29話

入港管理局本部は大混乱に陥っていた。

一個艦隊の消滅に加えて新勢力の登場という大惨事に

とはなんなのだ!?」


「コアの解析によれば簡易なAIを搭載した自爆特攻艇と出ていますが、それだけであそこまでの威力が出るとは思えません、おそらく何か秘密があるのでは?」

入港管理局本部は情報部隊員の報告を受けて更なる謎に直面することとなった。

そして頭を抱えた。





インフィジャールの自爆によって敵艦隊はほぼ壊滅的被害を受けて、更に執行艦を含む二十隻余りを撃沈した。しかし、搭載されていたHTやLTの損害も大きく、特にHTはインフィジャールによってかなり戦力が削られていた。

そんな大打撃を受けた第一執行艦隊の司令官は去っていく敵艦を見据えながら報告を聞く。

《こちら第一執行艦隊司令、被害報告》

《こちら第一執行艦隊の副司令官だ。被害は甚大だ。HTの八割、LTの七割が撃沈された。更に敵艦を一隻沈めたとはいえ、こちらの損害も大きい。》

《了解した。では我々はこのまま撤退する。》

《了解した。しかし、あの自爆兵器は何だったのだ?》

《さあな、だが一つだけ確かなことはあの兵器は今後我々にとって大きな脅威となるだろう。》

《そうだな。》

こうして第一執行艦隊が撤退し、敵の追撃がなかったことから艦数的に不利な敵艦隊は撤退したものと判断されて、コアもそれ以上の追撃は行わなかった。

しかし、敵の新兵器を目の当たりにしたコアと本部は今後同様の兵器が敵の手に渡らないようにするために、技術部にインフィジャールの対策と解析を行うように命令した。

そして、その命令を受けた技術部はインフィジャールの残骸を解析してその性能に驚愕するのだった。


「なんだ…これは…」

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