彼女が寝取られた。そうしたら同じクラスの不良の少女がソワソワし始めたのだがこれは一体?

アキノリ@pokkey11.1

第一章 傷

不良と寝取られた彼女

第1話 金髪と俺

俺の名前は横瑞香(よこみずかおり)。

女の子の様な名前だが俺はれっきとした男である。

今のスペックとしては17歳、高校2年生であり県立高校に通っている。

成績は悪くない。

だけど体育が苦手だ。


そんな俺だが彼女が寝取られた。

とは言っても少しづつ気が付いていたのであまりショックでも無かった。

だけどラブホに行っていたのはクソだと思ったが。

寝取られたんだな、という感想しか浮かばなかった。

俺は廊下に向きぼんやり外を見る。


すると横からこんな声がした。


「あ、あの。垂水さん。...その。えっと。その。学級日誌が書かれてない...」

「ああ?書く事が面倒だから後でしようって思ったんだよ」

「ひぇ!」


という会話が、だ。

俺はその垂水という人物を見る。

垂水蛍(たるみずほたる)。


金髪のボブ。

化粧をしてないネックレスをした制服を着崩した不良の女子生徒。

正直、不良さえなかったらめちゃ可愛い。

恐らくこの学校では5本指に入る位に。


「...」


垂水は俺の真横の女子生徒だ。

まあとは言っても。

俺とあまり会話はしない様な感じの女子生徒だ。


ふんぞり返ってから居る様な女子としか思えない。

だけど学級日誌を書いてないのはな。

日直なのに仕事もしねぇし。

そう思って、今日だけは何か言ってやるか、と思って声を掛ける。


「垂水」

「ああ...あ?ま、な、何だよ」

「学級日誌は書いてくれ。黒板も消してくれ。他の人が困っている」

「そ、それは」

「...社会の常識だ」

「...分かったよ」


俺はそう説教をしながら垂水を見る。

何故か知らんが俺の言葉にはこうして彼女は忠実に従う。

垂水は直ぐに律儀に動いて仕事をした。


因みにこの垂水と関わる事になった発端。

それは垂水の態度に呆れた教師が「お前何とかしてくれ」と言われたのだ。

だからこうして垂水を見守っている。

何でこんな事をしないといけないのか分からんが。


「し、仕事をしたぞ」

「...ああ。そうだな。というか当たり前だけどな。お前日直だろ」

「そ、そうだな。すまない」


垂水は俺に報告してから椅子に腰掛ける。

俺はその姿に溜息を吐きながら勉強をしてみる。

すると垂水が「なあ」と言ってきた。

何だよ今度は。


「お、お前、勉強できるか」

「...出来るけど。何だよ」

「...じゃ、じゃあさ。...教えてくれ。私、馬鹿だから」

「お前そんな教えを乞う人間だったか?」

「い、良いじゃねーか」


俺は背後のガリ勉の吉田を見る。

そして垂水に「吉田に教えてもらえよ」と言う。

だが吉田は「嫌」と言う感じ恐怖心故か青ざめて首を振った。

垂水も俺に教えてもらいたそうな顔をしている。


「...面倒臭いんだがお前...」

「お、お前、優秀そうじゃん」

「そうだけど...一応、優秀ではあるが」

「な、なら」

「...分かったよ。じゃあ座れよ」


そして俺は横に嬉しそうに腰掛けるパーカーの女を見る。

何でコイツなんぞの勉強を教えないといけない。

というか...あの女のせいでもう嫌になっているのに。

そう思っていると「横瑞?」と言葉がした。


「...ああ。何でもない」

「あ?そうなのか?」

「ああ」


俺はそう答えながら溜息を吐く。

それから指差してから彼女に教え込む。

こんな奴だとは思わなかったけどな。

正直、コイツは1人でテストとかこなしているから何も分からんかった。


「...垂水」

「...な、何だよ」

「お前は馬鹿なのかそれとも優秀なのか分からんな」

「あ!?それは私の事か!?ふざけんな!」


垂水はそう言いながら怒る。

俺はその言葉に「すまん」と謝る。

それから俺は垂水に色々と教え込む。

垂水は頭を揺らしながら俺の言葉を噛みしめる。

そして数学を解いたりした。


因みにこの間。

クラス中は「...た、垂水が勉強している、だと...」と絶句していた。

俺はそのクラスメイトに対して、コイツを何だと思ったんだ、と思いながら目線だけで見る。


すると垂水がいきなり大きな声で「出来た!」と言った。

俺は採点をしてみる。

確かに合っていた。


「...何だお前。3問とはいえ全く馬鹿じゃねーじゃん。xyの関数が出来るのかよ」

「あ...いや。こんなの将来の役に立たないし隠していたんだ」

「はぁ?役に立たない?そりゃどういう意味だ」

「...あ。今のは内緒だ!すまん」


垂水は教科書とノートを持ってから「サンキューな」と俺に挨拶をする。

そして自分の席に戻った。

何だってんだ。

そう思いながら聞こうとしたがチャイムが鳴って先生が入って来てしまい。

聞きそびれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る