第15話 魔法少女の鍋パ

「ただいまー」


あっおじさん帰ってきたな


「じゃ俺ちょっとおじさん出迎えてくるからお前らはバレないように隠れといて」

「ういうい」

「じゃあ私は思念体に戻るね。この体どうしたらいいの?ルカさん」

「適当に収納しとくから安心して」

「分かった」





「おかえりおじさん」

「おうただいま了真…あれお前何か変わった?」

「いや別に何も変わってないはずだけど…」

「いやお前これは…うっし今日は寿司でも食いに行くか」

「なんで寿司?嬉しいけど」

「そりゃお前…お前が大人になった記念だろ」

「何でバレてんの???」




変な所で勘がいいんだよなおじさん

普段鈍感で天然だけど




「てか寿司なんて行ってお金は大丈夫なの?」

「この前でけぇ仕事したから有り余ってんだよ金が」

「何したんだよ」

「内緒だ」




おじさん何の仕事してんだろうなぁ…

未だに教えて貰えないし…犯罪とかじゃないよね?


「犯罪は駄目だよおじさん」

「やってねぇよ」







────side真菰


「えーっと何これ」

「あん?何って…見てわかるだろ。鍋だ」

「緊急事態って話じゃなかった?」

「お前の悩みが解決されたんだろ?緊急事態じゃねぇか鍋つつくぞ鍋」

「私たまに凛さんが分からなくなるよ…」




「んで、何かあったのか?急に解決する問題でもなかったろ」

「そうですよ〜心配してたんですからね〜?」

「でも取り敢えず悩みもなくなったようで良かったよ!」

「ありがとうございます…実は親友が力になってくれて…」

「親友さんと言うと…いつも話されてる朽木さんですか?」

「その人です咲良さん」


この人は守谷 咲良(もりや さくら)さん

私たちと同じ魔法少女の1人だ

私は22ですし少女なんて年齢じゃ…って言ってたけど凛さんにそれ言うなら私26だぞって返されてたなぁ…私も17だし少女って呼ぶかは結構怪しくない?多分晴だけだよ胸張って魔法少女って言えるの


「良いですね〜親友さん〜美しい友情ですねぇ〜鍋が進みますよ〜」

「まだ火通ってねぇんだから食うな咲良」

「美味しいー!」

「まだ食うな晴!」

「大変そうだね凛さん」

「変わるか?」

「遠慮しとく」




「てかホントに鍋つつくだけなの?他何かしたりしないの?」

「そうだなぁー酒でも飲むかぁ?」

「私たち以外は飲めないから駄目ですよ凛さん。……貴方飲みたいだけでしょ」

「良いじゃん咲良、社畜には酒がないと駄目なんだよ」

「あぁなったら駄目だよ晴」

「分かったよ真菰お姉ちゃん」


その後もワイワイ騒ぎながら鍋を皆でつつく

他愛もないことを楽しめるようになったのはやっぱり嬉しい

もう私は戻れなくなるくらいまで歪んでしまったけど皆にはバレないようにしないと

流石にご主人様に人格否定されないと生きていけないのバレたら恥ずかしいし


「あっじゃあやることないなら皆で新しい技考えようよ!」

「新しい技ねぇ…私はまぁ無理として咲良も増えないし…真菰と晴の考えるか皆で」

「私は新しい技考えるよりも同時に呼び出す事が出来るようにしたいですね〜」

「大変だよな式神魔法って」

「一番大変なの肉弾戦しないといけない凛さんでしょ」

「私はいいんだよ私は」


今話題に出た咲良さんの魔法は式神魔法って言うもの

四神…所謂朱雀とか玄武とかを呼び出して戦ってもらう魔法らしい

今は練度が足りなくて一度に一体までしか呼び出せないらしいけどそれでも汎用性が高く対怪人や対応力は私たちの誰よりも強く高い

対人なら凛さんが1番強いんだけどね


「どんなんがいいかな新しい技」

「今使えるのはライトアロー何だっけ」

「そうだね!新しい技が欲しいよ!」

「光って回復技とか使えるイメージあるけどそっちは?」

「全然練度が足らない…」

「どんまい」

「ライトアロー複数出して混ぜて圧縮して放つのは?」

「……良いかもしれない」

「怪人にそれされたけどかなり威力上がってたよ」

「次怪人さんが出る前に試してみようかな!」

「おう頑張れ」

「真菰さんは〜どうします〜?」

「私は別に今困ってないからなぁ…」

「じゃあ〜ゲームでもしましょ〜」






「咲良さん手加減!手加減して!」

「争う事に〜情けは無用ですよ〜」

「ふっまだまだだな真菰」

「真っ先に全ストック失ってる凛さんはドヤれないと思うよ」



凄く楽しかったよ、まる





「んで上司がよォ…」


《皆さん鍋パ中すみません、そちらに怪人が出現してしまったので対処をお願い出来ませんか?》


「ん?行くか」

「ザクちゃんに乗って行くので周りの人から見えないようにして頂けませんか?」


《分かりました任せてください》




「ザクちゃんお願いね」

「クエーッ!」

「なんか鳴き声ちゃっちいよな朱雀…」

「言っちゃ駄目っすよ凛さん…」







「あぁ何て俺は駄目なんだ…何をやってもダメだ…何やっても嫌われ…恨まれ…蔑まれ…否定され…あぁ辛い…辛い…皆も俺と同じようになればいいのに…」


あぁ凄い共感出来ること言ってる怪人さんだなぁ…まぁでも…救ってあげないと


「ザクちゃんブレスお願い」

「ライトアロー×5!」

「アイアンピラー」

「遠距離攻撃私も欲しいなぁ…」




「じゃあ後の対処お願いします神様」


《分かりました任せてください》


皆で地上に降りてから後の対処は神様に任せる

余りにもオーバーキルだったけど大丈夫かな怪人さん…


「やっぱ邪魔よねあんたたち」


何の気配もなくそこにいた翼の生えたゴスロリ服の女性の方から突如無数の鎖がこちら目掛けて伸びてくる


「ッ!ゲンちゃん!盾!」


ギィィィィィィィン


咄嗟に玄武を呼び出した咲良さんによって鎖が阻まれる


「くっ!」

「邪魔よね邪魔よね…怪人を元に戻されるのは邪魔よね…弱いうちに…殺さなきゃね」


押し潰されそうな重圧と共に女性はそう宣言する


「私はリリス。覚えなくてもいいよ?どうせ皆死ぬんだし」


────────────────────

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