第12話 授業中のはずだ

 講師の話をそっちのけに頬杖をつきながら、

 結愛の顔をじっと見る碧央。


「……」


結愛は黙ってさらに左にずれようとすると、シャツの袖を引っ張られる。


「何もしないから!!」

(当たり前だ!)


 小声で話す碧央に結愛は下唇をかんで、黙ったまま、講義を聞き続ける。


「俺は無視かよ」

(何しに来てる??)


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