第2話 はじまりの日常

010年とある大震災が起きた。 関西大震災である。その際、海外でも取り上げられるほどの海水が地上へと落ちた。 いわゆる津波である。

それにより日本は大不況となった。 この時ひとりの男と女がひとり世界を駆け巡っていた。

「おい、早くしろ!姉さん!」

黒髪のその男は、黒いジャンパーに緑のtシャツ。黒髪ショートであった。下には黒い鉄骨があり、黒い電車となっている。

「まって達也!このままじゃ奴らに渡ってしまう!vcが!」

金髪の前髪が真っ直ぐに横に切れた、ショート風の女がいう。

体は茶色いズボンと白いTシャツ、ショルダーをつけている。

ゆっくりと機関車の上の出口から這い出すようにでる。

「命あってのものだねだぜ!今日本はとんでもねえことになってるはずだ!」

「わかってる、でもあのルシフェルの野郎、またやりやがった!」

グッと悔しそうに、女は涙を浮かべながら、拳をふりあげる。

「クソったれ!なにが神だあの野郎!ルシフェル!てめぇだけは許さない!」

彼女はそう絶叫した。

ーーーー

そして現代。

新型コロナウイルスが流行した。

大量に人が死に、その死を悼むものがあとをたたなかった。

その後ワクチンができ、ほとんどの人がそれを打った。

しかし、ワクチンと言いながら、それには欠点があった。

それは人々に超人化させ、脳と精神に障害を与えるというものだった。

障害になったものは街を破壊し、人をたくさん殺した。 彼らは『能力者』とされ、その存在はまるで悪魔の所業に見えることから

略称『dvs』。『デビルズ・ヴィラン・サービス』と呼ばれた。

そして一方で、『LH』と言われる存在もいる。 怪力。炎。雷。水。それらを操る者たちであり、人間を守護するものである。 彼らを世界は『ヒーロー』は呼ぶ。彼らの能力。それは『新型コロナ』の薬の効果によってできたものである。

新世代の薬であったため、副作用的なものとされたが、実験段階ではわからな かったとされる。

しかし、必ずと言っていいほど、その者たちは、人々を助け。dvs の討伐に力を貸した。

しかしこの違いを見つけるための検査は能力の発現時に判明するものではない、犯罪を犯してから、判明するケースが多い。つまり違いがわかるのは、犯罪後と言うことである。検査は未だはっきりせず、その分野の検査局もほとんどお粗末と言っていいだろう。まだ化学が進歩していないのだ。それゆえ彼らは結社を作り、警察と共にその力のあるものを見張り、時に協力しあって生きている。その協力は凄まじいものであり。今やほとんど警察は彼らの力なしではやっていけない状況にあるのだ。しかし一方で警察の不祥事も多い。

能力のある警察官もいるらしいが、それは本当に危険ではないと証明書を受け たものだけである。

そして俺、有栖 晴太。

高校生で今年で16歳。

ちなみに能力者ではない。警察学校に所属している

「聖サンタ・マリア号警察学校」と呼ばれ中高一貫の学生警察官が集まる場所である。

今年で、中学生でも刑事になる資格が取れるようになった。資格あるものは中学生であれ警察官として公務ができるという法律ができた。俺はなりたかった警察官の受験をし、ここにいる。能力はないが銃の腕はピカイチだった。いつもゲームセンターで遊んでいたせいをあると思う。

ゲームセンターでのphsことガンアクションシューチィングゲームで練習プレイしていたこと。その日々の鍛錬のおかげである。本番もおなじ感覚だったが、撃ってみたら一番成績が良かった。

それ以外は完全に落ちこぼれだった。

でも、なぜか合格。しかも特別臨時特待生」としてだ

まあ、いわゆる『人員不足時の警官』ってやつだ。

なので今こうして警察学校にも通っている

でも受けて、希望とおり警察官になれるのは嬉しい。

ちなみに学校で自慢したら、初めは良かったけど、本当に刑事課から声がかかった奴が いて、そいつにすごい侮蔑の目で見られた。そして学校に入学したら、大部分が能力者で、俺一人だけが特別臨時だった。 俺の日常は崩壊。俺は、一人称を僕に改めザル追えないほど追い詰められた。

そして今俺様と呼ぶ男に『僕』は、パンを買うパシリをしている

『はい、買ってきたよ』

鼻にはピアス、頭はピンクのモヒカン。黒いだらしのない制服の彼はそれを片手

で受け取った。

そしてパンの包み紙を見た瞬間憤怒の表情で俺を睨みつけてきた。 「おい。てめえこれカレーじゃなくてあんぱんじゃねえか!!」 「はい。あんぱんです。片無さん、刑事ですからそれ買ってきました!」 『僕』がにこやかに笑うと、彼は今度はあんぱんをぐちゃりと握りつぶし、

「俺はカレーって言ったんだよ。お前によお!!」とギロリとコチラに目を向け

る。

「で、でもあの時ただパン買ってこいって言って・・・・」

そう言いかけると『僕』は、すぐに、買いに行く間際、確かに彼が「カレー」 と言っていたことを思い出した

「はあ!!!!!???????言い訳すんのかてめえ。臨時のくせに よ!!!」

(ああ...やっちまった!!)僕は、急いで土下座する。「マジすみませんでした!!」必死に頭を擦り付け、謝罪をする。 「マジ迷惑だわ。こういうの。お前、もう一度買いに行ってこい。」 「げ、マジすか?」

僕が顔を上げる。

「ああ?なんか言ったか?」

「いえ、ないです!!あ、でも......一つだけお願いが」 「なんだ?なんかあんのか?」 オラオラと肩をゆらめかせ、座ると奴は『僕』の顔をじっと睨みつけた。 僕は一本指を立て、「もう今日の金ないんで、金ください。」 その瞬間、ブチリ。はっきりそう聞こえた。

「いい加減にしろおお!!お前がカレー買ってこねえからだろうが!!ねえ! 青田さん。」

そういうと、彼は、後ろにずっと座っていた男に声を荒上げいう。

「そうだな。お前に金など出さない。」

青田と呼ばれたその男はそう答えた。

「ですよねえ!流石青田さん!」

肩無、このモヒカン野郎がクラスメイトで、刑事になったやつだ。そして青田こいつはその先輩である。ある時からずっとこの状態だ。

青田は黒い髪にロングショート

。 大人びた背格好は少しガッシリしている。 制服のジャケットを前にあけ、白いシャツが見えている。

「仕方ねえ。肩無、お前のあんパンよこせ。」 そう言うと、彼は笑い、手を上げる。 パンをよこせということだろう

「へい。わかりやした。もう一度......ってええ!それでいいんですかい!?」

助かった。僕がそう思った時だ。

「でも、お前予備警官やめろよ。アリスちゃん。俺様のこと怒らせたんだから」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

全知全能の神だったけど、堕天したあげく、人間になってしまったら全知全能の椅子に座った悪魔と戦うことになった件について 三つ星 @junk777

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ