あなたは神を信じますか?

@toru19680123

第1話 トライアル開始

「お連れ様ー みんなのおかげでいよいよ明日から「靴下をはいた猫」のβユーザーテスト開始だ。ありがとう」

トール達開発スタッフは明日のβリリースを祝って軽い打ち上げをしていた。

「明日はみんなでβ版で遊び尽くしましょう」とようこ

そしてしのぶも嬉しそうに

「自分がデザインしたキャラクターが動き回るってすごく楽しみなんですけどー」

と続けた。

「そういえば、監督!例の隠しキャラ、私、監督のために気合い入れて監督好みの美少女キャラクターにしたので期待していてくださいね」

「それは楽しみだ、出現条件や設定はある人に任せて俺も知らないからすごく会えるのが楽しみだ」

「わたしもモジュールを貰って組み込んだだけなので探し出すの楽しみですね」

「よし、明日はみんなで楽しもう、今日はこれでお開きだ」


 翌日

 10時になりβ版を公開した。「靴下をはいた猫」が公開されデバックユーザーと事前登録しユーザー達が続々ログインし始めた。

 「よし俺たちも楽しむか」

 VRMMOである「靴下をはいた猫」は没入型のVRデバイスを装着してプレイする。頭で考えた動きがゲーム内で再現される。

 それぞれ自分のVRデバイスが読み取った情報でアバターが作成された。

 開発メンバーたちは、始まりの町の冒険者ギルドのエントランスに集まっていた。

 「うーん 世界感はまずまずだな、顔もみんなリアルと変わりないな、でも少しデフォルメされてるかな? キャラデザをしのぶに頼んで正解だった」

 「監督は例の隠しキャラの探索をやるんですよね」

 「しのぶが絶賛するキャラクターだからな誰よりも先に見つけ出したい」

 「で! 靴下をはいた猫感ってどこにあるんですか?」

 「ああそれか、昔、長靴をはいた猫ってアニメがあってなそれをもじっただけ 意味はない」

 「監督らしい」

 ステータスオープン

 そこにステータス画面が表示される

 「スキル:シナリオ変更」トールは驚いた「シナリオ変えられるのか、俺ってこの世界の神なのでは?」

 「あっわたしのスキルは設定変更です。」「私はキャラクター追加です。」


 「いまシナリオ変更を試してみたが、隠しキャラのシナリオにはついて制限がかかっているみたいだから、出会う場所なんかを変えることはできない。地道に探していくか、まずはデバックもかねてこの町を一通りみて回ろう」

 「了解です。」

 「そうだ逐次連絡が取れるように、フレンド登録をしておこう」

 「了解です。」

 

 早速トールは町での聞き込みを開始した。そういえばこのゲームの目的ってなんだったけ?「まあいいか!確か最終的にはダンジョンにいるラスボスを倒して世界を救うだったか?」トールは独り言ちした。


 町にいるNPC達にはAIによる会話学習を実装している。

 それのテストもかねて、トールは会話を試みようと冒険者ギルドにいる冒険者に話しかけた。


 「こんにちは」


 「おう、この辺じゃみない顔だな、俺の名前はフレッドだよろしくな名前は?」


 「トールです。よろしくお願いします。」


 「トールまずは、冒険者として登録しないとだな、受付はそこだわかるか?」


 このキャラクターはユーザーにギルド登録の方法を教えるサポートキャラだ、うまく機能しているようだ

 こちらの話したい言葉と返事に違和感がない、我ながらこの没入感は凄いと思った。

 「いいじゃん」


 「フレッドって呼んでよいかな? この町で何か噂になっていることってあるかな?」

 

 「トールまずは、冒険者として登録しないとだな、受付はそこだわかるか?」


 「わかった、まずは登録してからにするよ」


 さすがサポートキャラにはそういう情報を入れてないか、あきらめて冒険者登録を行い冒険者ギルドを後にして、聞き込みのために酒場に向かった。

 酒場ではデバッグプレイヤのさき、かおり、葵が歓談していた。

 「あっ もしかしてトール監督ですか? βリリース当日にログインですかさすがですね!」


 「デバッグプレイありがとう、なんか見つかった?」


 「あとで報告しますが、なんか止まっちゃうキャラクターがいるんですよね、どんな条件で発生するか検証中ですけど」


 「ありがとう、引き続きお願いします。」



 酒場のテーブルに腰を下ろししのぶにメッセージを送ることにした。

 キャラクターよくできている、しのぶも楽しんでるか?

 送信

 トールはフレンド画面からしのぶを呼び出してメッセージを送った。


 受信

 監督、ありがとうございます。少し困ったことがあってようこにも相談したいので、集合場所に集まれますか?


 了解

 送信

 

トールはしのぶからのメッセージを受け取り、集合場所である冒険者ギルドのエントランスに向かった。そこにはすでにしのぶとようこが待っていた。


「監督、来てくれてありがとうございます」としのぶが言った。「実は、一旦休憩を取るつもりでログアウトを試みたのですがログアウトできないんです。」


「ログアウトできない。馬鹿な、そんなことある?」とトールが尋ねる。


「ログアウトについては私のスキルでも設定できないです。もともとログアウト画面を開いてログアウトする仕様なのですがその画面が開かなくなってしまっているようです。」とようこが説明した。


「なるほど、それは厄介だな」とトールは考え込んだ。「まずは、ログアウトできない原因を突き止めるために、システムの設定を確認しよう。ようこ、もう一度、君のスキルで設定を確認してもらえるか?」


「わかりました、やってみます」とようこが答えた。


しのぶと隠しキャラについて話していると、ようこが戻ってきた。「設定を確認しましたが、特に異常は見つかりませんでした。でも、システムの一部が外部からの干渉を受けている可能性があります。」


「外部からの干渉?」とトールが驚いた。「それはどういうことだ?」


「まだ詳しくはわかりませんが、誰かがシステムに不正アクセスしている可能性があります」とようこが答えた。


「それなら、まずはその干渉を止める方法を見つけなければならないな」とトールが言った。「みんな、協力してこの問題を解決しよう。」


「了解です!」としのぶが答えた、少し間をおいて「はい」とようこが答えた。

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