第75話 VS魔王③
攻撃する、いなされる、攻撃する、いなされる、攻撃する、いなされる
1秒が何倍にも感じられどんどんと焦燥が募っていく
「なんじゃちくちくちくちく鬱陶しい…それで攻撃してるつもりなのかのう。攻撃ってのはこうやるんじゃぞ?」
「あぐっ!」
魔王が手を振った魔力の余波だけで後方へと吹き飛ばされる
既に機械神装は切れ満身創痍の状態では全く魔王の攻撃に対応出来ない
「真菰!」
「行かせんぞイクシオン。お主は黙ってそこで仲間がやられるのを見とるが良い」
「ぬぐっ!」
こちらに近付こうとしたイクシオン様が床に飲み込まれる。どうやら反射魔法では床を操って繰り出された攻撃を跳ね返すことが出来ないようだ
「もう出来ることはないんじゃったらそろそろ殺すかのう…首でも取って他の魔法少女に見せつけてやろう」
近付いてくる魔王に体の震えが止まらない
濃厚な死の気配がすぐ傍まで近付いて来ているのを感じる
「させませんよ魔王様!加速!」
「一旦引くよ魔法少女」
そこへバトラーとリリスが割り込みバトラーが少し魔王を止めてる間にリリスの鎖で後方へと避難する
「助かりました!」
「お礼はいいよ。でもどうしようね、勝ち目がないわ」
「どうしましょうね本当に…」
そう話をしながら少しだけ体力を回復させているとバトラーがこっちまで吹き飛んでくる
「バトラー!」
「が…ぁ…」
「リリス!」
「しまっ」
魔王が放った蹴りがリリスを捉えリリスを吹き飛ばす
「めんどくさいのう不義理者共め…まぁ良い、もう邪魔は居らんしさっさと殺らせてもらおうかのう」
「くっ」
「魔砲」
ズガァァァァァン!
魔王が放った魔砲が私の頬を掠め後方を吹き飛ばす
「主殿の使ってた技じゃが流石の使い心地じゃな…魔力を圧縮するだけじゃから楽でいい」
「たす…」
濃密な死の気配に思わず助けを求めてしまう言葉が口から漏れる
「助けなんて来る訳ないじゃろ…ん?…ぐがっ」
突然魔王が何か攻撃を受けたように後方へ吹き飛んでいく
「何…が…」
「大丈夫だか魔法少女」
「デストロイ…!?」
魔王が居た場所には倒したはずの魔人であるデストロイが立っていた
「おめぇらのおかげで洗脳が解けただ。魔王様はまだかかってるみたいだからオデも協力するだよ」
「助かる!」
正直人出なんて居て困ることないし私に至っては心が折れかかってるから凄い助かる
デストロイ相手に何の活躍も出来ず特訓を重ねたのに何も出来ない無力感で心が締め付けられる
「お主もかデストロイィィ…!不義理者がァァァ!」
「全能力強化」
能力を使ったデストロイが魔王に果敢に向かっていく。他の誰よりも拮抗しているように見えるし事実魔王の顔も歪んでいる
これなら…!と思ったのも束の間デストロイの左腕が吹き飛ぶ
「お主が勝てると思っとるのかこの儂にィ!」
「思ってなんかないだ…それでもやんないと行けないことってのがあるだよ魔王様」
それでも怯まずデストロイは攻撃を続ける
私も援護しようと思って魔法を使おうとするが何故か魔法を使うことが出来ない
魔力も残っている筈なのに何故か使うことが出来ない…どうして?何故?そんな思いが脳を埋め尽くす
「待たせた!真菰!」
そんな考えに脳を埋め尽くされていると待ち望んだ仲間の声が聞こえてくる
「って何でデストロイが…いや関係ねぇなぁ!飛拳!」
「がっ…」
凛さんが放った拳が明らかに間合い外の魔王に突き刺さりダメージを与える
呆けていると晴と咲良さんの声も聞こえてくる
「ライトロードアーマー!」
「式神纏!四神!」
王冠をつけ更に格好が豪華になった晴が、式神を纏ったような不思議でかっこいい格好をした咲良さんが魔王に攻撃を仕掛けていく
「飛脚!」
「ジャッジメント!」
「青龍の息吹!」
りんさんの蹴りが、晴が出した光の十字架が、咲良さんが放った青龍のブレスの威力を倍にしたような息吹が魔王にダメージを与えていく
自分だけが何もすることの出来ない状況にどんどん心が追い詰められていく
その間にも晴が生み出した光の兵が、凛さんが溜めて放ったさっきよりも倍くらい威力が違いそうな拳が、魔王に突き刺さりデストロイもダメージをしっかりと与え魔王からの攻撃は全て咲良さんが防いでいる
私だけ、私だけが何も出来ない。魔法を使っても何も出ないしそもそも私の魔法で魔王に有効打になり得るものが無い
絶望に頭が支配されていると咲良さんが防ぎ切れなかった魔砲がこちらに向かってくる
「しまっ…真菰さん!」
「あっ…」
体が全く動かず迫り来る魔砲を見ていることしか出来ない
しかし魔砲が私に着弾する直前に魔砲に線が入り真っ二つに別れ私を避けて後ろへ流れていく
「何…」
「何生きるのを諦めた顔してやがんだ親友。まだまだお前とやりてぇ事がたんまりあんだよ俺には」
「了真…?」
私の目の前には刀を振り抜いた状態で佇む和服を着て恐らく狐のお面をつけた了真が立っていた
「ほれ、一旦離脱するから捕まれ真菰」
「うっうん」
混乱する頭のまま了真の背に捕まる
「少し真菰を離脱させるからその間頼んだわ!」
「了解だけど後でちゃんと話聞かせてよお兄さん!まだ混乱してんだから私!」
「おう、生きて帰るぞ!てかバトラーとリリス!ミコトに突っ込むんじゃなくて別のことに力使えや!」
「じゃあ何したらいいの私」
「リョーマ様!?」
了真が大声でそれぞれに声をかける
「バトラーはイクシオンの補佐に回ってリリスは能力活かして後方支援を頼む!任せたぞ!」
「了解」
「何だか分かりませんが了解です!」
そう話す了真を魔王の鋭い目が射抜く
「何故居るのかどうかは置いといて…主殿も儂の敵なのか…」
「一応味方ではあるが…まぁ今は敵だな」
「なんでなんじゃ裏切り者共めぇ…!」
「行かせんぞ魔王」
「鬱陶しいぃ!」
了真に攻撃を仕掛けようとした魔王が凛さんに攻撃を阻まれる
傍に大好きな人が居る安心感からかさっきよりも落ち着いて周りを見ることが出来る
「よっしゃ頼んだぞお前ら!」
私はそのまま了真に背負われて戦線から離脱した
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カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)
カァッ(次回決着…の予定です)
カァッ(こんなにレイドボスしてる魔王様なのに今のゴマちゃんの分身一体にも勝てないからなぁ…やっぱ可笑しいよあの人ら)
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