第2話 ヒーローこそ男の中の男!

わたしは宮本志摩みやもとしま

名前からしてモブな一般その他大勢の類だってわかるでしょ。


クラスでもわたしの影は薄い…

いても居なくても大して変わり映えしない存在だ…


彼氏だ、彼女だと、青春を謳歌している輩と違い、似たような日々を毎日繰り返している。


顔を背けるほどの醜女では無いにせよ、お世辞にも可愛いとはいえないわたしには、靴箱にラブレターが入っていたり…校舎裏で告白なんてイベントは間違っても起きない。


こんな、誰からも興味を持たれないようなわたしにも【読書】と云う細やかな趣味がある。


【読書】は良い…

一度物語の世界に没頭すれば、わたしはどんな人間にも、どんなところへでも簡単に行けるのだから…


ところが最近流行りのラノベときたら…

ふざけた転生物が幅を利かせている。


これのどこが面白いのだ?

差し詰め、わたしのようなブスなモブでもチートな能力で無双したら美丈夫侍らせてハーレム満喫といったところか?

確かにモテモテは誰だって憧れる…


だがわたしが求めているのはそんなヒーローではない!!!


ヒーローはいついかなる時も!

気高く!

雄々しく!

未来のために戦い続ける者だ!


たとえ、ひとりでも護り続ける心!

悲しみを乗り越えて戦う姿!

誰に知られずとも立ち向かう強い意志!


そんなヒーローは流行らないって?

ヒーローだってイチャコラしたい?


ふざけるな!

ヒーローには、自分を支え、共に歩んでくれるヒロインが


わかるか?!

いればいい!


愛する者のために明日を切り開く!


無二の愛情が己を強くするんだ!

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