【完結】罪を逃れた者たちに、真の裁きが下る。孤島に集められた10人の男女、次々と襲う恐怖の連鎖。最後に残るのは誰か?
湊 マチ
第1話 招待
日本海に浮かぶ孤島、鬼ヶ島。そこに建つ豪邸、鬼ヶ島荘に、10人の見知らぬ男女が招待された。豪邸への唯一のアクセス手段は、定期的に運航されるフェリーのみだった。
フェリーに乗り込む10人の男女は、それぞれ異なる背景と理由を持ち、島へ向かっていた。共通点は、全員が「宇野 英夫」という人物から招待状を受け取っていることだった。
西園寺 裁司(さいおんじ さいじ)
:退職した判事。厳格で冷静。
高橋 美咲(たかはし みさき)
:若い女性教師。心に闇を抱えている。
田中 一郎(たなか いちろう)
:冒険家。自信に満ちた男。
中村 正道(なかむら まさみち)
:元警察官。常に警戒心を持っている。
山田 良太(やまだ りょうた)
:医師。冷静沈着で分析的。
佐藤 春子(さとう はるこ)
:保守的な未婚女性。宗教に強い信仰を持つ。
鈴木 太郎(すずき たろう)
:屋敷の執事。忠実で無口。
鈴木 花子(すずき はなこ)
:屋敷のメイド。鈴木太郎の妻。
森本 将軍(もりもと しょうぐん)
:元軍人。厳格で無口。
佐々木 俊介(ささき しゅんすけ)
:若いプレイボーイ。無鉄砲で自信過剰。
波音が響く中、豪邸の門をくぐると、迎えの車が待っていた。車は彼らを豪邸へと運び、到着すると、執事の鈴木 太郎とその妻鈴木 花子が丁重に出迎えた。
豪邸の内部は豪華で、古風な装飾が施されていた。各部屋には、招待客それぞれの名前が書かれたドアプレートがかかっている。招待客たちは、部屋に案内され、一息ついた。
夜になると、豪華な晩餐が用意され、招待客たちはダイニングルームに集められた。食事が始まり、和やかな雰囲気の中、招待客たちはお互いに自己紹介を始めた。しかし、全員が共通して感じているのは、招待主の「宇野 英夫」が姿を見せないことへの不安だった。
晩餐の最中、突如として蓄音機の音が鳴り響いた。誰もが驚き、沈黙する中、蓄音機から「宇野 英夫」の声が流れ出した。その声は、全員の過去の罪を一つ一つ暴露し始めた。声は冷徹で、逃れられない運命を告げるように響き渡った。
「皆さん、ようこそ。私の名前は宇野 英夫。あなた方は全員、過去に罪を犯した者たちです。ここに集まったのは、その罪を償うためです。」
招待客たちは一様に顔を強張らせ、声が途切れると同時に部屋は静まり返った。不安と疑念が漂う中、彼らはこの島に閉じ込められ、避けられない運命に直面することになる。
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