君と笑えるバーチャルライブ配信!
藤島白兎
馬美肉(仮)の配信開始!?
第一話 私達は馬美肉です!
何処かの世界に、笑顔ヶ丘高校があった、ここには配信者を育成するクラスがある。
文字通りのクラスだ、配信者としての知識を高める。
ここに入学する者は、将来配信者としてやっていく第一歩。
もしくは、趣味でしたい者達が通う学科だ、基本的には後者が多い。
そして放課後、今配信教室を借りて、準備をしている女子高生が2人居た。
1人目は1年B組、
あだ名は谷姫を『やき』と読めるため、やき、もしくはやきにくと言われる事も。
2人目は谷姫の親友、
一年生にて既にファンクラブまである、配信にはあまり興味がない。
やっているのは仁玖が楽しそうだからだ、本人には言わないらしいが。
「やき、本当に名前は『アレ』でいいのか?」
「うん! もちろんじゃて! 授業でも言ってたでしょ? インパクトが大事って」
「いや……アノ名前は男性だから成り立つんじゃないのか?」
「はっはっは~ん? まこっちゃんは堅物だね~そのおっ――いってえぇぇぇええぇぇぇぇぇぇ!」
見事なビンタが、仁玖の左ほほに直撃した。
この光景は彼女達には、何時も通りである。
仁玖が何かセクハラをする、まこがぶっ叩く。
配信中も何度かその光景があり、ファンの間で名物だ。
だがコメントでは、セクハラは起きない。
無論、流れで多少なりとはあるが、本気では無い。
何故なら、本気で起こったまこが、回し蹴りでやきを病院送りにしたからだ。
それが抑止力になっているのだろう。
「っしゃ! 病院から復活した私の底力を見せる時が来たな!」
「……すまないとは思っているが、お前が悪いからな?」
「そりゃそうだ、本気で怒らせたわたしゃが悪い、気にすんな!」
「……ああ」
「よしよし、それじゃ配信準備は整ったんだ、準備は?」
「ああ、私はいいぞ?」
「よしよし、皆も待機しているようだね?」
仁玖はパソコンのコメント欄を見た。
右から左へとコメントが流れている。
『今日コンビ名発表だよな?』
『そだよー』
『てか入院大丈夫だったのかよ』
『あれはやきにくが悪いから……』
『まあ、俺はてぇてぇ見ればいい』
『だな、わかりみ』
視聴者達が色々とコメントをしているようだ。
2人は目で合図をして放送を開始した。
彼女達は自分達の姿を映して配信をしている。
このスタイルは、一般化しているのだった。
「はろぅ? 視聴諸君! 病院から彗星の如く帰って来たよ!」
「ハレー彗星の様に?」
「ちょいちょーい! 地球から去ってくやん!?」
「さよなら」
「なんでやねん! その自慢の――」
「やめなさい」
パシンと馬子のビンタのいい音がした。
オーバーに痛がる仁玖と、冷めた目で見る馬子。
これがこの2人の配信のスタートだ。
『よし、ノルマクリア』
『やっぱりこれンゴ』
『この2人でしか得られない栄養がある』
『ほーう☆てぇてぇ登場だな?』
『はー!久々で生き返るわー!』
『はー!久々で生き返るわー!』
『はー!ちくわ大明神でぬるぽだわー!』
『はー!久々で生き返るわー!』
『はー!今の誰だガッ!』
コメントも大盛り上がりである。
「よし、さっそく新しくコンビ名を発表しましょ!」
「……あくまでも仮な」
「えー」
「ほら、言うぞ、せーの!」
「谷姫仁玖!」
「駒沢馬子!」
「「2人は馬美肉!」」
2人は座って出来る可愛らしいポーズをしている。
しているのだが……
『は?』 『は?』 『は?』
『誰か猫持って来て』
『は?』 『は?』 『は?』
もはや語るまい、コメントは疑問ばかりだった。
「……だから言っただろ、馬美肉はVの人達がやる事だ」
「何勘違いしているんだ」
「は?」
「まだ私の解説パートは終了してないぜ」
「あーはいはい、どうぞ?」
「まず私は谷に姫と書いてやきとも読める、そして名前は仁玖、にくだ」
「ああ、やきにくだな」
「んでまこっちゃんは馬の字が入ってるからじゃん?」
「ああ」
「んで、私達はナウなヤングじゃん? 美しいじゃん?」
「……ああ」
「ってな訳で馬美肉」
「……すみません視聴さん、また改名しますね」
「えぇー!? どちらにしろしばらくはこれでいいじゃん」
「……はぁ」
この放送終了後、TSファンアートや、着ぐるみイラスト。
仁玖が肉を食いまくるイラスト、馬子が上品に食べるイラスト等々。
色々と投稿されたようだ、頑張れ馬美肉!
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