころの夏の思い出を振り返って、詩情豊かに綴った、愛読書ですが、作者は同年代でもあり、懐かしい昔に戻れるような佳編?佳著?です。


 故郷が、山村で、周囲が田んぼと里山ばかり、盆地地形で、「かいの村」というそうですが、だんだん限界集落?という様相を呈してきている。


  今日は8月1日。八朔。夏酣。盛夏の真っただ中。「地球沸騰化」などという物騒な文言も耳にするような昨今は、例年にも増して暑くて、うだるような気分です。


 そうめんでも茹でて、茹で卵を添えて、暑気払いと栄養補給をしたいと思います。

 😊💓

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