第54話 旅

師匠が過去の話をした後、流れに身を任せ俺も過去の話を話す


自分では割り切れていたつもりだったけど話してる度に動悸が止まらなくなったので全然割り切れていなかったっぽい


その結果今度は俺が皆に抱きしめられた


「ご主人様…」

「リョーマ」

「リョーマ兄さん…」


恥ずかしくなってきたななんか




ようやく解放されたので暗い話もそこそこに雑談を始める


「こっから何処向かってく?」

「どうする?」

「怪異たちが居る場所が分かんないからね…どうしようも…」

「俺が帰る条件の大妖怪の情報も1つも無いしなぁ」

「リョーマは未来帰らないといけないしね…大妖怪かぁ」

「何の情報もないしまだまだ帰れないだろうけどねー」


覚えてくれてるかなぁ〜俺の事

会いたいなぁ〜ルカたちに


「のじゃロリ連中はどうしようかね」

「仲良くなれる気がしないなぁ私…なんかこう合わない」

「私はまず名前分かんないですしねぇ…」

「現状維持が今の所最善でしょうね…一旦は私がメッセンジャーになります」

「頼むわ」


まぁ未来の話的に仲良くはなると思うんだけど…恐らくユダの能力で段々と…まぁ普通に仲良くなるかもしれないけど


師匠とイクシオンが傷つくのわかってて放置せにゃならんのはキッついなぁ〜


殺してぇ〜





その後は皆で寝て朝が来たらメイにのじゃロリ連中を起こしてもらって旅を始める


色んな町、色んな村に行って色んな怪異を狩り続けた


途中で世界の自浄作用なのかは分からないが弱めの怪異なら倒せるような陰陽師の集団が台頭してきたため強い怪異を狙って旅を続ける


町1つを覆い尽くせるような妖怪の軍勢や突然変異で魔法を使えるようになってしまった悪人たちと戦い気がつけば旅を始めて3年が経っていた


過去の話をした時の年齢が師匠17俺19だったのでもう20と22である

どっちも何も変わらないけど


色んな町や村で人と関わることによって自身の所業に後悔を感じミコトたちが謝りに来てから俺たちとの仲がグッと深まった


強い怪異たちとの戦いでミコト含め彼女らの強さが増しイクシオンを超え名前が聞こえるようになったため満を持して俺も名前呼び解禁である


しかし3年間ユダに殺意を燃やし続けてる俺が輪に入れるはずも…はずも…


「主殿ー儂今日も頑張ったのじゃ褒めて褒めてー!」

「どうですかリョーマ様。私も強くなってきたと思うんですが」

「オデたち…頑張った」

「褒めるべきだよだよー」

「懐かれてますね」

「なんでかね」


何故か輪に入れてるんだよなぁこれが…

なんでだ?


『流石だな…これからも一緒に頑張ろう』

「うむ!」

「もちろんです!」

「頑張る」

「頑張りますます」

「頑張りますよー」


こんなんでこんなやる気出ることある?

いやまぁ理由自体はちゃんとあるんだけど…


皆でワイワイガヤガヤ喋った後は夜になったのでいつものように離れて眠る


仲良くはなったが4人の時間を邪魔したくないからとか何とか言って結局前のままで落ち着いている


「大妖怪の情報1つも無いのそろそろやばいか?」

「集めようとはしてるんだけど如何せん情報が少ないしねぇ」

「てか何で君ら俺にしがみついてんの?」


背中に師匠膝の上にイクシオン腕にメイ…

何これ


「毎日の事ですしそろそろなれましょうよ」

「なんで毎日しがみつくんだい?」

「日中はミコト様らに遠慮してしまうので夜は遠慮を消し飛ばそうと」

「遠慮君粉微塵になってるもんな今」


塵一つも残ってないよ


「チッチッチ分かってないですねぇご主人様」

「え?何が」

「遠慮を1つも無くすと4人になった瞬間襲いかかりますよ」

「ありがとうな遠慮してくれて」


毎日やってたら多分干からび…干からび…いや行けるかもしれんけど


レベルアップの度に魔力上がってったけど体力も気付かない内に増えてたから多分耐えられるんだよな


元からほぼ無尽蔵だったから気が付かなかっただけで


「夜は私たちの時間だからね!ミコトさんたちには悪いけど!」


そんな事を話してから皆で眠る




師匠とイクシオンが寝たのを確認してからメイと起きてその場を離れる


20になっても驚きの寝付きの良さは流石だよな


「ここら辺なら大丈夫かね…バレたらすこーしめんどくさい事になるから慎重を期さないと」

「…大丈夫そうです」

「良しじゃあ会議すっか」


俺たちはたまにこうして夜に抜け出し会議をしている


「とりあえず今日の会話のピックアップしてきたから聞くか」

「了解です」


時と共にあると言っても何でも知ってる訳では無いメイと共にユダの体内に仕掛けた盗聴器を再生する


『ふむ…計画は順調に進んでますね。メイさんやリョーマさんに扇動が効かないのは想定外でしたが魔王様たちはしっかりと術中にハマってくれている』


『魔王様たちからのリョーマさんへの好感度を上げて万が一にでも攻撃されないようにして…刀華さんやイクシオンさんからの好感度はしっかり上げられていますし…そろそろですかね…』


「これ以外は普通のことしか喋ってなかったな…そろそろねぇ…そろそろ戦うんだろうな俺たち」

「間違いなくそうでしょうね…」


計画もやってる事も全部知ってんのに止められねぇのはイライラが止まんねぇなぁまじで


「惨たらしく死んで欲しいですねユダには」

「考えてあるから未来に帰って時が来たら実行しよう」


あれとあれのコンボで苦しめ続けてやる


「戦う時にユダを殺さないように…気を付けないと…いけないんですねぇ」

「だっるいよなぁ」


2人とも唇を噛みちぎるレベルで唇を噛んでるし握った拳は爪がくい込みすぎて血が流れる


「キッついなぁ」

「ですねぇ」


力になれんのが悔やまれるよ本当に


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